同じ「ひながた」という読み方の「雛型」と「雛形」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「雛型」と「雛形」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
雛型と雛形の違い
雛型と雛形の意味の違い
雛型と雛形の違いを分かりやすく言うと、雛型は見本の意味合いが強く、雛形は模型の意味合いが強いという違いです。
雛型と雛形の使い方の違い
一つ目の雛型を使った分かりやすい例としては、「グリーティングカードの作成に雛型を利用する」「雛型をもとに案内文を書く」「伯父は機関車の雛型を大事にしている」「日本列島は世界大陸の雛形だという説がある」などがあります。
二つ目の雛形を使った分かりやすい例としては、「英語版の秘密保持契約書の雛形を持っています」「在宅勤務申請書の雛形はありますか」「建築見本として作られた雛形です」「木製帆船の雛形がディスプレイされていた」などがあります。
雛型と雛形の使い分け方
雛型と雛形という言葉は、どちらも「ひながた」と読み、実物をかたどって小さく作った模型や、形式を示す見本を意味する同音同義語です。二つの言葉は同じ意味を持つため、どちらを使っても間違いではなく、また、互いに置き換えて使うことができます。
ただし、二つの言葉の相違点となる「型」と「形」という漢字には違いがあります。「型」とは同形のものを作るときに元となるものの意味があり、「型破りの男」のように一定のきまった形態や方法について表します。「形」とは外に現れた姿や外形を意味し、「形ばかりのお祝い」などと表現します。
したがって、あえて二つの言葉を使い分けるならば、実物をかたどって小さく作った模型の意味で使うのであれば「雛形」が相応しく、形式を示す見本の意味で使うのであれば「雛型」が相応しいと言えるでしょう。
雛型と雛形の英語表記の違い
雛型も雛形も英語にすると「miniature」「pattern」「form」「template」となり、例えば上記の「グリーティングカードの作成に雛型を利用する」を英語にすると「Use the template to create a greeting card」となります。
雛型の意味
雛型とは
雛型とは、実物を小さくかたどって作ったものを意味しています。
その他にも、形式や様式を示す見本、特に書類などの決まった書き方を示すものの意味も持っています。
雛型の使い方
「新しく建設される空港の雛型が展示されている」「城の天守雛形は構造を精巧に再現している」「住宅の雛型でお客様にイメージしてもらう」などの文中で使われている雛型は、「実物を小さくかたどって作ったもの」の意味で使われています。
一方、「英語のビジネス文書の雛型です」「WEBにあった就業規則の雛型を利用する」「申請書の雛型やテンプレートを探している」などの文中で使われている雛型は、「形式や様式を示す見本」の意味で使われています。
雛型という言葉の「雛」とは小さいものの意味であり、「型」とは同形のものをいくつも作るとき元になるものの意味があります。雛形とは、実物をかたどって小さく作ったり図などに描いたりしたものや、模して作るそのもとになる物を意味します。
「日本雛型論」の意味
雛型という言葉を用いた日本語には「日本雛型論」があります。日本と世界の地形は霊的に連動しており、日本は世界の縮図であり、日本の国に起きる出来事をみると世界の将来が分かるという説のことです。
雛型の類語
雛型の類語・類義語としては、実物の形に似せて作ったものを意味する「模型」、見本や代表的な例を意味する「標本」、精巧な小型模型を意味する「ミニチュア」、布を裁つのに用いる形に合わせ製図して切り取った紙を意味する「型紙」などがあります。
雛形の意味
雛形とは
雛形とは、実物を小さくかたどって作ったものを意味しています。
その他にも、形式や様式を示す見本、特に書類などの決まった書き方を示すものの意味も持っています。
雛形の使い方
「ゴジラの雛形は全長1メートルを超える」「大型船舶の雛形で性能試験を行う」「昔に造られた雛形や引き図から古民家を復元した」などの文中で使われている雛形は、「実物を小さくかたどって作ったもの」の意味で使われています。
一方、「賃貸借契約書の雛形を手に入れる」「ワードには文書の雛形が予め登録されています」「雛形を利用して職務経歴書を作成する」などの文中で使われている雛形は、「形式や様式を示す見本」の意味で使われています。
雛形という言葉の「形」とは、物体の外から見える格好や姿を表します。「小さいもの」を表す「雛」と組み合わさり、雛形とは実物を小さくかたどって作ったもの小形の標本や、形式や様式を示す見本を意味します。
「雛形本」の意味
雛形という言葉を用いた日本語には「雛形本」があり、小さくかたどった模型や図案を集めた見本帳のことを意味します。おもに江戸時代から明治にかけての建築や染織などの分野にみられ、とりわけ染織関係の小袖類の雛形本は、当時の服飾流行や、加工法などを知るための資料として重要視されています。
雛形の類語
雛形の類語・類義語としては、規範となる型。基準となるものを意味する「典型」、画面表示および印字する際に指定する形式を意味する「書式」、展示用の見本を意味する「モデル」、物を作ったりする場合の見本としてかかれた絵や模様を意味する「絵様」などがあります。
雛型の例文
この言葉がよく使われる場面としては、実物を小さくかたどって作ったもの、形式や様式を示す見本を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある雛型は形式や様式を示す見本の意味で、例文5にある雛型は実物を小さくかたどって作ったものの意味で使われています。いずれの「雛型」も、「雛形」に書き換えることができます。
雛形の例文
この言葉がよく使われる場面としては、実物を小さくかたどって作ったもの、形式や様式を示す見本を表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「フォーマット」とは作業を行うための枠組みを表し、「テンプレート」や「雛形」は、その枠組みをもとに作業を進めたもので、見本のようなものを表します。例文4にある「西洋家作雛形」とは、西洋建築をテーマにした雛形本です。
雛型と雛形という言葉は、どちらも「ひながた」と読み、模型や見本を表す同音同義語の言葉です。どちらを使っても構いませんが、雛型は見本の意味合いが強く、雛形は模型の意味合いが強いことを覚えておきましょう。