似た意味を持つ「華奢」(読み方:きゃしゃ)と「小柄」(読み方:こがら)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「華奢」と「小柄」という言葉は、どちらも「小さめの体格」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
華奢と小柄の違い
華奢と小柄の意味の違い
華奢と小柄の違いを分かりやすく言うと、華奢とはほっそりと痩せているさま、小柄とは背丈が低いさまという違いです。
華奢と小柄の使い方の違い
一つ目の華奢を使った分かりやすい例としては、「祖母は苦労知らずで華奢な指をしていました」「昔から華奢な女性が好きでした」「マッチョよりも華奢な男の子に惹かれます」「食事や運動で華奢になる方法はありますか」などがあります。
二つ目の小柄を使った分かりやすい例としては、「兄は年の割に小柄だと思います」「大柄な私からみると小柄女子は可愛い」「何センチ以下を小柄な女性と言いますか」「服の模様は小柄よりも大柄なものが好きです」などがあります。
華奢と小柄の使い分け方
華奢と小柄という言葉は、どちらも全体的な体の作りや骨格が小さめであることを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。
華奢とは、姿かたちがほっそりして、上品に感じられるさまを意味します。また、繊細で弱々しく感じられるさまの意味もあります。スレンダーな体型であり、女性にとっては誉め言葉になる言葉ですが、男性にとっては良い意味で捉えられない言葉です。
小柄とは、体全体が普通より小さいことを意味する言葉です。一般的とされる身長よりも背丈が低い人に対して使われ、多少太っていても背が低い人を表すこともあります。
つまり、華奢とはほっそりと痩せている人を表し、小柄とは背丈が低い人を表現する言葉です。そのため、背が低くてほっそりと痩せている女性のことを「小柄で華奢な女性」と表現することができます。
華奢と小柄の英語表記の違い
華奢を英語にすると「delicate」「slim」「slender」となり、例えば上記の「華奢な指をしている」を英語にすると「have delicate fingers」となります。
一方、小柄を英語にすると「smallish」「small stature」「small pattern」となり、例えば上記の「年齢の割に小柄です」を英語にすると「be small for one’s age」となります。
華奢の意味
華奢とは
華奢とは、姿かたちがほっそりして上品に感じられるさま、繊細で弱々しく感じられるさまを意味しています。
その他にも、「器物などの作りが頑丈でないさま」「上品で華やかなさま」の意味も持っています。
華奢は「花車」とも書きますが、一般的には「華奢」と表記されています。
華奢の読み方
華奢の読み方には二通りあり、「きゃしゃ」のほかに「かしゃ」とも読みます。「かしゃ」と読む場合は、「華やかにおごること、派手でぜいたくなこと」という違った意味になります。
表現方法は「華奢になりたい」「華奢な女性」「華奢に見える」
「華奢になりたい」「華奢な女性」「華奢に見える」などが、華奢を使った一般的な言い回しです。
華奢の使い方
「華奢なネックレスを彼女にプレゼントしました」「私にとって華奢は最高の誉め言葉です」「学校の英語教師は華奢でかわいいと生徒たちから人気です」「華奢な体格の男性が好みです」などの文中で使われている華奢は、「姿かたちがほっそりして上品に感られるさま」の意味で使われています。
一方、「華奢な作りのアクセサリーなので、すぐに壊れてしまった」の文中で使われている華奢は「作りが頑丈でないさま」の意味で、「品が良くみえる華奢なリップを探しています」の文中で使われている華奢は「上品で華やかなさま」の意味で使われています。
華奢とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、ふつう「上品に感じられるさま、繊細で弱々しく感じられるさま」の意味で用いられることが多くあります。華奢の「華」は華やかで美しいこと、「奢」は贅沢をすることを表す漢字です。
華奢という言葉は、女性にとっては上品で可憐なイメージを連想させるため誉め言葉になります。一方、男性に使う場合は、弱々しいというマイナスイメージを伴うため、嫌味や皮肉になってしまいます。華奢は相手によって誉め言葉にも皮肉の言葉にもなるので、使用する際には注意が必要です。
華奢の対義語
華奢の対義語・反対語としては、からだが丈夫なさまや物の作りが堅牢なさまを意味する「頑丈」、健康に恵まれているさまや物がしっかりしていて壊れにくいさまを意味する「丈夫」、飾りけがなく質素なことを意味する「簡素」、華やかさがなく目立たないことを意味する「地味」などがあります。
華奢の類語
華奢の類語・類義語としては、いかにも細くて弱々しいことを意味する「か細い」、からだが細くきゃしゃなことを意味する「細作り」、ほっそりしたさまを意味する「スリム」、態度や性質がしとやかで上品なさまを意味する「たおやか」などがあります。
小柄の意味
小柄とは
小柄とは、体格が普通より小さいことを意味しています。
その他にも、「模様や縞柄が細かいこと」の意味も持っています。
小柄の読み方
小柄の読み方は「こがら」の他に「こづか」とも読みます。「こづか」と読む場合は、日本刀に付属する小刀やその柄を意味し、「小柄小刀」などと表現します。
小柄の使い方
「自分が身長低めなので小柄な女性が好きです」「小柄な人に向けたファッションブランドを立ち上げる」「英語圏には小柄な人が少ないです」「小柄な男性は若々しく見えます」などの文中で使われている小柄は、「体格が普通より小さいこと」の意味で使われています。
一方、「小柄模様の浴衣を可愛らしく着こなす」「小柄のストライプシャツを探しています」「小柄の花模様が入ったワンピースを買いました」などの文中で使われている小柄は、「模様や縞柄が細かいこと」の意味で使われています。
小柄という言葉は、普通より小さい体格を表したり、模様や縞しま柄が細かいことを表す言葉です。どちらの意味でも使われているため、文脈により意味を捉える必要があります。小柄の「柄」は、性質や状態を表します。
小柄の対義語
小柄の対義語・反対語としては、体格が普通より大きいことや模様が普通より大きいことを意味する「大柄」、からだが大きいことを意味する「大兵」、大きな形の模様や大きな柄を意味する「大形」などがあります。
小柄の類語
小柄の類語・類義語としては、体つき全体が小さいことを意味する「小作り」、からだつきの小さいことを意味する「小兵」、粒の小さいことや体つきの小さいことを意味する「小粒」、丈が低く形の小さいことを意味する「矮小」などがあります。
華奢の例文
この言葉がよく使われる場面としては、ほっそりとして上品な様子、繊細で弱々しいこと、作りが頑丈でないさま、上品で華やかなさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文3にある華奢は、「ほっそりと上品な様子、繊細で弱々しいさま」の意味で用いられています。例文4の華奢は「作りが頑丈でないこと」、例文5の華奢は「上品で華やかなさま」の意味で用いられています。
小柄の例文
この言葉がよく使われる場面としては、体格が普通より小さいこと、着物などの模様や縞柄がこまかいことを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある小柄は、体全体が普通より小さいことの意味で用いられています。例文5の小柄は、模様や柄がこまかいことの意味で用いられています。
華奢と小柄という言葉は、どちらも小さめの体格を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、ほっそりと痩せているさまを表現したい時は「華奢」を、背丈が低いさまを表現したい時は「小柄」を使うようにしましょう。