似た意味を持つ「晩節を汚す」(読み方:ばんせつをよごす)と「名声が地に落ちる」(読み方:めいせいがちにおちる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」という言葉は、どちらも名誉や評判が落ちることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の違い
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の意味の違い
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の違いを分かりやすく言うと、「晩節を汚す」は人に対して使うことが多い、「名声が地に落ちる」は商品や会社など人以外に対して使うこともできるという違いです。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の使い方の違い
一つ目の「晩節を汚す」を使った分かりやすい例としては、「晩節を汚す前に引退する選手はそう多くないと思います」「晩節を汚すことはとても勿体ないと思います」「彼は金銭トラブルで晩節を汚すこととなりました」などがあります。
二つ目の「名声が地に落ちる」を使った分かりやすい例としては、「あれだけの不祥事を起こせば名声が地に落ちても仕方がないだろう」「産地偽装行った飲食店の名声が地に落ちる」「彼女の名声が地に落ちる」などがあります。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の使い分け方
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」はどちらも名誉や評判が落ちることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「晩節を汚す」は上記の「晩節を汚す前に引退する選手はそう多くないと思います」「彼は金銭トラブルで晩節を汚すこととなりました」などのように、人に対して使うのが一般的な言葉になります。
一方、「名声が地に落ちる」は上記の「産地偽装行った飲食店の名声が地に落ちる」「彼女の名声が地に落ちる」などのように、人にも使うことができますが、商品や会社などの人以外に対して使えるというのが違いです。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」の英語表記の違い
「晩節を汚す」を英語にすると「tarnish one’s twilight years」となり、例えば上記の「彼は金銭トラブルで晩節を汚すこととなりました」を英語にすると「He get in financial trouble and tarnish one’s twilight years」となります。
一方、「名声が地に落ちる」を英語にすると「reputation is completely ruined」となり、例えば上記の「彼女の名声が地に落ちる」を英語にすると「Her reputation is completely ruined」となります。
「晩節を汚す」の意味
「晩節を汚す」とは
「晩節を汚す」とは、今まで評判の良かった人が過ちを犯してそれまでの評判を落とすことを意味しています。
「晩節を汚す」の読み方
「晩節を汚す」の読み方は「ばんせつをけがす」です。誤って「ばんせつをよごす」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「晩節を汚す人」「晩節を汚すこととなった」
「晩節を汚す人」「晩節を汚すこととなった」などが、「晩節を汚す」を使った一般的な言い回しになります。
「晩節を汚す」の使い方
「晩節を汚す」を使った分かりやすい例としては、「晩節を汚さないよう行動や言動は慎ます」「晩節を汚すのを防ぐためにアイドルの引退は潔い方がいいだろう」「汚職事件によって晩節を汚す政治家が多いのはなぜだろうか」などがあります。
「晩節を汚す」は人生の終わりのころのことを意味する「晩節」に、恥ずべき行為などをして名誉や誇りを傷つけることを意味する「汚す」が合わさり、今まで評判の良かった人が過ちを犯してそれまでの評判を落とすことを意味する言葉です。
したがって、「晩節を汚す」はマイナスなイメージで使うと覚えておきましょう。
「晩節を汚す」は政治家、スポーツ選手、芸能人、有名企業の社長などの、有名人と呼ばれる人々に対して使うのが特徴になります。そのため、一般の人に対して使うことはないと覚えておきましょう。
また、「晩節を汚す」をスポーツ選手や芸能人などに対しては、人生の終わりというより引退が近いキャリアの終盤というニュアンスで使います。
「晩節を汚す」の類語
「晩節を汚す」の類語・類義語としては、 失敗したり陥れられたりして地位や立場を失うことを意味する「失脚」、名誉や権威などを失うことを意味する「失墜」、栄えていたものが衰えることを意味する「没落」などがあります。
「名声が地に落ちる」の意味
「名声が地に落ちる」とは
「名声が地に落ちる」とは、名誉や評判が衰えて廃れることを意味しています。
「名声が地に落ちる」の読み方
「名声が地に落ちる」の読み方は「めいせいがちにおちる」です。誤って「めいせいがじにおちる」などと読まないようにしましょう。
「名声が地に落ちる」の使い方
「名声が地に落ちる」を使った分かりやすい例としては、「不祥事を起こしたことによって名声が地に落ちる」「不正な取引が明るみになり彼女の名声が地に落ちる」「賄賂を受け取っていたことが明るみになり名声が地に落ちる」などがあります。
「名声が地に落ちる」は、名誉ある評判のことを意味する「名声」に、盛んであった評判や権威などが全く衰え廃れることを意味する「地に落ちる」が合わさり、名誉や評判が衰えて廃れることを意味する言葉です。
したがって、「名声が地に落ちる」はマイナスなイメージで使うと覚えておきましょう。
「名声が地に落ちる」は有名人などの人だけではなく、「産地偽装を行なった百貨店の名声が地に落ちる」「異物混入事件があった商品の名声が地に落ちる」などのように、会社や商品などの人以外に対しても使うことができるというのが特徴です。
また、「名声が地に落ちる」は有名人や有名企業などの広く知れ渡っているものに対して使います。そのため、一般の人や一般企業に対して使うことはないと覚えておきましょう。
「名声が地に落ちる」の類語
「名声が地に落ちる」の類語・類義語としては、価値が無くなることを意味する「評判が落ちる」、勢いや活力が衰え弱まることを意味する「衰退」などがあります。
「晩節を汚す」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、今まで評判の良かった人が過ちを犯してそれまでの評判を落とすことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「晩節を汚す」は一般人ではなく、有名人に対して使う言葉になります。
「名声が地に落ちる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、名誉や評判が衰えて廃れることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「名声が地に落ちる」は商品や会社など人以外に対しても使うことができます。
「晩節を汚す」と「名声が地に落ちる」はどちらも名誉や評判が落ちることを表します。どちらの言葉を使うか待った場合、人に対して使うことが多いのが「晩節を汚す」、商品や会社など人以外に対しても使うことができるのが「名声が地に落ちる」と覚えておきましょう。