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【大局的】と【俯瞰的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「大局的」(読み方:たいきょくてき)と「俯瞰的」(読み方:ふかんてき)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「大局的」と「俯瞰的」という言葉は、どちらも物事を大きく捉えることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




大局的と俯瞰的の違い

大局的と俯瞰的の意味の違い

大局的と俯瞰的の違いを分かりやすく言うと、大局的とは今後を見据えるニュアンスがあり、俯瞰的とは今後を見据えるニュアンスがないという違いです。

大局的と俯瞰的の使い方の違い

一つ目の大局的を使った分かりやすい例としては、「教育格差を大局的な観点から考える」「大局的な視点を磨きたい」「もっと大局的な視点を持つように」「変化する相場を大局的に判断する」などがあります。

二つ目の俯瞰的を使った分かりやすい例としては、「情報漏洩のリスクを俯瞰的に評価する」「物事を俯瞰的に見る力を養う」「世界の食料問題を俯瞰的にとらえる」「あの人は俯瞰的な視点が欠如している」などがあります。

「大局的な視点」と「俯瞰的な視点」の違い

大局的と俯瞰的という言葉は、どちらも物事の全体を見渡すさまを表し、物の見方や捉え方を表現する言葉です。「大局的な視点」「俯瞰的な視点」のように、二つの言葉は同じように使われていますが、厳密には意味は異なります。

大局とは、全体を広く見渡したときの物事の成り行きを意味し、「大局的な視点」とは物事の全体の成り行きを見通して考える立場を表します。一方、俯瞰とは、高い所から見下ろすことを意味し、「俯瞰的な視点」とは広い視野で物事を考える立場を表します。

つまり、大局的にはこれから起こるであろう変化も考えに入れるニュアンスがありますが、俯瞰的にはこのような今後を見据えるニュアンスはありません。この点が、大局的と俯瞰的という言葉の違いになります。

大局的と俯瞰的の英語表記の違い

大局的を英語にすると「broad」「wide」「macro」となり、例えば上記の「大局的な観点」を英語にすると「broad view」となります。一方、俯瞰的を英語にすると「comprehensively」となり、例えば上記の「俯瞰的に評価する」を英語にすると「assess comprehensively」となります。

大局的の意味

大局的とは

大局的とは、大きな立場から事実を判断するさまを意味しています。

表現方法は「大局的見地」「大局的に見る」「大局的に考える」

「大局的見地」「大局的に見る」「大局的に考える」などが、大局的を使った一般的な言い回しです。

大局的の使い方

大局的を使った分かりやすい例としては、「母の考えには大局的な視点が欠けている」「人生を大局的に見る」「もう少し大局的な捉え方をした方がよい」「大局的な観点から解決策を提案します」などがあります。

その他にも、「もっと大局的見地を養いたい」「大局的な判断ができるよう教養を身につける」「大局的な経営スキルが必要だ」「行き詰った時には大局的思考が有効です」「経済を大局的に見る」などがあります。

大局的という言葉の「大局」とは、物事の全体のありさまや成り行きを意味します。「局」という漢字は、囲碁や将棋などの勝負の形勢を表わし、転じて、物事の成り行きや様子の意味も持つようになりました。大局的とは、大きな立場から事実を判断したり行動したりするさまを意味する言葉です。

「大局観」の意味

大局という言葉を用いた日本語には「大局観」があります。大局観とは、囲碁やチェスなどのボードゲームで的確な形勢判断を行う能力のことであり、一般的には、物事の全体的な状況や成り行きに対する見方や判断の意味で使われています。

大局的の対義語

大局的の対義語・反対語としては、大局を見通せず目先の事だけにとらわれているさまを意味する「近視眼的」、意見や観察などがある一つの面にかたよっているさまを意味する「一面的」などがあります。

大局的の類語

大局的の類語・類義語としては、個人的な利害にとらわれず広い立場に立って判断や行動するさまを意味する「大乗的」、個々の物事を一つにまとめるさまを意味する「総合的」、全てをひっくるめているさまを意味する「包括的」、いくつかの方面にわたるさまを意味する「多角的」などがあります。

俯瞰的の意味

俯瞰的とは

俯瞰的とは、全体を大きく見渡すさまを意味しています。

表現方法は「俯瞰的に考える」「俯瞰的に捉える」「俯瞰的に物事を見る」

「俯瞰的に考える」「俯瞰的に捉える」「俯瞰的に物事を見る」などが、俯瞰的を使った一般的な言い回しです。

俯瞰的の使い方

俯瞰的を使った分かりやすい例としては、「俯瞰的な視点を持つことを意識する」「自分を俯瞰的に見る」「目先にとらわれず俯瞰的にとらえる」「地球環境問題を俯瞰的にとらえる」などがあります。

その他にも、「物事を客観的、俯瞰的にとらえようとする」「彼女は俯瞰的視点が出来る人です」「俯瞰的な視野を持ち行動に移すことが肝要だ」「双方を俯瞰的に見てバランスをとる」「公務員として俯瞰的に対処する」などがあります。

