似た意味を持つ「レンタルオフィス」と「シェアオフィス」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「レンタルオフィス」と「シェアオフィス」という言葉は、「他の利用者と共有する事務所の形態」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
レンタルオフィスとシェアオフィスの違い
レンタルオフィスとシェアオフィスの意味の違い
レンタルオフィスとシェアオフィスの違いを分かりやすく言うと、レンタルオフィスは専有できるスペースがある場合に使い、シェアオフィスは専有できるスペースがない場合に使うという違いです。
レンタルオフィスとシェアオフィスの使い方の違い
一つ目のレンタルオフィスを使った分かりやすい例としては、「渋谷や新宿といった場所でレンタルオフィスを選ぶのは難しくないだろう」「レンタルオフィスは一人から借りることができる」「予算内の月額料金で済むようなレンタルオフィスを視野に入れる」などがあります。
二つ目のシェアオフィスを使った分かりやすい例としては、「シェアオフィスを提供する事業者を募集していた」「駅に近いなど利便性の高いシェアオフィスを探している」「最近はシェアオフィスにお世話になってばかりだ」などがあります。
レンタルオフィスとシェアオフィスの使い分け方
レンタルオフィスとシェアオフィスはどちらも、他の利用者と共有する事務所の形態を指す言葉ですが、性質が異なります。
レンタルオフィスは、不動産を借りるのに本来必要な賃貸契約をせずに借りることができる業務に必要な環境を備えた事務所を指します。共有スペースとは別に、利用者それぞれに専用のスペースが提供されます。
一方のシェアオフィスは、複数の利用者が一つの建物や部屋を共有する事務所を指します。設備などを他の利用者と共に使うためコストを抑えることができる点や、業界の垣根を超えた交流ができる可能性がある点などが特徴として挙げられます。
つまり、レンタルオフィスは個室などの専有できるスペースであり、シェアオフィスは鍵などが掛けられないような共有スペースであるという違いがあります。
レンタルオフィスとシェアオフィスの英語表記の違い
レンタルオフィスを英語にすると「a serviced office」「rental office」となり、例えば上記の「レンタルオフィスを選ぶ」を英語にすると「select a serviced office」となります。
一方、シェアオフィスを英語にすると「shared office」「share office」となり、例えば上記の「シェアオフィスを提供する」を英語にすると「provide a shared office」となります。
レンタルオフィスの意味
レンタルオフィスとは
レンタルオフィスとは、賃貸契約をせずに借りることができる業務に必要な環境を備えた事務所を意味しています。
レンタルオフィスの使い方
レンタルオフィスを使った分かりやすい例としては、「都心のレンタルオフィスがまとめられたホームページは検索すればいくつもある」「今ではレンタルオフィスや貸し会議室など借りれる場所がたくさんある」などがあります。
その他にも、「遠方への営業に合わせてレンタルオフィスが設置された」「レンタルオフィスであれば短い期間だけオフィスがほしい場合に場所を借りて契約するよりも安く済む」「レンタルオフィスにも人が増えてきたが本拠地として店舗を構える気はないらしい」などがあります。
レンタルオフィスのレンタルは英語で「rental」と表記され、「賃借料」「賃借」といった意味を持つ言葉です。そのため、事務所を意味するオフィスという言葉と組み合わせて使う場合、英語圏と日本とでは意味が大きく異なります。
英語圏では「貸しオフィス」という意味になり、不動産の賃貸契約を行うことで専有することができるような事務所を指します。そのため、サービスや施設利用の契約をして一部スペースを利用する日本で使われるレンタルオフィスとは異なります。
椅子、デスク、通信インフラなど業務に必要なものがあり、会議室や受付なども提供されています。加えて、来客対応などのサービスを請け負う企業もあり、複数の利用者がいるとはいえ、専有スペースがある点も大きな特徴と言えます。
レンタルオフィスの類語
レンタルオフィスの類語・類義語としては、オフィスに必要な家具やインフラなどが完備されているオフィスを意味する「サービスオフィス」、賃貸オフィスよりも柔軟に利用できるオフィスを意味する「フレキシブルオフィス」などがあります。
シェアオフィスの意味
シェアオフィスとは
シェアオフィスとは、複数の利用者が一つの建物や部屋を共有する事務所を意味しています。
シェアオフィスの使い方
シェアオフィスを使った分かりやすい例としては、「シェアオフィスサービスをJRが展開していることを知った」「グレードの高いシェアオフィスを探している」「365日24時間利用可能なシェアオフィスも少なくない」などがあります。
その他にも、「在宅ワークが苦手な自分にはシェアオフィスが合っていた」「完全個室のシェアオフィスがあると聞いて行ってみたいと感じた」「仕事を持ち込んでもシェアオフィスでできる業務は限られている」などがあります。
シェアオフィスのシェアは英語で「share」と表記され、「割り当て」「分配する」といった意味を持ちますが、オフィスという言葉と組み合わせて使う場合は、「共有の」「共同の」を意味する「shared」が英語圏では使われています。
2005年頃からアメリカで見られるようになった方法で、日本でもコロナ禍の影響でリモートワークが導入されるようになったこともあり、他の企業とのコミュニケーション促進などにも役立つとしてシェアオフィスが多く利用されるようになりました。
前項のレンタルオフィス同様、椅子、デスク、通信インフラなど業務に必要なものがあり、会議室を利用することもできますが、専有できるスペースがないため秘匿性の高い業務には不向きである点がデメリットと言えます。
シェアオフィスの類語
シェアオフィスの類語・類義語としては、他の人と場所を共有して仕事を行うスペースを意味する「コワーキングスペース」、勤務先以外に設置されるオフィススペースを意味する「サテライトオフィス」などがあります。
レンタルオフィスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、賃貸契約をせずに借りることができる業務に必要な環境を備えた事務所を意味する時などが挙げられます。
例文3の「バーチャルオフィス」とは、入居はしないまま住所や電話番号を借りることのできるオフィスを指す言葉です。
シェアオフィスの例文
この言葉がよく使われる場面としては、複数の利用者が一つの建物や部屋を共有する事務所を意味する時などが挙げられます。
どの例文のシェアオフィスも専有できるスペースがないため、例文5のようにプライバシーに配慮されたスペースではありません。
レンタルオフィスとシェアオフィスは、どちらも「他の利用者と共有する事務所の形態」を表します。
どちらを使うか迷った場合は、専有できるスペースがある場合は「レンタルオフィス」を、専有できるスペースがない場合は「シェアオフィス」を使うと覚えておけば間違いありません。