似た意味を持つ「差し入れ」(読み方:さしいれ)と「お土産」(読み方:おみやげ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「差し入れ」と「お土産」という言葉は、どちらも物を贈ることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「差し入れ」と「お土産」の違い
「差し入れ」と「お土産」の意味の違い
「差し入れ」と「お土産」の違いを分かりやすく言うと、「差し入れ」とは慰労や激励などのため飲食物などを届けること、「お土産」とは外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことという違いです。
「差し入れ」と「お土産」の使い方の違い
一つ目の「差し入れ」を使った分かりやすい例としては、「差し入れはすぐ食べれる物が好まれるらしいです」「差し入れにおにぎりを作ることにしました」「残業の従業員に社長からスナックの差し入れがありました」などがあります。
二つ目の「お土産」を使った分かりやすい例としては、「沖縄へ旅行するので会社の人にお土産を買うことにしました」「同僚からハワイのお土産をもらいましいた」「お子様の土産に宇都宮の餃子はいかがですか」「この知らせが両親に何よりのお土産になります」などがあります。
「差し入れ」と「お土産」の使い分け方
「差し入れ」と「お土産」はどちらも物を上げることを意味する言葉ですが、その目的は異なっているので間違えないように注意が必要です。
「差し入れ」とは慰労や激励などのため飲食物などを届けることを意味する言葉で、その場をすぐ離れられない人に対して激励の気持ちを込めてお渡しする物になります。
一方、「お土産」は外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことを意味しており、ただ単純に外出先や旅先で買ってきた物を渡すので、その場をすぐ離れられない人に対して激励の気持ちを込めてお渡しするなどのようなニュアンスはありません。
したがって、「差し入れ」と「お土産」は物を贈る基準が異なっているというのが違いです。
「差し入れ」と「お土産」の英語表記の違い
「差し入れ」を英語にすると「insertion」「present」となり、例えば上記の「残業の従業員に社長からスナックの差し入れがありました」を英語にすると「The boss presented snacks to the employees working overtime」となります。
一方、「お土産」を英語にすると「a souvenir」「a present」となり、例えば上記の「この知らせが両親に何よりのお土産になります」を英語にすると「This news will be the best possible present I can take home to my parents」となります。
「差し入れ」の意味
「差し入れ」とは
「差し入れ」とは、慰労や激励などのため飲食物などを届けることを意味しています。
「差し入れ」の使い方
「差し入れ」を使った分かりやすい例としては、「遅くまで残業していたら上司からコンビニ弁当の差し入れがありました」「山田さんが差し入れもってきてくれたよ」「張り込みしている同僚に差し入れの菓子パンを持っていく」などがあります。
「差し入れ」は慰労や激励などのため飲食物などを届けること名詞です。
「差し入れ」の語源
「差し入れ」は古くからある言葉で、元々は隙間に物を入れるの意味で使われていました。それが明治時代にはある特定の隙間に物を差し入れるという変化したと言われいます。このある特定の隙間とは刑務所のことです。
明治時代の監獄のドアには食事を入れるための小さな隙間があり、そこで食事だけではなく日用品も渡していました。そのため、閉じ込められている人に隙間から物を渡す行為を「差し入れ」というようになりました。
この刑務所や拘置所や警察の留置施設に収容されている者に外部から日用品などを届けることの意味が時代に経つにつれて変化し、忙しくて身動きを取れない人に対して慰労や激励などのため飲食物などを届けることを「差し入れ」というようになったのです。
「差し入れ」は忙しくて身動きが取れない人に渡す者なので、食べやすいかったり片付けやすいものが好ましいと言われています。
「差し入れ」の類語
「差し入れ」の類語・類義語としては、多忙な状況にある人などを見舞い激励することを意味する「暑中見舞い」があります。
「お土産」の意味
「お土産」とは
「お土産」とは、外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことを意味しています。その他にも、迷惑なもらい物を冗談めかしていうことの意味も持っています。
「お土産」の漢字表記
「お土産」を漢字にすると、「御土産」と表記することができます。
「お土産」の使い方
「子供へのお土産にご当地ポテトチップスを買っていく」「素敵なお土産をありがとうございます」などの文中で使われている「お土産」は、「外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のこと」の意味で使われています。
一方、「伝染病というお土産を持って帰国してしまいました」「旅行先でお土産をもらわないようにきちんと手洗いうがいをする」などの文中で使われている「お土産」は、「迷惑なもらい物を冗談めかしていうこと」の意味で使われています。
「お土産」は外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことを意味する「土産」に、接頭語の「お」が合わさった名詞です。
「お土産」は丁寧な表現なので、上司や取引先などの目上の人に対しても使うことができます。
「お土産」の語源
「お土産」の語源は「土産」です。「土産」は元々「とさん」と読んでおり、「その土地の産物」という意味で使われていました。これが転じて、その土地で買う産物のことを「お土産」というようになったと言われています。
「お土産」はその土地で買う産物を表しているので食べ物が多いですが、その土地の産物であれば食べ物以外でも問題ないと覚えておきましょう。
「お土産」の類語
「お土産」の類語・類義語としては、思い出となるような品のことを意味する「記念品」、贈り物のことを意味する「プレゼント」、人に物を贈ることを意味する「贈呈」などがあります。
「差し入れ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、慰労や激励などのため飲食物などを届けることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「差し入れ」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「お土産」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、迷惑なもらい物を冗談めかしていうことの意味も持っています。
例文1から例文4は外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のこと、例文5は迷惑なもらい物を冗談めかしていうこと意味で使っています。
「差し入れ」と「お土産」はどちらも物を贈ることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、慰労や激励などのため飲食物などを届けることを表現したい時は「差し入れ」を、外出先や旅先で求めて家などに持ち帰る品物のことを表現したい時は「お土産」を使うと覚えておきましょう。