【理念】と【ビジョン】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「理念」(読み方:りねん)と「ビジョン」(読み方:びじょん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「理念」と「ビジョン」という言葉は、という言葉は、似ていても意味は少し異なりますので、ご注意下さい。




「理念」と「ビジョン」の違い

「理念」と「ビジョン」の意味の違い

「理念」と「ビジョン」の違いを分かりやすく言うと、「理念」は大切にする考えや価値観のこと、「ビジョン」は最終的に目指すゴールのことという違いです。

「理念」と「ビジョン」の使い方の違い

一つ目の「理念」を使った分かりやすい例としては、「憲法の理念を尊重することが大切です」「この理念は私の考えと一致しています」「御社を志望した理由は企業理念に共感したからです」「これは私たちの企業理念の一部です」などがあります。

二つ目の「ビジョン」を使った分かりやすい例としては、「リーダーにビジョンがなくて困っている」「私たちは甲子園で優勝するという不動のビジョンを掲げています」「チームのビジョンを明確ができなかったが敗因です」「私たちのビジョンは国際市場へ進出することです」などがあります。

「理念」と「ビジョン」の使い分け方

「理念」と「ビジョン」は似ていても意味は少し異なっている言葉なので間違えないよう注意が必要です。

「理念」はある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを意味する言葉で、簡単に言うならば、大切にする考えや価値観のことを指しています。

一方、「ビジョン」は将来の構想のことを意味する言葉で、最終的に目指すゴールのことを意味しています。

つまり、「理念」を基に作られているのが「ビジョン」です。そのため、「理念」は基本的に変わることがありませんが、「ビジョン」はその時の状況によって変化することもあると覚えておきましょう。

「理念」と「ビジョン」の英語表記の違い

「理念」を英語にすると「idea」「ideology」「philosophy」となり、例えば上記の「これは私たちの企業理念の一部です」を英語にすると「This is part of our corporate philosophy」となります。

一方、「ビジョン」を英語にすると「vision」となり、例えば上記の「私たちのビジョンは国際市場へ進出することです」を英語にすると「Our vision is to expand into the international market」となります。

「理念」の意味

「理念」とは

「理念」とは、ある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを意味しています。

「理念」の使い方

「理念」を使った分かりやすい例としては、「戦後の日本では民主主義の理念が普及しました」「経営理念は企業を運営する上で絶対必要です」「彼女は自分の理念に反することは絶対にしない人です」「私は理念を基づいて行動しています」などがあります。

「理念」はある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを意味する言葉です。簡単に言うならば、大切にする考えや価値観のことを表しています。

また、企業や組織運営などのビジネスシーンにおいてよく使われていると覚えておきましょう。

「理念」の語源

「理念」の語源はプラントンが提唱したイデアです。イデアとは時空を超越した非物体的や絶対的な永遠の実在のことを意味しています。そのため、物事の本質を見抜く判断基準としても使われてると覚えておきましょう。

これが転じて、ある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを「理念」と言うようになりました。

「理念」の種類

「理念」には様々な種類が存在し、「経営理念」「企業理念」「政治理念」「基本理念」「憲法理念」「行動理念」などがあります。

「理念」の類語

「理念」の類語・類義語としては、心に思い浮かべることを意味する「思想」、各人の経験に基づく人生観や世界観のことを意味する「哲学」、堅く信じて守っている事柄のことを意味する「信条」、正しいと信じる自分の考えのことを意味する「信念」などがあります。

「ビジョン」の意味

「ビジョン」とは

「ビジョン」とは、将来の構想のことを意味しています。その他にも、視覚や視力のことの意味も持っています。

「ビジョン」の使い方

「明確なビジョンがある会社は成長しやすいと思っています」「あなたのビジョンについてお聞かせ願えますか」などの文中で使われている「ビジョン」は、「将来の構想のこと」の意味で使われています。

一方、「視覚機能を高めるためにビジョントレーニングを行ないました」「私たちはロービジョンケアを行っています」などの文中で使われている「ビジョン」は、「視覚や視力のこと」の意味で使われています。

「ビジョン」は将来の構想のことと、視覚や視力のことの二つの意味を持つ言葉です。この二つの意味は全く異なっているので、正しい使い方をするようにしましょう。

「ビジョン」の特徴

将来の構想のことの意味はビジネスシーンなどでよく使われており、最終的に目指すゴール、つまり将来像のことを表現したい時によく使われています。

一方、視覚や視力のことの意味は光の刺激を受けて生じる感覚、つまり、将来の構想という抽象的なものではなく、物理的に見えるものを指す場合に使う言葉です。

また、基本的には将来の構想のことの意味の方でよく使われていると覚えておきましょう。

「ビジョン」の類語

「ビジョン」の類語・類義語としては、現実にはあり得ないような事柄を想像することを意味する「空想」、夢と幻のことを意味する「夢幻」、心に思い浮かべる像や情景のことを意味する「イメージ」などがあります。

「理念」の例文

1.弊社の企業理念は、ものづくりによって子供たちを笑顔にすることです。
2.面接を受けるにあたって、その大学の教育理念について詳しく調べることにしました。
3.企業理念を社員に浸透させるべく、ストーリーテリングを行なうことにしました。
4.彼は損得は関係なく、自分の理念に従って行動する素晴らしい人です。
5.この会社の企業理念に賛同したので、入社したいと思いました。

この言葉がよく使われる場面としては、ある物事についてのこうあるべきだという根本の考えのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「理念」はビジネスシーンにおいても使われている言葉です。

「ビジョン」の例文

1.経営者であるならば、従業員に明確な経営ビジョンを示す必要があると思っています。
2.自分のキャリアビジョンを明確にしておくことは、人生や仕事を充実させるきっかけになります。
3.ビジョンを掲げることで、会社の進む方向性を社内や社外に対して明確にすることが可能です。
4.私には仕事に対するビジョンがないので、自分がダメだと思ってしまう時があります。
5.動体視力はビジョントレーニングを行うことで鍛えることができます。

この言葉がよく使われる場面としては、将来の構想のことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、視覚や視力のことを表現したい時にも使います。

例文1から例文4は将来の構想のこと、例文5は視覚や視力のことの意味で使っています。

「理念」と「ビジョン」は似ていますが意味は少し異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、大切にする考えや価値観のことを表現したい時は「理念」を、最終的に目指すゴールのことを表現したい時は「ビジョン」を使うと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター