似た意味を持つ「願ってもない」(読み方:ねがってもない)と「願ったり叶ったり」(読み方:ねがったりかなったり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」という言葉は、どちらも願いが叶うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の違い
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の意味の違い
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の違いを分かりやすく言うと、「願ってもない」は思いがけないというニュアンスがある、「願ったり叶ったり」は思いがけないというニュアンスがないという違いです。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の使い方の違い
一つ目の「願ってもない」を使った分かりやすい例としては、「願ってもない好機が訪れました」「私をこのチームに入れてくれるなんて願ってもないことです」「本社勤務のお話は私にとって願ってもないことです」などがあります。
二つ目の「願ったり叶ったり」を使った分かりやすい例としては、「彼が提示したものは願ったり叶ったりの条件だ」「転職したら給料が大幅に増えたので願ったり叶ったりだ」「願ったり叶ったりの物件だったのでここに住むことにしました」などがあります。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の使い分け方
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」はどちらも願いが叶うことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「願ってもない」は望んでも簡単にかないそうもないことが運よく実現することを意味する言葉なので、願っていたわけではなく思いがけない良いことが起こった場合に使います。そのため、思いがけないというニュアンスがあるのです。
一方、「願ったり叶ったり」はすっかり願い通りになることを意味する言葉なので、自分の願っていたことが全て叶うという思い通りになった場合に使います。そのため、思いがけないというニュアンスがないというのが違いです。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」の英語表記の違い
「願ってもない」も「願ったり叶ったり」も英語にすると「just as I hoped」「dream come true」となります。
「願ってもない」の意味
「願ってもない」とは
「願ってもない」とは、望んでも簡単にかないそうもないことが運よく実現することを意味しています。
「願ってもない」の漢字表記
「願ってもない」を漢字にすると、「願っても無い」と表記することができます。
「願ってもない」の使い方
「願ってもない」を使った分かりやすい例としては、「願ってもないチャンスがきました」「この仕事をお引き受けくださるなんて願ってもないことです」「現役のプロ野球選手に指導してもらえるなんて願ってもない機会です」などがあります。
「願ってもない」は望んでも簡単にかないそうもないことが運よく実現することを意味する慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。
「願ってもない」は願っていたわけではなく、自分も予想していない思いがけない良いことが起こった場合に使う言葉です。基本的に良いことが起こった場合にのみ使うので、プラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。
「願ってもない」の特徴
「願ってもない」は手紙やメールなどの書き言葉だけではなく、会話や電話などの話し言葉としても使うことができるというのが特徴です。
「願ってもない」の類語
「願ってもない」の類語・類義語としては、理想の通りになることを意味する「理想通り」、条件などにかなっていて都合がよいことを意味する「好都合」などがあります。
「願ったり叶ったり」の意味
「願ったり叶ったり」とは
「願ったり叶ったり」とは、すっかり願い通りになることを意味しています。
「願ったり叶ったり」の使い方
「願ったり叶ったり」を使った分かりやすい例としては、「この大学は自宅から近くキャンパスも綺麗なので願ったり叶ったりの好条件です」「片想いしてる人に遊びに誘われるなんて願ったり叶ったりです」「提示された給料は願ったり叶ったりでした」などがあります。
「願ったり叶ったり」は望みがかなうように請い求めることを意味する「願う」に、思いどおりに実現することを意味する「叶う」と完了の助動詞「たり」が合わさり、すっかり願い通りになることを意味する慣用句です。
「願ったり叶ったり」は基本的に良いことが起こった場合にのみ使うので、プラスのイメージを伴っています。また、ビジネスシーンにおいても使うことができますが、やや砕けた表現なので目上の人に対して使うのはあまり適していません。
「願ったり叶ったり」の特徴
「願ったり叶ったり」は手紙やメールなどの書き言葉だけではなく、会話や電話などの話し言葉としても使うことができるというのが特徴です。
「願ったり叶ったり」の語源
「願ったり叶ったり」の語源は不明ですが、江戸時代の書物に記載されている表現なので、少なくとも江戸時代からは使用されていた言葉になります。
「願ったり叶ったり」の類語
「願ったり叶ったり」の類語・類義語としては、必要な物がそろったり望ましい状態になったりして好都合なことを意味する「渡りに舟」、希望通りであることを意味する「誂え向き」などがあります。
「願ってもない」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、望んでも簡単にかないそうもないことが運よく実現することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「願ってもない」はプラスのイメージで使う言葉です。
「願ったり叶ったり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、すっかり願い通りになることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「願ったり叶ったり」はプラスのイメージで使う言葉です。
「願ってもない」と「願ったり叶ったり」はどちらも願いが叶うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、思いがけないというニュアンスがあるのが「願ってもない」、思いがけないというニュアンスがないのが「願ったり叶ったり」と覚えておきましょう。