【舌を巻く】と【尻尾を巻く】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「舌を巻く」(読み方:したをまく)と「尻尾を巻く」(読み方:しっぽをまく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の違い

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の意味の違い

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の違いを分かりやすく言うと、「舌を巻く」は予想以上に優れていて非常に驚くこと、「尻尾を巻く」は降参することという違いです。

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の使い方の違い

一つ目の「舌を巻く」を使った分かりやすい例としては、「職人の技に誰もが舌を巻いて黙り込んだ」「彼の演奏は完璧で誰もが舌を巻いた」「彼女の手際の良さには本当に舌を巻いた」「彼の分析力には皆が舌を巻いた」などがあります。

二つ目の「尻尾を巻く」を使った分かりやすい例としては、「彼は一言もなく尻尾を巻いて帰っていきました」「尻尾を巻いて退くことが一番賢い選択だと言える」「尻尾を巻いて黙ってしまう彼に失望した」「結局彼は尻尾を巻いてその場を離れた」などがあります。

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の使い分け方

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」は似た言葉ですが、意味は全く異なるので間違えないよう注意が必要です。

「舌を巻く」は、相手の能力や行動が非常に優れていて、驚嘆することを意味する言葉です。
例えば、「彼のプレゼン力には思わず舌を巻いた」「あの子の計算の速さには舌を巻くよ」など、感心して言葉も出ないような驚きに使われます。

そのため、すごい、あっぱれだといったポジティブな意味合いの驚きを表現する時に使う表現です。

一方、「尻尾を巻く」は、怖気づいたり、負けを認めて逃げることを意味する言葉です。
例えば、「彼は反論できずに尻尾を巻いて帰っていった」「あれだけ強気だったのに、尻尾を巻いて逃げ出した」など、恥ずかしさや敗北感から退くときに使われます。

そのため、情けない、惨め、逃げ腰といったネガティブなニュアンスが含まれます。

つまり、予想以上に優れていて非常に驚くことの意味で使うのが「舌を巻く」、降参することの意味で使うのが「尻尾を巻く」と覚えておきましょう。

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」の英語表記の違い

「舌を巻く」を英語にすると「be astonished」「be amazed」となり、例えば上記の「彼の分析力には皆が舌を巻いた」を英語にすると「Everyone was amazed by his analytical skills」となります。

一方、「尻尾を巻く」を英語にすると「back down」「tuck one’s tail between one’s legs」となり、例えば上記の「結局彼は尻尾を巻いてその場を離れた」を英語にすると「In the end, he tucked his tail between his legs and left」となります。

「舌を巻く」の意味

「舌を巻く」とは

「舌を巻く」とは、予想以上に優れていて非常に驚くことを意味しています。

「舌を巻く」の使い方

「舌を巻く」を使った分かりやすい例としては、「彼の記憶力の良さには舌を巻くばかりだ」「その分析の鋭さには多くの人が舌を巻いた」「聞き手を引き込む話術には舌を巻かされた」「彼女の行動力に舌を巻いた社員も多かったです」などがあります。

「舌を巻く」は人の能力や言動、状況などに対して非常に驚いたり感心したりして、言葉を失うような状態を表す言葉です。簡単に言えば、あまりのすごさに何も言えなくなるほど驚く気持ちを表現しています。

例えば、誰もが難しいと思っていた仕事を短時間で完璧にこなす人やプレゼンや演奏などで圧倒的なスキルを目の当たりにしたときなどによく使われています。

「舌を巻く」の特徴

「舌を巻く」は単に驚くというよりも、すごすぎて言葉が出ないや脱帽したというようなプラスのイメージで使うのが特徴です。

「舌を巻く」の類語

「舌を巻く」の類語・類義語としては、心から感心して敬意を抱くことを意味する「感服する」、驚いて目を大きく開くような様子のことを意味する「目を見張る」などがあります。

「尻尾を巻く」の意味

「尻尾を巻く」とは

「尻尾を巻く」とは、降参することを意味しています。

「尻尾を巻く」の使い方

「尻尾を巻く」を使った分かりやすい例としては、「散々騒いでいた彼が尻尾を巻いて逃げた」「結局尻尾を巻いて謝りに来たらしいです」「彼が尻尾を巻いて降参するとは思わなかった」「あの態度の大きな男が尻尾を巻いて退散しました」などがあります。

「尻尾を巻く」は、恥ずかしさや敗北感、後ろめたさなどから、その場から静かに引き下がるような様子を表す言葉です。簡単に言えば、負けを認めて、悔しそうに退散するというニュアンスで使います。

例えば、議論で相手に完全に言い負かされたときや、自分の非を認めざるを得なくなったときに、尻尾を巻いて帰るといった形で使います。

「尻尾を巻く」の特徴

「尻尾を巻く」は心理的な弱さや敗北感を表す時によく使われています。そのため、マイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「尻尾を巻く」の類語

「尻尾を巻く」の類語・類義語としては、戦いや言い争いで自分の負けを認めることを意味する「降参する」があります。

「舌を巻く」の例文

1.彼のプレゼンはとても説得力があり、誰もが舌を巻いていました。
2.あの小学生の絵のうまさには、本当に舌を巻いてしまいました。
3.職人の手さばきの見事さには、思わず舌を巻いて見入ってしまいました。
4.彼女の語学力には感心するばかりで、舌を巻かずにはいられませんでした。
5.初対面にも関わらず、的確なアドバイスをされて舌を巻いてしまいました。

この言葉がよく使われる場面としては、予想以上に優れていて非常に驚くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「舌を巻く」は予想以上に優れていて非常に驚く時に使う言葉です。

「尻尾を巻く」の例文

1.あれだけ強気だった彼も、最後は尻尾を巻いて帰ってしまいました。
2.反論できないとわかった瞬間、彼は尻尾を巻いて黙ってしまいました。
3.試合に負けたチームは、尻尾を巻いて会場を後にしたように見えました。
4.上司に叱責され、彼はしぶしぶ尻尾を巻いて席に戻っていきました。
5.一言も言い返せずに、尻尾を巻いて立ち去る姿がなんとも印象的でした。

この言葉がよく使われる場面としては、降参することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「尻尾を巻く」は降参する時に使う言葉です。

「舌を巻く」と「尻尾を巻く」は似た言葉ですが意味は全く異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、予想以上に優れていて非常に驚くことの意味で使うのが「舌を巻く」、降参することの意味で使うのが「尻尾を巻く」と覚えておきましょう。

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