【滅入る】と【参る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「滅入る」(読み方:めいる)と「参る」(読み方:まいる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「滅入る」と「参る」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「滅入る」と「参る」の違い

「滅入る」と「参る」の意味の違い

「滅入る」と「参る」の違いを分かりやすく言うと、「滅入る」とは元気がなくなり暗い気持ちになること、「参る」とは相手に優位を占められて屈することという違いです。

「滅入る」と「参る」の使い方の違い

一つ目の「滅入る」を使った分かりやすい例としては、「自粛ムードで外出できたないのは気が滅入る」「最近は悲しいニュースが多く滅入ることも多いです」「天気が悪い日が続いて気が滅入る」「彼女は再度の失敗にすっかり気が滅入ってしまいました」などがあります。

二つ目の「参る」を使った分かりやすい例としては、「今年の暑さには参ることが多いです」「彼女のわがままに参っています」「今日は祖父の命日なので墓参りに参る」「あのなぞなには参った」などがあります。

「滅入る」と「参る」の使い分け方

「滅入る」と「参る」は似た言葉であるものの、意味は少々異なっているので間違えないように注意が必要です。

「滅入る」は元気がなくなり暗い気持ちになることを意味しており、沈んだ気分になることを表しています。

一方、「参る」は相手に優位を占められて屈することを意味しており、負けるや弱るというニュアンスで使うのが違いです。

また、「参る」は行くや来るの謙譲語としても使うことができます。

「滅入る」と「参る」の英語表記の違い

「滅入る」を英語にすると「depressed」「dispirited」となり、例えば上記の「彼女は再度の失敗にすっかり気が滅入ってしまいました」を英語にすると「Shee was dispirited by her repeated failures」となります。

一方、「参る」を英語にすると「go」「come」「defeated」「beaten」「be stumped」となり、例えば上記の「あのなぞなには参った」を英語にすると「That riddle had me stumped 」となります。

「滅入る」の意味

「滅入る」とは

「滅入る」とは、元気がなくなり暗い気持ちになることを意味しています。

「滅入る」の読み方

「滅入る」の読み方は「めいる」です。誤って「めついる」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「気が滅入る」「精神的に滅入る」

「気が滅入る」「精神的に滅入る」などが、「滅入る」を使った一般的な言い回しになります。

「滅入る」の使い方

「滅入る」を使った分かりやすい例としては、「明日仕事に行くことを考えると気が滅入る」「冬になると気が滅入ることが多いです」「最近風邪をよく引くので気が滅入る」「相次ぐ失敗によって滅入る」「これは気が滅入るような音楽です」などがあります。

「滅入る」は元気がなくなり暗い気持ちになることを意味する動詞です。そのため、嫌な知らせを聞いたりショックな出来事に遭遇したりなどのネガティブな状況で使うのが一般的なので、マイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「滅入る」は天気が悪くて気分が落ち込んでいる時、仕事で怒られて思いつめている時、中々成功しなくて先が見えない時などのように、様々な場面において使うこと可能です。

「滅入る」の類語

「滅入る」の類語・類義語としては、青菜に塩を振りかけるとしおれるように人が元気がなくしょげる様子のことを意味する「青菜に塩」、塞ぎ込むことを意味する「落ち込む」、失敗や失望でがっかりして元気がなくなるを意味する「しょげる」などがあります。

「参る」の意味

「参る」とは

「参る」とは、相手に優位を占められて屈することを意味しています。その他にも、行くや来るの謙譲語の意味も持っています。

表現方法は「気持ちが参る」「精神的に参る」

「気持ちが参る」「精神的に参る」などが、「参る」を使った一般的な言い回しになります。

「参る」の使い方

「猛暑日が続いて精神的に参る」「彼女の横暴さに参る」などの文中で使われている「参る」は、「相手に優位を占められて屈すること」の意味で使われています。

一方、「明日そちらへ参る予定でございます」「列車が参りますのでご注意ください」などの文中で使われている「参る」は、「行くや来るの謙譲語」の意味で使われています。

「参る」の特徴

「参る」は複数の意味を持つ言葉ですが意味は全く異なっているので、前後の文章によってきちんと使い分ける必要がある言葉です。

相手に優位を占められて屈することの意味は、「この試合は参りました」のように負けるや降参するのニュアンス、「今年の台風の多さには参る」のような弱る、困るのニュアンス、死ぬのニュアンス、異性などに心を奪われるのニュアンスなどでも使います。

また、行くや来るの謙譲語の意味はとても丁寧な表現なので、基本的にビジネスシーンなどで目上の人に対して使うことが可能です。

「参る」の類語

「参る」の類語・類義語としては、勢いや意欲が削がれることを意味する「挫ける」、気力がくじけ弱ってしまうことを意味する「へこたれる」、何かをしようとする意力や気力がなくなることを意味する「屈する」などがあります。

「滅入る」の例文

1.戦力外通告に気が滅入るものの、プロサッカー選手の道をまだ諦めていません。
2.緊急事態宣言により飲み屋がやっておらず、休日も自宅で過ごさなければならないので気が滅入る。
3.新しい部署では上司から叱られてばかりいて気が滅入る。このままでは壊れてしまいそうなので転職を考えています。
4.こんなに暑い日ばかり続くと気が滅入るので、もう少し涼しくなってほしいです。
5.ずっと引きこもっていると滅入るので、思い切って散歩してみることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、元気がなくなり暗い気持ちになることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「滅入る」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「参る」の例文

1.上司からこっぴどく叱られて、精神的に参ってる状況です。
2.東京へ旅行したら、暑さだけではなく湿気も多いので流石に参る。
3.彼は同じサークルの女子にすっかり参っており、告白を考えているらしい。
4.後日部長の吉田が参る予定ですので、よろしくお願い申し上げます。
5.送迎者がもう少しで参りますので、しばらくこちらでお待ちください。

この言葉がよく使われる場面としては、相手に優位を占められて屈することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、行くや来るの謙譲語を表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「参る」は相手に優位を占められて屈すること、例文4と例文5の「参る」は行くや来るの謙譲語の意味で使っています。

「滅入る」と「参る」は似た言葉ですが意味は少し異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、元気がなくなり暗い気持ちになることを表現したい時は「滅入る」を、相手に優位を占められて屈することを表現したい時は「参る」を使うと覚えておきましょう。

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