【ひとつずつ】と【ひとつづつ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ読み方の「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの言葉によって使い方には少し違いがあります。




「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の違い

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の意味の違い

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の違いを分かりやすく言うと、「ひとつずつ」とは現代的仮名遣い、「ひとつづつ」とは歴史的仮名遣いという違いです。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の使い方の違い

一つ目の「ひとつずつ」を使った分かりやすい例としては、「1から5までの数字をひとつずつ記入してください」「難しい事件をひとつずつ解決する」「必要なものをひとつずつ選ぶ」「ケーキとコーヒーをひとつずつください」などがあります。

二つ目の「ひとつづつ」を使った分かりやすい例としては、「ひとつづつ扉を開けていく」「コーヒーとドーナッツをひとつづつください」「事故が起こった原因をひとつづつ検証していく」などがあります。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の使い分け方

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」は、どちらも一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返す同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の一番の違いは「ひとつずつ」が現代仮名遣いで、「ひとつづつ」が歴史的仮名遣いということです。

どちらも正しい日本語なのですが、現代においては内閣告示の現代仮名遣いである「ずつ」の方を使うのが一般的になっています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「ひとつずつ」の方を使うようにしましょう。それ以外の場面では好きな方を使っても問題ありません。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」の英語表記の違い

「ひとつずつ」も「ひとつづつ」も英語にすると「one each」「one at a time」となり、例えば上記の「ケーキとコーヒーをひとつずつください」を英語にすると「Can I have one each of cake and coffee」となります。

「ひとつずつ」の意味

「ひとつずつ」とは

「ひとつずつ」とは、一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを意味しています。

表現方法は「ひとつずつお取りください」「おひとつずつどうぞ」

「ひとつずつお取りください」「おひとつずつどうぞ」「ひとつずつひとつずつ」などが、「ひとつずつ」を使った一般的な言い回しになります。

「ひとつずつ」の使い方

「ひとつずつ」を使った分かりやすい例としては、「6から9までの数字をひとつずつ記入してください」「書類ひとつずつに目を通していたら日が暮れてしまう」「問題をひとつずつ解決する」「解答欄がひとつずつズレてしまった」などがあります。

「ひとつずつ」は一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを表す現代仮名遣いになります。現代仮名遣いとは、1986年7月1日に昭和61年内閣告示第1号として公布された日本語の仮名遣いのことです。

現代仮名遣いにおいて、歴史的に表記されてきた「づ」も「ず」に統一するとされています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「ずつ」を用いた「ひとつずつ」を使うようにしましょう。

「ひとつずつ」の類語

「ひとつずつ」の類語・類義語としては、ちょっとずつ繰り返すことを意味する「少しづつ」、多くの中のそれぞれの人のことを意味する「一人一人」(読み方:ひとりひとり)、いくつかあるうちの一つ一つのことを意味する「個個」などがあります。

「ひとつづつ」の意味

「ひとつづつ」とは

「ひとつづつ」とは、一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを意味しています。

表現方法は「ひとつづつお取りください」「おひとつづつどうぞ」

「ひとつづつお取りください」「おひとつづつどうぞ」「ひとつづつひとつづつ」などが、「ひとつづつ」を使った一般的な言い回しになります。

「ひとつづつ」の使い方

「ひとつづつ」を使った分かりやすい例としては、「ハンバーガーとコーラをひとつづ注文する」「それぞれの階にひとつづつ窓があります」「排水溝に詰まってるゴミをひとつづ取り除く」「部屋の明かりをひとつづ消していきます」などがあります。

「ひとつづつ」は一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを表す歴史的仮名遣いになります。

歴史的仮名遣いとは、明治時代から第二次世界大戦終結直後までの公文書や学校教育において用いられたもので、平安時代初期までの実際の綴りを基盤としている言葉です。

歴史的仮名遣いは間違った日本語ではないのではないのですが、現代にはおいては「づつ」を使うよりも「ずつ」の方を使うのが推奨されています。また、法令、新聞、公的な書類などでは「づつ」を用いた「ひとつづつ」は使えないと覚えておきましょう。

