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【損失】と【損害】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「損失」(読み方:そんしつ)と「損害」(読み方:そんがい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「損失」と「損害」という言葉は、どちらも「利益を失うこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




損失と損害の違い

損失と損害の意味の違い

損失と損害の違いを分かりやすく言うと、損失とは外的要因だけでなく自分の過失により利益を失うことも表し、損害とは主に外的要因により利益を失うことを表すという違いです。

損失と損害の使い方の違い

一つ目の損失を使った分かりやすい例としては、「被災した住宅や家財の損失額を計算する」「英語力不足は人生の機会損失を招くだろう」「確定申告を行うことにより損失繰越ができます」「投資行動では損失回避バイアスが働きます」などがあります。

二つ目の損害を使った分かりやすい例としては、「デバイスに損害を与える可能性があります」「債権者が被る損害に対して保険金を支払います」「英語圏在住の日本人を相手に損害賠償請求を行う」などがあります。

損失と損害の使い分け方

損失と損害という言葉は、どちらも物をだめにすることや金銭的な不利益を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

損失とは、そこない失うことを意味し、 特に利益や財産を失うことを表します。「災害により大きな損失を被る」のように外的な要因により財産を失うことや、「投資の失敗により損失が出る」のように自分の過失によって財産を失うことを表現する言葉です。

損害とは、そこない傷つけることを意味し、主に外的要因でそこない失う場合に使われることが多い言葉です。特に事故や災害などで、物がこわれたりなくなったりして受けた金銭上の損失を表し、「損害賠償」とは他人に与えた損害を塡補し、損害がないのと同じ状態にすることを意味します。

つまり、損失とは外的要因だけでなく自分の過失によりそこない失うことに使用され、損害とは外的要因によりそこない失うことに使用される言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

損失と損害の英語表記の違い

損失も損害も英語にすると「loss」「damage」となり、例えば上記の「損失額」を英語にすると「the amount of loss」となります。

損失の意味

損失とは

損失とは、そこない失うこと、特に財産や利益などを失うことを意味しています。

その他にも、「電力や動力などのエネルギーが有効に利用されず、不要な熱などの形で失われること」の意味も持っています。

表現方法は「損失する」「損失が出る」

「損失する」「損失が出る」などが、損失を使った一般的な言い回しです。

損失の使い方

「損失申告をすることで損益通算ができます」「経済的損失に対して損失補償を支払う」「機械学習において誤差関数は損失関数と言います」「摩擦損失水頭を求める公式を教えてください」などの文中で使われている損失は、「そこない失うこと」の意味で使われています。

一方、「配電線や変圧器で電力損失が発生する」「電力損失は電流の二乗に比例します」「送電線のエネルギー損失を計算する」などの文中で使われている損失は、「エネルギーが不要な熱などの形で失われること」の意味で使われています。

損失とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているので、文脈により意味を判断する必要があります。損失の「損」は減らしたり傷つけたりすることを表し、「失」はそれまではあったものがなくなることを表す漢字です。

「損失補償」の意味

損失を用いた日本語には、「損失補償」があります。損失補償とは、国や公共団体などが、適法な行為によって人に財産上の損害を与えたときに、その損害を埋め合わせるために支払う金銭を意味します。適法行為に基づく財産権の侵害である点で、不法行為に基づく「損害賠償」と区別されます。

損失の対義語

損失の対義語・反対語としては、利益を得ることを意味する「利得」、事業などによって利益を得ることを意味する「収益」などがあります。

損失の類語

損失の類語・類義語としては、物の一部が欠けてなくなることを意味する「欠損」、収支決算で支出が収入より多いことを意味する「赤字」、むだに費やすことや損失を意味する「ロス」などがあります。

損害の意味

損害とは

損害とは、そこない傷つけること、利益を失わせることや失うこと、また、事故などで受けた不利益を意味しています。

表現方法は「損害を受ける」「損害が大きい」「損害が出る」

「損害を受ける」「損害が大きい」「損害が出る」などが、損害を使った一般的な言い回しです。

損害の使い方

損害を使った分かりやすい例としては、「従業員が不注意で会社に損害を与える」「損害保険協会に苦情を申し出る」「確定申告の損害保険料とは何ですか」「甥は損害保険ジャパン株式会社に就職しました」などがあります。

その他にも、「損害賠償請求権にも時効があります」「損害保険募集人一般試験の難易度は高くありません」「違法行為によって被害者が損害を受ける」「損害保険料率算出機構から手紙が来ました」などがあります。

損害の「損」は訓読みで「そこなう」と読み、完全であるものを不完全にすることを表し、「害」は訓読みで「そこなう」「がい」と読み、傷つけることや災いを表します。損害とは、そこなわれ傷つくことや、利益を失うことや失わせることを意味する言葉です。

「損害保険」の意味

損害を用いた日本語には、「損害保険」があります。損害保険とは、偶然の事故によって生じた損害を填補する保険を意味します。火災保険,自動車保険,船舶保険などがあり、生命保険と違って事故による損害の程度に応じて保険金の額が異なります。

損害の対義語

損害の対義語・反対語としては、事業などをして得るもうけを意味する「利益」、もうけを意味する「利潤」などがあります。

損害の類語

損害の類語・類義語としては、そこなわれたり傷つけられたりすることを意味する「損傷」、害を受けることや損害をこうむることを意味する「被害」、事実上こうむった害悪や損失を意味する「実害」、自分のほうに不利となるを意味する「割を食う」などがあります。

損失の例文と使い方

1.現代社会において、英語が話せないことは大きな機会損失につながります。
2.損失回避の法則を意識すると、お金や時間の使い方が大きく変化するでしょう。
3.通常の企業活動では発生しない損失は、勘定科目のなかの特別損失として処理することになります。
4.つみたてNISAは低リスクで運用できますが、投資商品ですので損失が出る可能性があります。
5.電圧が高いほどエネルギーの損失が少ないので、長距離の送電では高電圧を使用しています。

この言葉がよく使われる場面としては、利益を失うこと、損をした程度や額、電気工学用語で有効に利用されずに失われる電力および動力を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「機会損失」とは、本来であれば得ることができた利益を得られなかったことを意味します。例文2の「損失回避」とは、得することよりも損することを避けようとする人々の心理を表す言葉です。

損害の例文と使い方

1.日本は自然災害が発生しやすい特性があり、誰もが被災して損害を被る可能性があります。
2.損害保険とは何か、損害保険にはどんな種類があるのか、わかりやすくご説明いたします。
3.私は損害保険を選ぶ際に、顧客満足度ランキングを参考にしました。
4.損害保険募集人の一般試験は4つの単位で構成され、合格基準はそれぞれ7割以上となっています。
5.私どもの英語教室では、受講期間中の契約解除に伴う損害賠償や違約金の請求をすることはありません。

この言葉がよく使われる場面としては、を表現したい時などが挙げられます。

例文4の「損害保険募集人」とは、損害保険商品を販売する人を意味し、損害保険会社や損害保険代理店で勤務する役員や従業員を指します。

損失と損害という言葉は、どちらも「そこなうことや利益を失うこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、外的要因や内的要因により利益を失うことを表現したい時は「損失」を、外的要因により利益を失うことを表現したい時は「損害」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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