【テーゼ】と【テーマ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「テーゼ」と「テーマ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「テーゼ」と「テーマ」という言葉は、「主題」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




テーゼとテーマの違い

テーゼとテーマの意味の違い

テーゼとテーマの違いを分かりやすく言うと、テーゼは肯定的な考えを表現する時に使い、テーマは骨格となる考えを表現する時に使うという違いです。

テーゼとテーマの使い方の違い

一つ目のテーゼを使った分かりやすい例としては、「アンチテーゼはテーゼがなければ存在しえない」「テーゼを証明するために論文が書かれる」「テーゼをいくつも提示するのではなく、絞って論じていくべきだ」などがあります。

二つ目のテーマを使った分かりやすい例としては、「テーマソングはその作品の印象を視聴者に伝えるものと言える」「テーマを決めて各々好きに作品を作っていくことになった」「あの建築のテーマは自分には分からなかった」などがあります。

テーゼとテーマの使い分け方

テーゼとテーマはどちらも、主題や主張を意味する言葉として使われていますが、指し示すものが若干異なります。

テーゼは、「AはBである」というような肯定的な判断や命題を表す言葉です。上記例文の「アンチテーゼ」は、「AはBであるが、Cでもある」などのように否定的な判断を表す言葉として使われています。

一方のテーマは、行動や創作の根底にある基本的な考えを表す言葉です。音楽用語や美術や建築用語として使われるだけでなく、コンピュータ用語としてデザインの一括セットを行う機能を指す言葉として使われています。

つまり、テーゼは肯定的な考えや主張を指す言葉であり、テーマは骨格となる考えや主張を指す言葉であるという違いがあります。

テーゼとテーマの英語表記の違い

テーゼを英語にすると「thesis」となり、例えば上記の「アンチテーゼ」を英語にすると「antithesis」となります。一方、テーマを英語にすると「theme」となり、例えば上記の「テーマソング」を英語にすると「a theme song」となります。

テーゼの意味

テーゼとは

テーゼとは、肯定的な判断や命題を意味しています。

テーゼの使い方

テーゼを使った分かりやすい例としては、「アンチテーゼはテーゼを認めた上での否定的意見である」「証明されるテーゼは伝わりやすい方が論文として良いと思っている」「残酷な天使のテーゼという曲名だけではテーゼが分からなかった」などがあります。

その他にも、「テーゼとアンチテーゼを結合させて更に高次元の命題を導き出す方法が弁証法だ」「テーゼという言葉にあまり耳なじみがない」「テーゼは命題だというが哲学用語として考えたことはなかった」などがあります。

テーゼは英語で「thesis」と表記され、「中心となる命題」「主張」といった意味を持つ言葉です。日本語でも同じように使われていますが、哲学用語であることから日常生活において多くの場面で使われるわけではありません。

「AはBである」という肯定的な主張がテーゼですが、例えば、デカルトによる「われ思う、ゆえにわれあり」は、考えられるものを疑っても、考えや意識そのもの、物事を考える自分の存在は疑うことができないことを表しています。

しかし、全ての物事が肯定されるわけではなく、肯定的な主張を認めた上で否定的な意見や主張も必ず生まれます。「AはBであるが、必ずしもBとならないこともある」などような考えが該当し、これを「アンチテーゼ」と呼びます。

テーゼの対義語

テーゼの対義語・反対語としては、特定の命題や判断に対して否定的な考えを意味する「アンチテーゼ」があります。

テーゼの類語

テーゼの類語・類義語としては、ある肯定的な判断や命題を立てることを意味する「定立」、ある物事が成り立つための前置きとなる条件を意味する「前提」、物事や計画を実行するうえで目指す方向を意味する「方針」などがあります。

テーマの意味

テーマとは

テーマとは、行動や創作の根底にある基本的な考えを意味しています。

テーマの使い方

テーマを使った分かりやすい例としては、「共通のテーマに沿って描かれた絵画なのにどれも違って面白い」「没入感のあるテーマパークには何度も足を運びたくなる」「テーマを絞って議論を進めていく」などがあります。

その他にも、「有名なアーティストによるテーマソングのおかげで作品自体も話題となった」「この番組のテーマミュージックはどこかで聞いたことのあるクラシックだ」「新しいテーマをダウンロードしたら画面がスッキリした」などがあります。

テーマは英語で「theme」と表記され、「話題」「論題」「主旋律」といった意味を持つ言葉です。本来はドイツ語であり、日本語ではドイツ語発音をカタカナにしたものになっています。英語発音をカタカナで表すなら「シィーム」に近い音になります。

テーマは様々な分野で使われている

様々な分野において使われており、上記例文の「共通のテーマに沿って描かれた絵画」などのように芸術作品の題材に対してや、「テーマソング」「テーマミュージック」などのように音楽の主旋律や主題歌を表す言葉として使われています。

また、パソコン用語として使われる場合、パソコンの壁紙やスクリーンセーバーなどの画面デザインをまとめて設定できる機能を指す言葉として使われます。「Windows」パソコンの機能であるため、その他の画面デザインは「UI」などと呼ばれています。

テーマの類語

テーマの類語・類義語としては、文学や美術などで創作のきっかけとなった主要な思想や題材を意味する「モチーフ」、作品や商品の骨格となる発想や観点を意味する「コンセプト」などがあります。

テーゼの例文

1.テーゼを論文の最初で提示して順に根拠を述べていくが、その際にアンチテーゼを自分の中で考えておくといいのだろうか。
2.日常生活においてテーゼの証明を行うなどの言葉は使ったことがない。
3.テーゼとアンチテーゼの統合を行うことで、高みを目指すためのテーゼを生み出すことができるだろう。
4.テーゼと聞いたことはあっても、説明しろと言われたら難しい言葉であるため、具体例とともに伝えるしかなかった。
5.残酷な天使のテーゼはカラオケで歌われる有名な曲だが、テーゼやパトスなど知らない言葉が多く使われている。

この言葉がよく使われる場面としては、肯定的な判断や命題を意味する時などが挙げられます。

例文5の「残酷な天使のテーゼ」は、テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニング曲です。

テーマの例文

1.テーマパークにはいくつかのテーマに沿ったアトラクションや装飾が施されている。
2.テーマに沿って作られた作品でも十人十色で細部まで楽しみながら見ることができる。
3.今日の討論のテーマはなんだろうかと楽しみにしている。
4.テーマがいくつもあると方向性が散らかってしまい、何を伝えたいのか分からなくなってしまいそうだ。
5.ダークテーマはバッテリーの消費量を抑えられると聞いたことがあるため、常にダークモードに設定してある。

この言葉がよく使われる場面としては、行動や創作の根底にある基本的な考えを意味する時などが挙げられます。

例文5の「ダークテーマ」とは、画面デザインの配色などで黒を基調としたものを指す言葉です。提供されるサービスによっては「ダークモード」とも呼ばれています。

テーゼとテーマは、どちらも「主題」を表します。どちらを使うか迷った場合は、肯定的な考えを表す場合は「テーゼ」を、骨格となる考えを表す場合は「テーマ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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