【不足の事態】と【不測の事態】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ふそくのじたい」という読み方の「不足の事態」と「不測の事態」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「不足の事態」と「不測の事態」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「不足の事態」と「不測の事態」の違い

「不足の事態」は「不測の事態」の間違い

「不足の事態」と「不測の事態」の違いを分かりやすく言うと、「不足の事態」とは「不測の事態」の間違った使い方、「不測の事態」とは予想できない物事の状態にあることです。

「不足の事態」は誤字

一般的には「不足の事態」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「不測の事態」のことを間違えて「不足の事態」を使っている人がほとんどです。

「不測の事態」は正しい日本語

正しい言葉である「不測の事態」を使った分かりやすい例としては、「不測の事態が発生しスケジュールが大幅に遅れました」「不測の事態が発生した場合に備えて訓練を行う」「不測の事態が起こりサーバーがダウンしています」などがあります。

「不測の事態」という言葉はあっても、「不足の事態」という言葉は存在しません。同時に「不測の事態」という単語の意味について「予想できない物事の状態にあること」と覚えておきましょう。

「不測の事態」の英語表記

「不測の事態」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「unforseen conditions」があります。

「不足の事態」の意味

「不足の事態」とは

「不足の事態」とは、「不測の事態」の間違った使われ方です。

「不足の事態」が間違っている理由

「不足の事態」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「不測の事態」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「不足の事態」と「不測の事態」を間違ってしまう理由としては、「不足」と「不測」の読み方が同じなので、勘違いして覚えてしまっているのが原因です。正しい日本語は「不測の事態」になります。

ではなぜ「不足の事態」が間違ったかというと、「不足」とは足りないことや十分でないことを意味している言葉です。そのため、「不足の事態」としてしまうと十分でない物事の状態という少し意味がおかしい日本語になってしまいます。

一方、正しい日本語である「不測の事態」の「不足」は予測できないことを意味する言葉なので、「不測の事態」とすると予想できない物事の状態にあることという意味になります。

「不足」を使った例文

間違った言葉である「不足の事態」の「不足」を使った分かりやすい例としては、「学力が不足しているので試験までにもっと勉強が必要だ」「雨が中々降らず深刻な水不足です」「人手不足なので給料を上げて募集することにしました」などがあります。

「不測の事態」の意味

「不測の事態」とは

「不測の事態」とは、予想できない物事の状態にあることを意味しています。

表現方法は「不測の事態に備える」「不測の事態が起こる」

「不測の事態に備える」「不測の事態が起こる」などが、「不測の事態」を使った一般的な言い回しになります。

「不測の事態」の使い方

「不測の事態」を使った分かりやすい例としては、「不測の事態に備えてバックアップを取っておく必要があります」「不測の事態にも対応できるようにマニュアルをしっかりと作成しておく」「不測の事態が起きた場合はすぐ避難するようにしよう」などがあります。

「不測の事態」は予測できないことを意味する「不測」に、物事の状態や成り行きのことを意味する「事態」が合わさり、予想できない物事の状態にあることの意味で使われている言葉です。

「不測の事態」はニュースや新聞などでよく使われていますが、ビジネスシーンにおいても使うことができます。そのため、改まった場面で使われることが多いと覚えておきましょう。

「不測の事態」は予想外のアクシデントやトラブルが発生した場合に使う言葉です。また、アクシデントやトラブルに備えるような注意喚起としても使うことができます。

「不測の事態」の特徴

「不測の事態」は災害、病気、事故などのネガティブな出来事に対してしか使うことができません。そのため、「気になっている人にデートに誘われて不測の事態だ」のように、ポジティブな出来事に対しては使うことができないと覚えておきましょう。

「不測の事態」は口頭や会話などの話し言葉としてだけではなく、メールや文章などで書き言葉としても使うことができます。

「不測の事態」の類語

「不測の事態」の類語・類義語としては、事前に予想した範囲を越えた状態になることを意味する「想定外の事態」、生き死ににかかわるような重大な問題のことを意味する「死活問題」、予想と違った状態になることを意味する「予想外の事態」などがあります。

「不足の事態」の例文

1.「不足の事態」という言葉は存在しないので、おそらく「不測の事態」の言い間違いだろう。
2.「不測の事態」という言葉は予想できない物事の状態にあることで、「不足の事態」という言葉はない。
3.「不足の事態」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.不足の事態に備えることが大切ですという言葉を使う人はいるが、正しくは不測の事態に備えることが大切ですになります。
5.不測の事態が起きたためイベントが中止になりましたという言葉はあるが、不足の事態が起きたためイベントが中止になりましたという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「不測の事態」という言葉を間違えて「不足の事態」と表現している時などが挙げられます。

「不足の事態」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「不測の事態」を間違えて使っている可能性が高いです。

「不足の事態」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「不足の事態」ではなく、「不測の事態」と表現するのが正しい使い方になります。

「不測の事態」の例文

1.不測の事態に備えて訓練をしておくことで、緊急時にも適切に動けるだろう。
2.不測の事態が発生したため、社内は大混乱に陥っている。
3.不測の事態が起こりサーバーがダウンしてしまったため、復旧に時間がかかっております。
4.戦争という不測の事態により原油が高騰し、日本経済に大ダメージを与えています。
5.不測の事態に備えてマニュアルを作成しておくことで、緊急時にもすぐ対応できるようになるだろ。

この言葉がよく使われる場面としては、予想できない物事の状態にあることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「不測の事態」はマイナスのイメージで使われている言葉です。

「不足の事態」と「不測の事態」どちらを使うか迷った場合は、「不足の事態」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「不測の事態」を使うようにしましょう。

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