俯瞰的という言葉の「俯瞰」とは、高い所から見下ろし眺めることを意味し、鳥が空から見下ろすことを表す「鳥瞰」という言葉の同義語です。俯瞰的とは、高い所から見下ろて全体を眺めるさまや、客観的に広い視野で物事の全体像を捉えることを意味する言葉です。

俯瞰的は流行語大賞にもノミネートされた言葉

「俯瞰的」という言葉は、「総合的・俯瞰的」と総合的という言葉とセットで2020年の流行語大賞にもノミネートされました。これは、菅首相が日本学術会議の会員候補6人を任命拒否した理由として繰り返して用いた言葉であり、説明になっていないとメディアやSNSで批判されたフレーズです。

俯瞰的の対義語

俯瞰的の対義語・反対語としては、物事を微細に観察するさまを意味する「微視的」、部分を細かく捉えることを意味する「ミクロ的」があります。

俯瞰的の類語

俯瞰的の類語・類義語としては、高い所から広い範囲を見おろすことや全体を大きく見渡すことを意味する「鳥瞰」、事物を全体的に観察するさまを意味する「巨視的」、全体を見渡すように把握する観点を意味する「マクロ的」などがあります。

大局的の例文

1.子どもの成長という大局的見地に立てば、日々の学業成績やトラブルに一喜一憂する必要はない。
2.大局的な視点を忘れてしまうと、木を見て森を見ずのような状態に陥ってしまうよ。
3.父は大局的に物事を見る人なので、困った時に相談すると自分とは違った考えを気づかせてくれる。
4.国の政策を関与する政治家には、政党の利害を度外視した大局的判断をお願いしたいものだ。
5.何かを判断する時には、大局的な見方と局所的な見方の両方あることがベストです。
6.国の大将というものは、一つの戦や一つの土地にだけ固執するのではなく、諸国の関係性や時代の流れなど大局的に物事を捉える才に恵まれている。
7.外交交渉は予想以上に難航したが、大局的な観点からしてお互いの懸案を一旦棚上げして、同意できる部分だけで交渉をまとめることになった。
8.学長はあえて大局的見地をもって事に当たっていることを隠していたので、まわりのお堅い役員たちからは奇異な目で見られることもあった。
9.この売上に関するデータをもってすぐに経営判断するのはかえって危険であり、もっと大局的な視野でデータを扱わなくてはならないだろう。
10.開業して数年間はただただ目先の利益ばかり追っていたが、事業が軌道に乗りつつある今、大局的な経営ができるようになりたいと思うようになった。

この言葉がよく使われる場面としては、大きな立場から事実を判断したり行動したりするさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「大局的見地」とは、大きな観点に立ったものの見方を意味します。物事を細部にとらわれずに、大きな視野に立って広く慎重に見る立場です。例文5では「大局的」と対比して「局所的」という言葉が使われています。局所的とは、全体の中の一部分だけについて当てはまる様子のことです。

俯瞰的の例文

1.管理職は専門的な知識がなくとも、俯瞰的に考えることができれば良いのです。
2.彼は俯瞰的思考に優れており、広い範囲にわたって考える力があるので、このプロジェクトのリーダーに適任だと思う。
3.仕事や家庭でトラブルが起きた時にこそ、問題を俯瞰的に捉える必要があります。
4.政治家が総合的俯瞰的な観点から判断したと言うことがあるが、抽象的な表現で言い逃れにしか聞こえない。
5.環境問題が解決しないのは、地球全体を見渡す俯瞰的視点が欠けているのではないだろうか。
6.ゲームで画面が俯瞰的構図に切り替わると途端に今自分のいる場所が分からなくなる。地図が読めないのと同じ現象が起る。
7.日本のテクノロジー産業について俯瞰的な視点をもっていたのは彼だけで、あとの人たちは目先のことばかりしかみえていなかったのだろう。
8.物事を俯瞰的にとらえるために、たくさんのノウハウ本を買い漁っていたが、やはり実践的なトレーニングを積まないと意味がないと痛感したのだ。
9.何をもって仕事で一人前だと自負できるかよく考えてみたのだが、やはり自分を俯瞰的にみれるようになったら、もう一人前ではないかと思うのだ。
10.彼らには仮に仕事がうまく行かなくなっても慌てずに、俯瞰的な視野をもって対処したてほしいのだが、まだまだ未熟だと思うことのほうが多いな。

この言葉がよく使われる場面としては、全体を大きく見渡すさま、広い視野で物事を捉えるさまを表現したい時などが挙げられます。

例文2にある「俯瞰的思考」とは、物事の全体像をよく見て客観的に考え判断しようとする頭の働きを意味します。似た意味の言葉には「メタ思考」があり、物事を一つ上の視点から眺め、物事をより本質的に考えようとすることです。

大局的と俯瞰的という言葉は、どちらも物事の全体像を捉えることを意味する言葉です。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の成り行きをも見据えていることを表現したい時は「大局的」を、単に広い視野で物事を捉えるさまを表現したい時は「俯瞰的」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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