【それまで】と【これまで】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「それまで」と「これまで」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「それまで」と「これまで」という言葉は、どちらもある時点までのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「それまで」と「これまで」の違い

「それまで」と「これまで」の意味の違い

「それまで」と「これまで」の違いを分かりやすく言うと、「それまで」は未来に対しても使える、「これまで」は今現在までしか使えないという違いです。

「それまで」と「これまで」の使い方の違い

一つ目の「それまで」を使った分かりやすい例としては、「この条件を受け入れられないのであればそれまでです」「私語はそれまでにしてください」「チームをそれまでにするのはとても苦労しました」「それまで辛抱して待っていた」などがあります。

二つ目の「これまで」を使った分かりやすい例としては、「今日はこれまでよりかなり暑いです」「これまでにベトナム料理を食べたことはありますか」「これまでで一番良い成績を残せて良かったです」「これまで聞いたことを話してください」などがあります。

「それまで」と「これまで」の使い分け方

「それまで」と「これまで」はどちらもある時点までのことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「それまで」は時間、状態、動作などが限界に達したことを意味する言葉で、過去だけではなく未来に対しても使うことができます。

一方、「これまで」は時間、場所、程度が示された点までであることを意味する言葉で、今現在までしか使えなく、未来に対して使うことができないというのが違いです。

分かりやすい例を挙げると、「それまで」は「私はそれまで北海道に行ったことはありませんでした」のように使う場合は過去のある時点になります。また、「あと10分で完成しますのでそれまでお待ちください」とすると、未来のある時点を表す場合に使っています。

一方、「これまで」は「これまでの経験を活かして頑張ります」「これまで誰も達成したことがない記録に挑もうと思う」などように、今までというニュアンスで使います。そのため、「あと5分で終わるのでこれまで待っていてください」のように使うことはできません。

「それまで」と「これまで」の英語表記の違い

「それまで」を英語にすると「until then」となり、例えば上記の「それまで辛抱して待っていた」を英語にすると「They had waited patiently until then」となります。

一方、「これまで」を英語にすると「until now」「so far」となり、例えば上記の「これまで聞いたことを話してください」を英語にすると「Tell me what you have heard so far」となります。

「それまで」の意味

「それまで」とは

「それまで」とは、時間、状態、動作などが限界に達したことを意味しています。その他にも、物事がある程度にまで達したことの意味も持っています。

「それまで」の漢字表記

「それまで」を漢字にすると、「其れ迄」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「それまで」を使うようにしましょう。

「それまで」の使い方

「おしゃべりはそれまでにしてくださいね」「この条件が飲めないのであれば契約はそれまでです」などの文中で使われている「それまで」は、「時間、状態、動作などが限界に達したこと」の意味で使われています。

一方、「会社をそれまでにするには大変苦労しました」「それまでよく我慢しましたね」などの文中で使われている「それまで」は、「物事がある程度にまで達したこと」の意味で使われています。

「それまで」は二つの意味を持つ名詞ですが、どちらの意味でも使われています。名詞とは自立語で活用がなく文の主語となることができるもののことを意味しています。

「それまで」の特徴

「それまで」は現在、過去、未来などの幅広い範囲で使うことができる言葉です。また、ビジネスシーンと日常生活のどちらもで使うことができると覚えてましょう。

「それまで」の類語

「それまで」の類語・類義語としては、今より前の時点のことを意味する「以前」、以前から今までのことを意味する「従来」などがあります。

「これまで」の意味

「これまで」とは

「これまで」とは、時間、場所、程度が示された点までであることを意味しています。その他にも、物事の終わりのことの意味も持っています。

「これまで」の漢字表記

「これまで」を漢字にすると、「此れ迄」や「是迄」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「これまで」を使うようにしましょう。

「これまで」の使い方

「ここで終わってはこれまでの苦労が水泡だ」「これまで何をやっていたんですか」などの文中で使われている「これまで」は、「時間、場所、程度が示された点までであること」の意味で使われています。

一方、「最早これまでと観念しました」「二人の関係もこれまでだろう」などの文中で使われている「これまで」は、「物事の終わりのこと」の意味で使われています。

「これまで」は二つの意味の名詞でどちらの意味でも使われている言葉です。また、「これまで」は日常生活やビジネスシーンなどの様々な場面で使うことができます。

「これまで」の注意点

「これまで」を使う上で注意しなければならないのは、今現在か過去にしか使えないという点です。したがって、未来のある時点を指す場合には使うことができないと覚えておきましょう。

「これまで」の類語

「これまで」の類語・類義語としては、今の時までのことを意味する「今まで」、今より前のことを意味する「従前」などがあります。

「それまで」の例文

1.来年アメリカへ旅行するので、それまでに英語を少しでも話せるようになりたいです。
2.この提示した金額で受けないのであれば、この契約はそれまでだと言われてしまいました。
3.怪我は完治したものの、それまでと同じようなプレーができなくなってしまったので、引退を決意しました。
4.部下が中々仕事ができないからといって、それまでにきつく言う必要はないだろう。
5.万年最下位のチームを、それまでにするのはとても苦労しました。

この言葉がよく使われる場面としては、時間、状態、動作などが限界に達したことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事がある程度にまで達したことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「それまで」は時間、状態、動作などが限界に達したこと、例文4と例文5の「それまで」は物事がある程度にまで達したことの意味で使っています。

「これまで」の例文

1.私はこれまで5回ほど海外旅行をしたことがあるが、オーストラリアが一番楽しかったです。
2.今日はこれまでよりもかなり寒いらしいので、暖かい格好をしてお出かけしようと思います。
3.物価がこれまで上がったのは、ロシアとウクライナの戦争が影響していると言われています。
4.もう5回も試験に落ちているので、もうこれまでと覚悟を決めて司法試験に臨みました。
5.年齢的なこともあり、日本代表でプレーするのはこれまでです。

この言葉がよく使われる場面としては、時間、場所、程度が示された点までであることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、物事の終わりのことを表現したい時にも使います。

「それまで」と「これまで」はどちらもある時点までのことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、未来に対しても使えるのが「それまで」、今現在までしか使えないのが「これまで」と覚えておきましょう。

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