「ひとつづつ」の類語

「ひとつづつ」の類語・類義語としては、多くのもののそれぞれのことを意味する「各々」(読み方:おのおの)、一つ一つのことを意味する「其れ其れ」(読み方:それぞれ)などがあります。

「ひとつずつ」の例文

1.購買のおばちゃんに、牛乳とカレーパンをひとつずつくださいとお願いしました。
2.この雑居ビルには各階にひとつずつトイレがあるのでとても便利です。
3.莫大な量の資料にひとつずつ目を通してたら、いつまで経っても終わりません。
4.長い階段をひとつつずつ上がっていってるが、まだ目的地に着きそうにありません。
5.悩みをひとつずつ順番に解決していくために、今考えていることをノートにまとめることにした。
6.プレゼントされたチョコレートは6つしか入っておらず、けっしてお腹を満たすようなものではなかったが、ひとつずつ丁寧に作ってあるのがわかり食べるのが惜しくなってしまった。
7.友達から提示された心理テストは10種類の帽子を質問によってひとつずつ選んでいくもので、わたしは早く答えが知りたい気持ちを抑えてじっくりと答えを考えた。
8.わたしは問題を一気に解決するほどの天才肌ではなく、問題を分解してひとつずつ地道に解決していくしか能がないので、このように努力を重ねているのだ。
9.首相との各メディア向けのインタビューでは質問はひとつずつと決まっていたのに、ライバルのテレビ局が質問を二つ投げかけていたのでルール違反だろうと抗議した。
10.わたしは火の車の家計を改善するために、まずなぜこのような状況に陥ったのかをひとつずつ分析して、それをもとにして改善策を打ち出そうと考えていたのだが、一つ問題があった。

この言葉がよく使われる場面としては、一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。

例文1と例文2の「ひとつずつ」は一ずつ割り当てること、例文3から例文5の「ひとつずつ」は一ずつの量を繰り返すことの意味で使っています。

「ひとつづつ」の例文

1.コンビニの店員に肉まんとアメリカンドックをひとつづつくださいとお願いしました。
2.友人の家に遊びにいったが、ベットとテーブルがひとつづ置いてあるだけの、殺風景な部屋だった。
3.見落としがあるといけないので、資料ひとつづつにしっかりと目を通す。
4.容疑者がたくさんいるので、各部屋をひとつづつ捜査しなければなりません。
5.勉強はひとつづつ順番にこなして行くことが、上達するための一番の近道です。
6.若い頃は難なくできたことが、年を重ねれば重ねるほどできなくなっていき、まるでひとつづつ楽しみを奪われていくような気がして、少し落ち込んでしまった。
7.新人刑事のころに先輩から現場に行って可能性をひとつづつ当たって試行錯誤することが刑事の捜査の基本だと叩き込まれていたので、ハイテクを用いないアナログな捜査手法はまったく苦ではなかった。
8.中間テストは選択式で解答欄には数字をひとつづつ記入していくようになっていたので、わたしはいつもと違う形式に若干戸惑いながらも間違えないように記入していった。
9.わたしはコンピューターを使って男の口座情報をひとつづつ照会していったのだが、結局これといって脱税行為が疑われる痕跡は見当たらなかった。
10.彼の小説はひとつづつの言葉が心の中で響き渡っていって、なんども読み返してしまうほど魅力的な名文ばかりなので、機会があったらぜひ読んでほしいと思う。

この言葉がよく使われる場面としては、一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。

例文1と例文2の「ひとつづつ」は一ずつ割り当てること、例文3から例文5の「ひとつづつ」は一ずつの量を繰り返すことの意味で使っています。

「ひとつずつ」と「ひとつづつ」という言葉は、どちらも一ずつ割り当てることや一ずつの量を繰り返すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代仮名遣いである「ひとつずつ」を使うようにしましょう。

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