似た意味を持つ「散見される」(読み方:さんけんされる)と「見受けられる」(読み方:みうけられる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「散見される」と「見受けられる」という言葉は、どちらも見えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
散見されると見受けられるの違い
散見されると見受けられるの意味の違い
散見されると見受けられるの違いを分かりやすく言うと、散見されるとは目に見えたものに対してしか使わない、見受けられるとは目に見えたものだけではなく推測にも使えるという違いです。
散見されると見受けられるの使い方の違い
一つ目の散見されるを使った分かりやすい例としては、「この街には多くの牛丼屋が散見される」「この記事には多くの知識不足が散見される」「花火大会があるので浴衣を着ている人が散見される」「この本は誤植が散見される」などがあります。
二つ目の見受けられるを使った分かりやすい例としては、「今回の事件は大柄の男性による犯行だと見受けられる」「こちらのレポートには誤字脱字が見受けられる」「最近遅刻者が多く見受けられるため罰則を厳しくした」「この計画は改善が必要だと見受けられる」などがあります。
散見されると見受けられるは似たような意味を持つ言葉なのですが、使い方が少し異なっています。散見されるは実際に見えたものにしか使わないのに対し、見受けられるは目に見えたものだけではく、推測や推定などにも使えるというのが違いになります。
例えば上記の「この計画は改善が必要だと見受けられる」は推定の意味で使われているので、「この計画は改善が必要だと散見される」とすると意味が通じない言葉になってしまいます。そのため、推測の意味で使う場合には、見受けられるを使うようにしましょう。
散見されると見受けられるの英語表記の違い
散見されるを英語にすると「seen here and there」となり、例えば上記の「この本は誤植が散見される」を英語にすると「This book misprint seen here and there」となります。
一方、見受けられるを英語にすると「be seen」となり、例えば上記の「この計画は改善が必要だと見受けられる」を英語にすると「I see this plan improvement is needed」となります。
散見されるの意味
散見されるとは
散見されるとは、ちらほら目に付くことを意味しています。
散見されるの使い方
散見されるを使った分かりやすい例としては、「この雑誌には新しい言葉が散見される」「新型ウイルスの影響で閉店している店が散見される」「君が書いたレポートは誤字脱字が散見されると言われた」「この計画には多くの問題が散見している」などがあります。
散見されるは辞書に載っていない間違った言葉なのですが、正しい使い方の「散見する」よりも、一般的に広く使われているため、使用しても問題ない言葉として扱われています。「散見される」と「散見する」どちらの表現でも間違いではないと覚えておきましょう。
散見されるは、ちらほら目に付く悪いことというネガティブなイメージで使われることが多いですが、ポジティブなイメージで使っても問題はありません。また、散見は実際に目に見たものに対してだけ使うと覚えておきましょう。
散見されるの散の字を使った別の言葉としては、広く散らばることを意味する「散開」、散らばって住むことを意味する「散居」、あちこちに散らばっていることを意味する「散在」、あちこちに散らばっていることを意味する「散点」などがあります。
見受けられるの意味
見受けられるとは
見受けられるとは、見て取れることを意味しています。その他にも、目に留まるという意味も持っています。
見受けられるの使い方
見受けられるを使った分かりやすい例としては、「今回の事件は内情をよく知っている者の犯行だと見受けられる」「アンケートの結果この商品は若者に人気だと見受けらる」「本イベントではコスプレしている人も見受けられる」などがあります。
見受けられるは複数の意味を言葉ですが、どちらの意味でも使われています。実際に目にしたものだけではなく、上記の例文の「今回の事件は内情をよく知っている者の犯行だと見受けられる」のように、推測の場合に使うことも可能です。
目上の人には「お見受けされる」「お見受けしています」
また、見受けられるはビジネスシーンでもよく使う言葉になります。目上の人に対して使う場合は少し言葉が変化して、「お見受けされる」「お見受けしています」などと表現することができます。
見受けられるの類語
見受けられるの類語・類義語としては、現場に居合わせて実際に見ることを意味する「目撃」、まだ知られていなかったものを見つけ出すことを意味する「発見」、目上の人の目に留まることを意味する「御目にかかる」などがあります。
見受けられるの見の字を使った別の言葉としては、物事に対する考え方や価値判断を意味する「見解」、実際の有り様を見て知識を広めることを意味する「見学」、物事を深く見通し本質を捉える判断力のことを意味する「見識」などがあります。
散見されるの例文
この言葉がよく使われる場面としては、ちらほら目に付くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、様々な場面で使うことができる言葉です。マイナスなイメージで使われると多いですが、例文4や例文5のようにプラスなイメージで使っても何も問題ありません。プラスもマイナスもどちらの意味でも使える言葉と覚えておきましょう。
見受けられるの例文
この言葉がよく使われる場面としては、見て取れることを表現したい時などが挙げられます。その他にも目に留まるという意味も持っています。
例文1のように実際の目に留まった場合だけではなく、例文4や例文5のように、推測や推定で使うことも可能な言葉になります。
散見されると見受けられるどちらを使うか迷った場合は、実際に見たもの対しては「散見される」を、実際に見ていないが、推測や推定できるものに対しては「見受けられる」を使うと覚えておきましょう。