似た意味を持つ「ペルソナ」と「ターゲット」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ペルソナ」と「ターゲット」という言葉は、「商品やサービスを受ける消費者」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ペルソナとターゲットの違い
ペルソナとターゲットの意味の違い
ペルソナとターゲットの違いを分かりやすく言うと、ペルソナは個人を表現する時に使い、ターゲットは集団を表現する時に使うという違いです。
ペルソナとターゲットの使い方の違い
一つ目のペルソナを使った分かりやすい例としては、「ペルソナを特定するためにいくつか質問を上げていく」「一度作成したペルソナを再度調整しなければならない」「ユング心理学のペルソナはまるで全ての人が舞台役者であるように思える」などがあります。
二つ目のターゲットを使った分かりやすい例としては、「この商品のターゲット層は20代後半と設定されている」「高齢者をターゲットにしたスマートフォンもいくつか存在する」「頻発する犯罪では女性がターゲットにされていることが多い」などがあります。
ペルソナとターゲットの使い分け方
ペルソナとターゲットはどちらも、マーケティングにおいて商品やサービスを受ける消費者や顧客を指す言葉ですが、指すものが若干異なります。
ペルソナは、商品やサービスの開発を行う際に設定される架空の人物を指す言葉です。より具体的に設定することで、消費者が抱きそうな希望や悩みを一つ一つ想定し、それを解決できるような商品やサービスの開発を行うことができます。
一方のターゲットは、商品やサービスを売り込む際に想定される客層を指す言葉です。上記例文の「20代後半」「高齢者」などのように、多くの人が属する集団を対象としています。
つまり、ペルソナは個人に焦点を当てる場合に使われ、ターゲットは集団に焦点を当てる場合に使われるという違いがあります。また、前者は設定された人物が実在しているかは問わず、後者は実在する集団を指すという点も異なります。
ペルソナとターゲットの英語表記の違い
ペルソナを英語にすると「persona」となり、例えば上記の「ペルソナを特定する」を英語にすると「identify the persona」となります。
一方、ターゲットを英語にすると「target」となり、例えば上記の「ターゲット層」を英語にすると「target audience」となります。
ペルソナの意味
ペルソナとは
ペルソナとは、商品やサービスの開発を行う際に設定される架空の人物を意味しています。
その他にも、周囲に見せている自己の外的側面を意味する言葉として使われています。
ペルソナの使い方
「ペルソナマーケティングのためにアクセス解析の情報から架空の人物を作り上げる」「後輩がペルソナの作り方が分からないと相談してくれた」などの文中で使われているペルソナは、「商品開発のために設定される架空の人物」の意味で使われています。
一方、「子どももペルソナを形成して友人たちの輪に溶け込もうとしている」「自宅では母親というペルソナを自分の中に持っているため素の自分が出せていない」などの文中で使われているペルソナは、「自己の外的側面」の意味で使われています。
ペルソナは英語で「persona」と表記され、「登場人物」「外的人格」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、マーケティングにおいて用いられる場合と心理学において用いられる場合とでは意味が異なります。
マーケティング用語では、性別や居住地、年齢などの基本的な情報、家族構成、職業だけでなく、休日の過ごし方や趣味、性格などの細部までを、アンケートやインタビューなどから設定されたものを表します。
これに合わせて事業内容や実際の消費者へのアプローチ方法を考察していくことになります。一度設定されたペルソナは業務を遂行しながら何度も調整を繰り返し、より消費者に寄り添うために目標を設定することができます。
一方、心理学用語では、周囲に適応するための仮面のような概念を指す言葉で、役やキャラといった考え方をすることもできます。例えば、女性だから女らしく日常的に振る舞ってはいても自宅では男らしい面があるなど、人間の持つ様々な面がペルソナに当たります。
ペルソナの類語
ペルソナの類語・類義語としては、仮にこうだと考えることを意味する「仮想」、その人の人間性を意味する「人格」、その人の個性や人柄を意味する「パーソナリティ」などがあります。
ターゲットの意味
ターゲットとは
ターゲットとは、商品やサービスを売り込む際に想定される客層を意味しています。
その他にも、標的や的を意味する言葉として使われています。
ターゲットの使い方
「ターゲットマーケティングにおいて消費者の分析をすることが大切だ」「ターゲットセグメントは成果を得られやすいだろう」「ターゲット層を決める際に必要なことは何か教わる」などの文中で使われているターゲットは、「想定顧客」の意味で使われています。
一方、「男性だってセクハラのターゲットにされることはある」「ターゲットを良く狙って撃つタイプのシューティングゲームが苦手だ」「ハッキングのターゲットになった経験なんてない」などの文中で使われているターゲットは、「標的」の意味で使われています。
ターゲットは英語で「target」と表記され、「的」「標的」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、マーケティングにおいて想定顧客を指す場合には「ターゲットオーディエンス」と呼ばれることもあります。
「ターゲットマーケティング」の意味
上記例文の「ターゲットマーケティング」は、ニーズや興味を調査して、商品やサービスに興味を持つだろう客層にアプローチを集中させる方法を指す言葉です。そういった手法において、客層を定めることを「ターゲティングする」とも言います。
「ターゲットセグメント」の意味
また、上記例文の「ターゲットセグメント」とは、売り込む対象を様々な情報で分けて細分化してさらにターゲットを絞っていくことを指す言葉で、「セグメントターゲット」と表記される場合は、絞り込まれた対象を指す言葉に変化します。
その他にも、何かの的や標的を意味することから、攻撃性のあるものや犯罪に関連するものの被害を加えられる対象を表す場合もあります。
ターゲットの類語
ターゲットの類語・類義語としては、めざす意図や目当てを意味する「狙い」、実現や達成を目指す水準を意味する「目標」、攻撃の方向を意味する「矛先」などがあります。
ペルソナの例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品やサービスの開発を行う際に設定される架空の人物を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、心理学用語として使われる場合には、自己の外的側面を表す言葉として使われています。
ターゲットの例文
この言葉がよく使われる場面としては、商品やサービスを売り込む際に想定される客層を意味する時などが挙げられます。
例文4や例文5のように、マーケティング以外における標的や目的を意味する言葉としても使われています。
ペルソナとターゲットは、どちらも「商品やサービスを受ける消費者」を表します。どちらを使うか迷った場合は、個人を表す場合は「ペルソナ」を、集団を表す場合は「ターゲット」を使うと覚えておけば間違いありません。