似た意味を持つ「雨降って地固まる」(読み方:あめふってじかたまる)と「災い転じて福となす」(読み方:わざわいてんじてふくとなす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」という言葉は、どちらも悪いことが起こった後は良い状態になることを意味することわざという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の違い
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の意味の違い
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の違いを分かりやすく言うと、「雨降って地固まる」とは悪いことが起こった後はかえって基盤がしっかりして良い状態になること、「災い転じて福となす」とは失敗や災難などに襲われてもそれを利用して幸せになるように取り計らうことという違いです。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の使い方の違い
一つ目の「雨降って地固まる」を使った分かりやすい例としては、「雨降って地固まると言うし時々喧嘩も必要だろう」「対立していた二人が仲良くなっていたので、雨降って地固まるとはまさにこのことだ」などがあります。
二つ目の「災い転じて福となす」を使った分かりやすい例としては、「災い転じて福となすとも言うのでいつまでも嘆いていられません」「私は災い転じて福となすということわざを信じています」などがあります。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の使い分け方
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」はどちらも悪いことが起こった後は良い状態になることを表すことわざですが、意味に少し違いがあるので注意が必要です。
「雨降って地固まる」は揉め事などの悪いことが起こった後はかえって基盤がしっかりして良い状態になることの意味で使います。一方、「災い転じて福となす」は失敗や災難などに襲われてもそれを利用して幸せになるように取り計らうことの意味で使います。
上記からも分かるように似たことわざではあるものの、意味は少し異なっているので間違えないように注意しましょう。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」の英語表記の違い
「雨降って地固まる」を直訳した英語表現はありませんが、近い表現として「after a storm comes a calm」「after rain comes fair weather」などがあります。
一方、「災い転じて福となす」を英語にすると「turn a misfortune into a blessing」となります。
「雨降って地固まる」の意味
「雨降って地固まる」とは
「雨降って地固まる」とは、揉め事などの悪いことが起こった後はかえって基盤がしっかりして良い状態になることを意味しています。
「雨降って地固まる」の使い方
「雨降って地固まる」を使った分かりやすい例としては、「雨降って地固まるのように、本心で話し合うことも大切です」「彼女と喧嘩になったが両者の改善点がみえてきて、まさに雨降って地固まるです」などがあります。
「雨降って地固まる」は悪いことが起こった後は前よりも良い状態になることを表すことわざです。
「雨降って地固まる」の特徴は、揉め事などの何か悪いことが起こった場合のみに使えるという点です。最初に悪いことが起こらないと「雨降って地固まる」は使えないと覚えておきましょう。
「雨降って地固まる」は結婚式のスピーチでよく使われる
「雨降って地固まる」をよく使うのは結婚式のスピーチです。喧嘩しながらも結婚に辿り着いた二人に、これから強く結ばれて欲しいという思いを込めた言葉になります。
「雨降って地固まる」の由来
「雨降って地固まる」の由来はその名の通り、雨が降ってぬかるんだ土は水分を含み柔らかくなるので、晴れた後太陽の日差しによって水分が蒸発し、前よりも良い土になることからきています。
これが転じて、揉め事などの悪いことが起こった後は、かえって基盤がしっかりして良い状態になることを「雨降って地固まる」と言うようになりました。
「雨降って地固まる」の類語
「雨降って地固まる」の類語・類義語としては、なにげなしにやった事が意外に良い結果になることを意味する「怪我の功名」(読み方:けがのこうみょう)、人生の禍福は転々として予測できないことを意味する「塞翁が馬」(読み方:さいおうがうま)などがあります。
「災い転じて福となす」の意味
「災い転じて福となす」とは
「災い転じて福となす」とは、失敗や災難などに襲われてもそれを利用して幸せになるように取り計らうことを意味しています。
「災い転じて福となす」の使い方
「災い転じて福となす」を使った分かりやすい例としては、「居残りで文化祭の片付けをしていたら、部活終わりの憧れの同級生と一緒に帰れることになった。まさに災い転じて福となすだ」「災い転じて福となして事業に成功しました」などがあります。
「災い転じて福となす」とは失敗や災難などに襲われてもそれを利用して幸せになるように取り計らうこと、つまり、悪いことをうまく利用して成功するように努力すること意味することわざです。
「災い転じて福となす」の特徴は、失敗や災難などの悪いことあってしまったが、それを利用して成功に繋げた場合に使えるという点です。ただ単純に、失敗や災難などの悪いことにあった場合に使うのではないと覚えておきましょう。
「災い転じて福となす」の由来
「災い転じて福となす」の由来は中国の四字熟語「転禍為福」(読み方:てんかいふく)です。転禍為福とはマイナスなものをプラスにするという意味を持つ四字熟語です。この転禍為福が変化し、「禍を転じて福と為す」となり、これが転じて、「災い転じて福となす」となったと言われています。
「災い転じて福となす」の類語
「災い転じて福となす」の類語・類義語としては、楽しい事のあとには苦しい事があることを意味する「楽あれば苦あり」、失敗すればその原因を反省して方法や欠点を改めるので、かえってその後の成功につながることを意味する「失敗は成功のもと」などがあります。
「雨降って地固まる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、揉め事などの悪いことが起こったあとは、かえって基盤がしっかりして良い状態になることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「雨降って地固まる」はプラスのイメージで使われている言葉です。
「災い転じて福となす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、失敗や災難などに襲われても、それを利用して幸せになるように取り計らうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「災い転じて福となす」はプラスのイメージで使われている言葉です。
「雨降って地固まる」と「災い転じて福となす」はどちらも悪いことが起こった後は良い状態になることを表します。
どちらの言葉を使うか迷った場合、悪いことが起こった後は、かえって基盤がしっかりして良い状態になることを表現したい時は「雨降って地固まる」を、失敗や災難などに襲われても、それを利用して幸せになるようにすることを表現したい時は「災い転じて福となす」を使うようにしましょう。