【獲る】と【捕る】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「とる」という読み方の「獲る」と「捕る」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「獲る」と「捕る」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「獲る」と「捕る」の違い

「獲る」と「捕る」の意味の違い

「獲る」と「捕る」の違いを分かりやすく言うと、「獲る」は公用文で使えない、「捕る」は公用文で使えるという違いです。

「獲る」と「捕る」の使い方の違い

一つ目の「獲る」を使った分かりやすい例としては、「山菜を獲ることで食費を節約する」「山でイノシシを獲る」「漁に出て魚を獲る」「魚を獲るために網という罠を仕掛けました」「私の目標はオリンピックでメダルを獲ることです」などがあります。

二つ目の「捕る」を使った分かりやすい例としては、「銛で魚を捕る生活をしています」「カブトシムを捕るのが私の趣味です」「ライトフライを捕ることに成功しました」「私たちは魚を捕るための罠を仕掛けました」などがあります。

「獲る」と「捕る」の使い分け方

「獲る」と「捕る」はどちらも獲物を捕まえることの意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

結論から言ってしまうと、「獲る」は公用文で使えないのに対して、「捕る」は公用文でも使えるというのが違いになります。

ではなぜ、「獲る」が公用文で使えないかというと、「獲る」は常用漢字表に載っていないからです。

常用漢字とは、現代の国語を書き表す場合の漢字使用の目安として、内閣告示の常用漢字表で示された日本語の漢字のことです。

常用漢字はあくまで漢字使用の目安であって制限ではないので、常用漢字以外は使えないというわけではありません。ただし、公用文や新聞などでは常用漢字を使用するのが好ましいとされています。

そのため、公用文以外においては「獲る」と「捕る」どちらでも使うことができると覚えておきましょう。また、「世界大会でメダルを獲るのが目標です」などのように手に入れるという意味では「獲る」の方を使うことが多いです。

「獲る」と「捕る」の英語表記の違い

「獲る」も「捕る」も英語にすると「catch」「take」となり、例えば上記の「私たちは魚を捕るための罠を仕掛けました」を英語にすると「We set traps to catch fish」となります。

「獲る」の意味

「獲る」とは

「獲る」とは、収穫したり捕獲したりすること
を意味しています。その他にも、手に入れることの意味も持っています。

表現方法は「勝ち獲る」「魚を獲る」「動物を獲る」

「勝ち獲る」「魚を獲る」「動物を獲る」などが、「獲る」を使った一般的な言い回しになります。

「獲る」の使い方

「鰯を獲るために網を張る」「逃げ回る動物を狩猟銃で獲る」などの文中で使われている「獲る」は、「収穫したり捕獲したりすること」の意味で使われています。

一方、「オリンピックで金メダルを獲るのが私の夢です」「この大会で1位を獲るのが目標です」などの文中で使われている「獲る」は、「手に入れること」の意味で使われています。

「獲る」は収穫したり捕獲したりすることを意味する動詞です。基本的には魚や動物などの生きていくために必要なものを手に入れる場合に使いますが、「日本代表の座を勝ち獲ることができました」などのように、スポーツシーンでも使うことができます。

「獲る」は公用文で使えない

ただし、「獲る」を使う上で注意しなければならないのは、公用文で使えないという点です。なぜなら、「獲る」という漢字が常用漢字表に載っていないからです。

したがって、公用文で使用したいのであれば、常用漢字表に載っている「捕る」の方を使うのがいいでしょう。

「獲る」の類語

「獲る」の類語・類義語としては、動物などを捕らえることを意味する「捕獲」、手に入れることを意味する「得る」、仕掛けなどで捕らえることを意味する「掛かる」などがあります。

「捕る」の意味

「捕る」とは

「捕る」とは、動物などを捕まえることを意味しています。

表現方法は「ボールを捕る」「魚を捕る」

「ボールを捕る」「魚を捕る」などが、「捕る」を使った一般的な言い回しになります。

「捕る」の使い方

「捕る」を使った分かりやすい例としては、「三塁手の選手がゴロ綺麗に捕る」「クワガタを捕ることに成功しました」「リバウンドを捕ることができました」「クジラを捕ることは禁止されています」「兎を罠に掛けて捕る」などがあります。

「捕る」は動物などを捕まえることを意味する動詞です。「魚を捕る」「動物を捕る」などのように生き物を捕まえる場合に使うのが一般的ですが、「彼はフライを捕るのが上手い」などのように、スポーツシーンにおいても使うことができます。

「捕る」は公用文でも使える

「捕る」は常用漢字表に載っている言葉なので、公用文や新聞などで使用しても問題ないと覚えておきましょう。

「捕る」の類語

「捕る」の類語・類義語としては、逃げようとするものを取り押さえることを意味する「捕まえる」、漁業の収穫のことを意味する「水揚げ」、苦労もなく手に入れることを意味する「頂く」などがあります。

「獲る」の例文

1.ニホンジカを獲るために、大量の罠を仕掛けることにしました。
2.カツオを獲るために遠洋漁船に乗ったので、しばらくは海の上で生活することになります。
3.今日は魚を獲ることができなかったので、夕食は抜きになりそうだ。
4.オリンピックで金メダルを獲ることができたので、選手人生に悔いはありません。
5.甲子園での優勝を勝ち獲るために、春から猛練習してきました。

この言葉がよく使われる場面としては、収穫したり捕獲したりすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、手に入れることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「獲る」は収穫したり捕獲したりすること、例文4と例文5の「獲る」は手に入れることの意味で使っています。

「捕る」の例文

1.サザエやアワビを勝手に捕ることは禁止されているので、違反すると逮捕される可能性があります。
2.動物を捕るための道具は、入念に手入れした方がいいだろう。
3.クマを捕るのはとても危険だが、マタギとしてプライドを持って狩猟しています。
4.彼がリバウンドを捕ることで、チームが救われました。
5.キャッチャーフライを捕る練習したおかげで、今日の試合で無事捕ることができました。

この言葉がよく使われる場面としては、動物などを捕まえることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「捕る」はスポーツシーンにおいても使うことができます。

「獲る」と「捕る」はどちらも獲物を捕まえることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、公用文で使えないのが「獲る」、公用文で使えるのが「捕る」と覚えておきましょう。

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