【申し受ける】と【申し付ける】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「申し受ける」(読み方:もうしうける)と「申し付ける」(読み方:もうしつける)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「申し受ける」と「申し付ける」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので注意が必要です。




「申し受ける」と「申し付ける」の違い

「申し受ける」と「申し付ける」の意味の違い

「申し受ける」と「申し付ける」の違いを分かりやすく言うと、「申し受ける」とは願い出て受け取ること、「申し付ける」とは自分側の人間に用を言いつけることという違いです。

「申し受ける」と「申し付ける」の使い方の違い

一つ目の「申し受ける」を使った分かりやすい例としては、「無断駐車した場合は3万円申し受けます」「この商品は別途送料を申し受けます」「契約違反した場合は違約金を申し受ける」「それについて追加料金を申し受ける」などがあります。

二つ目の「申し付ける」を使った分かりやすい例としては、「すぐ来るように申し付ける」「昼食を共にするように申し付ける」「係の者に申し付けてご案内いたします」「彼女に早く帰ってくるように申し付ける」などがあります。

「申し受ける」と「申し付ける」の使い分け方

「申し受ける」と「申し付ける」は発音や漢字が似ている言葉ですが、意味は異なっているので注意しましょう。「申し受ける」は願い出て受け取ることや引き受けることを意味しているのに対して、「申し付ける」は自分側の人間に用を言いつけることを意味しています。

また、「申し受ける」と「申し付ける」の共通点としては、どちらもビジネスシーンにおいて使えるという点です。

「申し受ける」と「申し付ける」の英語表記の違い

「申し受ける」を英語にすると「charged」となり、例えば上記の「それについて追加料金を申し受ける」を英語にすると「You will be charged extra for it」となります。

一方、「申し付ける」を英語にすると「tell」「instruc」「order」となり、例えば上記の「彼女に早く帰ってくるように申し付ける」を英語にすると「I’ll tell her come back soon」となります。

「申し受ける」の意味

「申し受ける」とは

「申し受ける」とは、願い出て受け取ることを意味しています。その他にも、引き受けることの意味も持っています。

表現方法は「キャンセル料を申し受ける」「送料を申し受ける」

「キャンセル料を申し受ける」「送料を申し受ける」「別途費用を申し受ける」などが、「申し受ける」を使った一般的な言い回しにになります。

「申し受ける」の使い方

「交通費の実費を申し受ける場合があります」「遅延した場合は延滞料金を申し受ける」などの文中で使われている「申し受ける」は、「願い出て受け取ること」の意味で使われています。

一方、「着物の仕立てを申し受ける」「裁判の代理人を申し受ける」などの文中で使われている「申し受ける」は、「引き受けること」の意味で使われています。

「申し受ける」は目上の人に使える謙譲語

「申し受ける」は主に目上の人やお客様などに対して、何かをお願いする場合に使う言葉です。そのため、ビシネスシーンにおいても使うことができます。

特に、上記の例文の「交通費の実費を申し受ける場合があります」のように、目上の人やお客様に対して金銭を要求する場合など、少し頼みにくいお願いをする場合に使うことが多いです。

「申し受ける」は謙譲語になります。謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことです。

「申し受ける」の類語

「申し受ける」の類語・類義語としては、自分が責任をもってその物事を受け持つことを意味する「引き受ける」があります。

「申し付ける」の意味

「申し付ける」とは

「申し付ける」とは、自分側の人間に用を言いつけることを意味しています。

表現方法は「申し付けられる」「申し付けにより」

「申し付けられる」「申し付けにより」などが、「申し付ける」を使った一般的な言い回しになります。

「申し付ける」の使い方

「申し付ける」を使った分かりやすい例としては、「ご不明な点がございましたらフロントまでお申し付けください」「彼に謹慎を申し付ける」「何なりとお申し付けください」「車を用意するように申し付ける」などがあります。

「申し付ける」は自分側の人間に用を言いつけること、つまり命令に近いニュアンスを持つ言葉で、目上の人から目下の人に対して使うのが一般的です。

反対に、目下の人から目上の人に対して命令や依頼を出して欲しい場合は「申し付ける」を変化させて、「お申し付けください」という形で使うことが多いです。そのため、「申し付ける」という言葉はビジネスシーンにおいてよく使われています。

「申し付ける」は謙譲語になります。謙譲語とは、自分の行動を相手よりも下の立場として表現することにより相手への敬意を示すことです。

「申し付ける」の類語

「申し付ける」の類語・類義語としては、命令や決定として下位の者に告げることを意味する「申し渡す」、 上の者から下の者に対して決定した事柄や命令などを伝えることを意味する「言い渡す」、命令することを意味する「言い付ける」などがあります。

「申し受ける」の例文

1.当日ご予約をキャンセルされる場合は、キャンセル料金を申し受けます。
2.この駐車場に無断駐車したら3万円申し受けますという貼り紙がある。
3.当店はお部屋の利用料金の他に、ワンドリク代を申し受けます。
4.ご利用時間をオーバーしていたので、延滞料金を申し受けます。
5.知り合いの娘さんが成人式に参加するらしいので、振袖の着付けを申し受ける。

この言葉がよく使われる場面としては、願い出て受け取ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、引き受けることを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「申し受ける」は願い出て受け取ること、例文5の「申し受ける」は引き受けることの意味で使っています。

「申し付ける」の例文

1.不正行為を行って自宅謹慎を申し付けられたので、外出することができません。
2.お客様が急にくることになったので、お茶を用意するよう申し付ける。
3.緊急の案件が発生したので、すぐ来るように申し付ける。
4.何かご不明な点がございましたら、スタッフの方までお申し付けください。
5.お困りのことがありましたら、お気軽にお申し付けください。

この言葉がよく使われる場面としては、自分側の人間に用を言いつけることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のようにビジネスシーンにおいて使うことが多いです。

「申し受ける」と「申し付ける」どちらの言葉を使うか迷った場合、願い出て受け取ることや引き受けること表現したい時は「申し受ける」を、自分側の人間に用を言いつけることを表現したい時は「申し付ける」を使うようにしましょう。

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