【啓蒙】と【啓発】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「啓蒙」(読み方:けいもう)と「啓発」(読み方:けいはつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「啓蒙」と「啓発」という言葉は、どちらも教え導くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。







啓蒙と啓発の違い

啓蒙と啓発の違いを分かりやすく言うと、啓蒙とは目上の人から目下の人に対して使う言葉、啓発とは誰に対しても使える言葉という違いです。

一つ目の啓蒙を使った分かりやすい例としては、「啓蒙思想を取り入れる人は多い」「大衆を啓蒙することにした」「省エネやリサイクルに対しての関心を高めるために啓蒙活動を行っている」などがあります。

二つ目の啓発を使った分かりやすい例としては、「路上喫煙のマナー向上のために啓発活動を実施しました」「自己啓発セミナーに騙されてはいけない」「研修を定期的に行い社員の意識啓発を図る」などがあります。

啓蒙と啓発の明確な違いは、啓蒙は目上の人が目下の人に対して使えない言葉に対して、啓発は誰に対しても使えるという点です。他にも違いがあり、啓蒙はマイナスなイメージを持つ言葉なのに対して、啓発はプラスなイメージを持つ言葉になります。

また、啓蒙は目上の人から目下の人に対して使う言葉なのですが、無知な人に教えるという少し馬鹿にした意味を含んでいます。そのため、目下の人に使ったとしても使われた側が気分を悪くすることも多いため、ほとんど使われない言葉になりました。

啓蒙と啓発はどちらもほぼ同じ意味を持っているため、啓蒙活動や啓蒙的などの言葉を使いたい場合は、啓蒙の部分を啓発に置き換えて使えば問題ないはずです。

啓蒙も啓発も英語にすると「Enlightenment」となり、例えば上記の「路上喫煙のマナー向上のために啓発活動を実施しました」を英語にすると「We carried out enlightenment activity to improve manners of smoking on the street」となります。

啓蒙の意味

啓蒙とは、人々に正しい知識を与えて合理的な考えをするように教え導くことを意味しています。

啓蒙を使った分かりやすい例としては、「啓蒙思想を批判する人もいる」「啓蒙を差別用語と捉える人もいるのであまり使わない方がいいだろう」「人種差別啓蒙キャンペーンを行った」などがあります。

啓蒙という言葉は、人々に正しい知識を与えて合理的な考えをするように教え導くことを意味しているのですが、簡単に言うと無知な人に対して知識を教えるという意味になります。そのため、上から目線と捉えられることも多く使う場合は注意してください。

基本的に啓蒙は、目上の人が目下の人に対して使う言葉です。目上の人に対しては決して使わないようにしましょう。また、目下の人に対して使う場合にも相手が気分を悪くすることが多いため、あまり使われない言葉になりました。

啓蒙を使った有名な言葉としては、「啓蒙思想」(読み方:けいもうしそう)があります。啓蒙思想とは、理性による思考の普遍性と不変性を主張する思想ことを意味しており、その主義性を強調して啓蒙主義とも言われていました。

また、啓蒙思想は18世紀のヨーロッパにおいて主流になっており、フランス革命や共和主義的近代化改革の思想的基盤のなったともいわれています。有名な啓蒙思想家としてロック、ルソー、モンテスキューを覚えておけば間違いないはずです。

啓蒙の類語・類義語としては、人を教えに導き道徳的な影響を与えて望ましい方向に進ませることを意味する「教化」、考え方や行動に影響を与えて自然にそれを変えさせることを意味する「感化」、ある人間を望ましい姿に変化させようとすることを意味する「教育」などがあります。

啓蒙の蒙の字を使った別の言葉としては、頑なで愚かなことを意味する「頑蒙」(読み方:がんもう)、子供や初心者を教え諭すことを意味する「訓蒙」、幼くて道理が分からないことを意味する「童蒙」などがあります。

啓発の意味

啓発とは、人が気付かないことを教え示してより深い理解へ導くことを意味しています。

啓発を使った分かりやすい例としては、「怪しげな自己啓発セミナーには参加しないようにしよう」「従業員の意識啓発を図る」「私は彼女の意見に啓発されました」「私の住んでいる地域では交通安全啓発活動がよく行われている」などがあります。

啓発という言葉は、人が気付かないことを教え示してより深い理解へ導くことを意味しているのですが、簡単に言うと今まで知らなかったことを気付かせるという意味です。そのため、プラスなイメージで使われる言葉になります。

啓発は知らなかったことを気付かせるという意味なので、誰に対しても使える言葉になります。もちろん目下の人が目上の人に対して使うことも可能です。そのため、啓発は日常生活でもビジネスシーンでも使われる言葉になりました。

啓発を使った有名な言葉としては、「自己啓発」(読み方:じこけいはつ)があります。自己啓発とは、自分を人間としてより高い段階へ上昇させようとしていることを意味しています。

また、テレビなどで自己啓発セミナーに洗脳されたり、騙された人達の特集をよく放映しているので、自己啓発という言葉にマイナスなイメージ持っている人も多いはずです。自己啓発を悪用している人が悪いのであって、自己啓発自体の意味はプラスになっています。

啓発の類語・類義語としては、知恵や能力などを導き出し活用させることを意味する「開発」、人や動植物が育つことを意味する「成長」、育って大きくなることを意味する「発育」、物事が次第により良い方向へ向かっていくことを意味する「進歩」などがあります。

啓発の発の字を使った別の言葉としては、活動などが生き生きとして盛んなことを意味する「活発」、刺激を受けて心が奮い立つことを意味する「感発」(読み方:かんぱつ)、気力を奮い起こすことを意味する「奮発」などがあります。

啓蒙の例文と使い方

1.啓蒙を高めるために朝から動画を視聴した。
2.啓蒙的な文化人類学者を探すためにネットで検索している。
3.最先端医療についての情報を啓蒙したい。
4.命の大切さを教えるために動物愛護の啓蒙活動を行っている。
5.18世紀の啓蒙主義によって文明化した社会へ進歩した。

この言葉がよく使われる場面としては、人々に正しい知識を与えて合理的な考えをするように教え導くことを表現したい時などが挙げられます。

例文4のような啓蒙活動という言葉は今ではほとんど聞かなくなりました。啓蒙の部分を啓発に置き換えて啓発活動として使うのが正しいです。

もし使いたいのであれば、目下の人が目上の人から物を教わった時に、「先生の講義に啓蒙して、私も先生を目指しました」などと相手に敬意を示す場合は可能です。

啓発の例文と使い方

1.自己啓発を図るためにたくさん本を読むようにしよう。
2.水力や太陽光などの再生可能エネルギーの普及啓発に努める。
3.食の安心安全のために知識の普及啓発活動を行っています。
4.明るい選挙啓発ポスターコンクールで私の作品が優秀賞を取った。
5.自己啓発本を読んだことによって私の人生の世界観が変わった。

この言葉がよく使われる場面としては、人が気付かないことを教え示してより深い理解へ導くことを表現したい時などが挙げられます。

例文1や例文5のように、自己をレベルアップさせる意味を持つ自己啓発はよく使われる言葉です。また、例文2のように啓発に努めるという表現もよく使います。啓発は気付かないことを教わるというプラスのイメージの言葉と覚えておいてください。

啓蒙と啓発どちらか使うか迷った時は、どちらもほとんど同じ意味なため、幅広い範囲で使えるかつ相手を馬鹿にしていない啓発の方を使えば間違いないでしょう。