似た意味を持つ「運命共同体」(読み方:うんめいきょうどうたい)と「一蓮托生」(読み方:いちれんたくしょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「運命共同体」と「一蓮托生」という言葉は、どちらも「運命をともにすること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
運命共同体と一蓮托生の違い
運命共同体と一蓮托生の意味の違い
運命共同体と一蓮托生の違いを分かりやすく言うと、運命共同体とは運命をともにする緊密な関係を表し、一蓮托生とは運命や行動をともにすることを表すという違いです。
運命共同体と一蓮托生の使い方の違い
一つ目の運命共同体を使った分かりやすい例としては、「我々は相互に依存する運命共同体である」「グローバルな世界は運命共同体です」「運命共同体としてともに発展する」「人類は運命共同体の地球市民である」などがあります。
二つ目の一蓮托生を使った分かりやすい例としては、「結婚相手とは一蓮托生の間柄になります」「あなたと私はどんな時も一蓮托生です」「一蓮托生を誓った仲間に裏切られた」「ビジネスパートナーとは一蓮托生である」などがあります。
運命共同体と一蓮托生の使い分け方
運命共同体と一蓮托生という言葉は、どちらも複数の人や組織が運命をともにすることを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
運命共同体とは、運命をともにすることを相互に了解し合った複数の個人や団体を意味します。繁栄も衰退も、その運命をともにする関係を指し、一般的には結婚した夫婦に対して用いられる言葉です。また、同じ会社の従業員や、協力関係にある国同士にも使用される言葉です。
一蓮托生とは、仏教用語で、よい行いをした者は極楽浄土に往生して、同じ蓮の花の上に身を託し生まれ変わることを意味します。転じて、事の善悪にかかわらず仲間として行動や運命をともにすることの意味で使用される四字熟語です。
つまり、運命共同体とは緊密な関係にフォーカスした言葉であり、一蓮托生とは行動や運命をともにすることにフォーカスした言葉です。二つの言葉はとても似ていますが、ニュアンスは異なるので区別して使い分けるようにしましょう。
運命共同体と一蓮托生の英語表記の違い
運命共同体も一蓮托生も英語にすると「being in the same boat」「sharing the same fate」となり、例えば上記の「我々は運命共同体である」を英語にすると「we’re in the same boat」となります。
運命共同体の意味
運命共同体とは
運命共同体とは、所属する人が繁栄するときも衰亡するときも運命をともにする組織や団体、また、その関係にあることを意味しています。
運命共同体の使い方
運命共同体を使った分かりやすい例としては、「私とあなたは運命共同体なのです」「運命共同体の一員として役割を担う」「運命共同体になる男女カップルを予想します」「恋愛相手は運命共同体だと思っています」などがあります。
その他にも、「私たちは運命共同体である」「より緊密な運命共同体を構築する」「地球と人類は運命共同体の関係にある」「私たちは地球という運命共同体の中で生きている」「中国の人類運命共同体構想にいかに向き合うか」などがあります。
運命共同体とは、運命をともにすることをお互いに了解し合った複数の個人または組織や団体を意味します。結婚した夫婦、同じ会社に就職した従業員一同、協力関係を結んだ国同士などは運命共同体と言える間柄になります。
「人類運命共同体」の意味
運命共同体を用いた日本語には「人類運命共同体」があります。人類運命共同体とは、中国の習近平国家主席が打ち出した外交の方針です。一つの地球上で暮らす全ての民族や国家は運命共同体であるから、ともに発展すべきであるという理念を意味します。
運命共同体の対義語
運命共同体の対義語・反対語としては、組織などがくずれて散り散りばらばらになることを意味する「分崩離析」(読み方:ぶんぽうりせき)などがあります。
運命共同体の類語
運命共同体の類語・類義語としては、二つ以上のものが互いに助け合って共に栄えることを意味する「共栄共存」、互いに競争し合ったりした結果ともに成り立たなくなることを意味する「共倒れ」などがあります。
一蓮托生の意味
一蓮托生とは
一蓮托生とは、仏語で、死後、極楽浄土の同じ蓮の花の上に生まれること、転じて、結果のよしあしにかかわらず行動や運命を共にすることを意味しています。
一蓮托生の使い方
一蓮托生を使った分かりやすい例としては、「あいつと一蓮托生は御免だ」「私の座右の銘は一蓮托生です」「会社と一蓮托生する意思はありますか」「地方銀行は地域と一蓮托生の関係にある」などがあります。
その他にも、「日本株は米国景気と一蓮托生である」「経営陣と従業員は一蓮托生ではないのか」「ビジネスモデルが軌道に乗るまで一蓮托生で乗り切る」「子ども達と一蓮托生の思いで英語教育に携わる」などがあります。
一蓮托生とは、仏教用語で、死後に極楽浄土の仏菩薩と同一の蓮華の上に往生することを意味します。転じて、結果はどうなろうと行動や運命をともにすることを意味で用いられる言葉です。この四字熟語は、良い意味でも悪い意味でも使用されています。
一蓮托生の語源
一蓮托生という言葉の語源は、仏教の教えに由来します。浄土宗の開祖である法然は、弟子との今生の別れの際に、「ひたすらに念仏を修めるあなたは、私と一緒に極楽浄土の蓮の台に生まれます」と励ましたと言われています。
一蓮托生の対義語
一蓮托生の対義語・反対語としては、まとまりのあるものが秩序を失い乱れることを意味する「四分五裂」などがあります。
一蓮托生の類語
一蓮托生の類語・類義語としては、極楽浄土で同じ蓮の台に二人ですわることを意味する「蓮の台の半座を分かつ」、死ぬときは一緒であることを意味する「死なば諸共」、一緒に行動させることを意味する「道連れ」などがあります。
運命共同体の例文
この言葉がよく使われる場面としては、運命をともにすることを相互に了解し合った複数の個人または団体を表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、運命共同体という言葉は、日常生活からビジネスシーンまでのさまざまな場面で使用されています。
一蓮托生の例文
この言葉がよく使われる場面としては、死後に極楽浄土で同じ蓮華の上に生まれること、最後まで行動や運命を共にすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、一蓮托生のという言葉は、日常会話からビジネスの場までの幅広いシーンで使用されています。
運命共同体と一蓮托生という言葉は、どちらも「運命をともにすること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、運命をともにする関係を表現したい時は「運命共同体」を、一緒に行動し運命をともにすることを表現したい時は「一蓮托生」を使うようにしましょう。