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【総力】と【全力】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「総力」(読み方:そうりょく)と「全力」(読み方:ぜんりょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「総力」と「全力」という言葉は、どちらも「もっている全ての力」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




総力と全力の違い

総力と全力の意味の違い

総力と全力の違いを分かりやすく言うと、総力とは複数人がもっている全ての力、全力とは個人がもっている全ての力という違いです。

総力と全力の使い方の違い

一つ目の総力を使った分かりやすい例としては、「グループの総力をあげて取り組む」「官民の総力を結集して経済発展を実現させよう」「政府の総力を挙げて災害救助にあたる」「次の試合はチーム総力戦で臨みます」などがあります。

二つ目の全力を使った分かりやすい例としては、「全力を尽くして頑張ります」「受験本番で全力を出し切る」「優勝目指して全力の限りを尽くす」「私の座右の銘は全力投球です」「被災地の復興に全力を傾ける所存です」などがあります。

総力と全力の使い分け方

総力と全力という言葉は、どちらも出しうる全ての力を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

総力とは、組織や国家などのある集団の全体の力を意味します。「グループの総力」「官民の総力」のような使い方で、複数のものの総体の力についていう言葉です。「自分の総力」「彼の総力」など、個々人について用いることは誤用となります。

全力とは、その人が出せる限りの力、ありったけの力を意味し、個人がもっている全ての力を表します。多くは「全力を尽くす」という言い回しで、目的のために持っている力を全て出し切ることを表現する言葉です。

つまり、総力とは複数人がもっている力の集合体であり、全力とは個人がもっている全ての力を単体で指す言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

総力と全力の英語表記の違い

総力を英語にすると「collective effort」「all-out effort」「all one’s strength」となり、例えば上記の「総力をあげて」を英語にすると「with all one’s strength」となります。

一方、全力を英語にすると「all one’s power」「all one’s might」「one’s utmost」となり、例えば上記の「全力を尽くして」を英語にすると「with all one’s might」となります。

総力の意味

総力とは

総力とは、集団や国家などの全体の力、あるかぎりの力を意味しています。

表現方法は「総力を挙げる」「総力を挙げて」「総力を尽くす」

「総力を挙げる」「総力を挙げて」「総力を尽くす」などが、総力を使った一般的な言い回しです。

総力の使い方

総力を使った分かりやすい例としては、「警察は総力をあげて捜査を行っている」「目標達成に向けて総力結集を呼びかける」「エネルギー改革は国民で取り組む総力戦です」「グループ企業の総力を結集して新規ビジネスを立ち上げる」などがあります。

その他にも、「社員一同、総力を挙げて業務にあたります」「テレビ局が総力を挙げて制作した特別番組です」「戦時中は女性も総力戦体制に組み込まれました」「ゲッベルスの総力戦演説の原文を読む」などがあります。

総力の「総」は訓読みで「すべて」「ふさ」と読み、多くの物事を一つに締めくくることや全部を表します。精神的または肉体的なパワーを表す「力」と結びつき、総力とは、物事を構成する総体の力を意味し、人々の力を合わせた全体の力を指す言葉です。

「総力戦」の意味

総体を用いた日本語には「総力戦」があります。総力戦とは、国の総力を挙げて行う戦争を意味します。単に軍事力だけではなく、国の人口や資源あるいは生産力のすべてを動員して戦われる戦争のことであり、第一次大戦以後この概念が定着しました。

総力の対義語

総力の対義語・反対語としては、状況に応じて加減することを意味する「手心」、手加減することを意味する「容赦」などがあります。

総力の類語

総力の類語・類義語としては、ありったけの力や必死の力を意味する「死力」、全力を尽くして何かを達成しようとすることを意味する「尽力」、いざというときに出てくる強い力を意味する「底力」、一心に骨折ることを意味する「一生懸命」などがあります。

全力の意味

全力とは

全力とは、もっている限りの力、ありったけの力を意味しています。

表現方法は「全力でやる」「全力を尽くす」

「全力でやる」「全力を尽くす」などが、全力を使った一般的な言い回しです。

全力の使い方

全力を使った分かりやすい例としては、「全力を挙げて職務を遂行します」「後悔しないように全力でやるべきだ」」「少年たちはそれぞれ全力を尽くした」「全力でストレッチしたら関節を痛めてしまった」などがあります。

その他にも、「ビジネス成功のために全力を尽くす」「全力でイラストを描き上げました」「面倒なことは全力で回避したいです」「全力で二階まで駆け上がる」「坂を全力ダッシュするトレーニングをしました」などがあります。

全力の「全」は訓読みで「まったく」「すべて」と読み、欠けるところがなく範囲内のすべてにわたるさまを表す漢字です。パワーを表す「力」と組み合わさり、全力とは、出せる全ての力を意味し、その人がもっている限りの力を表す言葉です。

「全力投球」の意味

全力を用いた日本語には「全力投球」があります。全力投球とは、野球で投手が全力を尽くして投球することを意味し、転じて、出せる限りすべての能力を使ってことにあたることを意味する四字熟語です。

全力の対義語

全力の対義語・反対語としては、扱いの厳しさの度合いをゆるめることを意味する「手加減」、手続きや手間を故意に省くことを意味する「手抜き」などがあります。

全力の類語

全力の類語・類義語としては、できるかぎりのことを意味する「全力」、最善や全力を意味する「ベスト」、力のかぎり努めるさまを意味する「懸命」、物事に精魂をかたむけることを意味する「入魂」、体力と精神力のすべてを意味する「全身全霊」などがあります。

総力の例文

1.当スクール講師陣の総力を結集して、子供たちの英語力強化をサポートします。
2.第一次大戦以降の戦争では、大衆を動員する総力戦体制の影響で大きな犠牲が生まれました。
3.地球温暖化を食い止めるには、私たち一人ひとりが総力を挙げて取り組まなければなりません。
4.持続可能な社会の実現に向けて、いまこそ私たちの総力を尽くすべきです。
5.政府は地方自治体と連携し、被災者の救援活動に総力を挙げて取り組んでいます。

この言葉がよく使われる場面としては、総体の力、あらんかぎりの力を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、総力の慣用的な言い回し表現には「総力を結集」「総力を挙げる」「総力を挙げて」などがあります。「総力を挙げる」とは、全員の力を合わせて事にあたることを意味します。

全力の例文

1.前回のテストで赤点をとってしまったので、今回は英語の勉強に全力を注ぎました。
2.決勝戦で本気を出して全力を尽くす子ども達の姿に、胸が熱くなりました。
3.私のストレス解消法は、カラオケで好きな歌を全力でうたうことです。
4.ビジネスでも遊びでも全力でやるためには、心身ともに健康であることが不可欠です。
5.皆様のご要望にお応えできるよう、全力を尽くす所存にございます。

この言葉がよく使われる場面としては、渾身の力を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、全力の慣用的な言い回しには「全力を尽くす」「全力でやる」「全力を注ぐ」などがあります。例文2の全力と本気の違いは、全力はその人のもてる力すべてを表すことに対し、本気はそのことに対する真剣さを表す点にあります。

総力と全力という言葉は、どちらも「ありったけの力」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、複数のものの力の集合体を表現したい時は「総力」を、個人がもっている全ての力を表現したい時は「全力」を使うようにしましょう。

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