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【碩学】と【博学】と【顕学】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「碩学」(読み方:せきがく)と「博学」(読み方:はくがく)と「顕学」(読み方:けんがく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「碩学」と「博学」と「顕学」という言葉は、学問に通じている人という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




碩学と博学と顕学の違い

碩学と博学と顕学の意味の違い

碩学と博学と顕学の違いを分かりやすく言うと、碩学は修めた学問が深いことを表現する時に使い、博学は多様な学問に通じていることを表現する時に使い、顕学は有名な学問を表現する時に使うという違いです。

碩学と博学と顕学の語源の違い

碩学の碩とは、大きくすぐれていることを意味する漢字です。そのため、碩学は修めた学問の広く深いことを意味する言葉になります。

博学の博とは、広くいきわたることを意味する漢字です。そのため、博学は多くの知識を有していることを意味する言葉になります。

顕学の顕とは、名高い、地位が高いことを意味する漢字です。そのため、顕学は地位が高い学問そのものや、有名な学者を意味する言葉になり、碩学や博学とはやや違う意味になります。

日本における学位で最上位の称号として「博士」があり、その一つ下は「修士」です。中国では、日本でいう修士は「碩士」(読み方:せきし)となっています。

上記の「碩」と「博」それぞれの意味やこの中国での学位からもわかるように、碩学と博学で比較した場合は、博学の方がより多くの知識がある、賢いということがわかります。

「碩学者」と「博学者」と「顕学者」の違い

博学は「者」という漢字と共に使うことで「博学者」という表現をすることができますが、碩学と顕学は「碩学者」「顕学者」のように使うことはできません。

碩学の意味

碩学とは

碩学とは、修めた学問の広く深いことを意味しています。

碩学を使った言葉として「碩学泰斗」「碩学大儒」があります。

「碩学泰斗」の意味

一つ目の「碩学泰斗」(読み方:せきがくたいと)とは、高く評価される人や第一人者を意味する泰斗という言葉と碩学を組み合わせた言葉です。「大学院の博士号は碩学泰斗の証」のように使い、広い知識を身に付けて高い評価を受けるような状態を意味します。

「碩学大儒」の意味

二つ目の「碩学大儒」(読み方:せきがくたいじゅ)とは、広い学識を持つ優れた学者や、学問でその奥義を極めた人を意味する四字熟語です。大儒の儒は本来儒学者を指しますが、学者一般も意味します。

碩学の対義語

碩学の対義語・反対語としては、学問や知識が未熟なことを意味する「浅学」があります。

碩学の類語

碩学の類語・類義語としては、幅広く書物を読んで見聞と知識とを広め、その内容をよく覚えていることを意味する「博覧強記」、広く物事を知っていることを意味する「物知り」などがあります。

碩学の碩の字を使った別の言葉としては、深い学問を身に付けた学者を意味する「碩儒」(読み方:せきじゅ)、徳の高い人を意味する「碩徳」(読み方:せきとく)などがあります。

博学の意味

博学とは

博学とは、多種多様な学問に通じていることを意味しています。

博学を使った言葉として、「博学多才」「博学才穎」「博学連携」があります。

「博学多才」の意味

一つ目の「博学多才」とは、広く諸学に通じ才能が豊かであることを意味する四字熟語です。「博識多才」も同じ意味を持つ四字熟語で、「博学卓識」「博学多識」は類語・類義語にあたります。

「博学才穎」の意味

二つ目の「博学才穎」(読み方:はくがくさいえい)とは、学識が豊富で才能と知識があることを表した四字熟語です。才穎とは才能と知識が非常にすぐれていることを意味する言葉です。

「博学連携」の意味

三つ目の「博学連携」とは、博物館と学校が望ましい形で協力し合いながら、子どもたちの教育を進めていこうとする取り組みのことを指します。ここでいう博物館は、美術館や水族館、植物園、動物園などを含む地域にある社会教育施設です。

博学の対義語

博学の対義語・反対語としては、学問や知識がないことや煩悩を断ち尽くしもはや学ぶべきものがない境地を意味する「無学」があります。

博学の類語

博学の類語・類義語としては、学問や技芸に広く通じ、道理をわきまえていることを意味する「博雅」、広く知識があることを意味する「博識」などがあります。

博学の博の字を使った別の言葉としては、全ての人を平等に愛することを意味する「博愛」、学識が広いことやその様子を意味する「広博」、大学院の博士課程を修了し論文の審査や試験に合格した者に授与される学位「博士」(読み方:はくし)などがあります。

顕学の意味

顕学とは

顕学とは、世に名の高い学問や学派、有名な学者を意味しています。

顕学の読み方

顕学は「けんがく」と読みます。顕学の顕の訓読みには、「あきらか」「あらわれる」がありますが、間違えないようにしましょう。

顕学が使われた作品

顕学という言葉を使った作品に『韓非子』(読み方:かんぴし)があります。

中国戦国時代、法治主義を説いた法家である韓非が著した『韓非子』は、春秋戦国時代の思想や社会をまとめ、分析したものです。全55篇で構成され、そのうちの一篇に「顕学篇」があります。

この『韓非子』の中での顕学は、儒家と墨家を指していますが、当時この二つの学派は非常に大きな思想集団で、多くの人々に根付いていました。顕学篇ではこの二つの学派の間に見られる矛盾や、主張の有害性などについて指摘されています。

顕学の類語

顕学の類語・類義語としては、物事に広く通じていることや学識の広いことを意味する「該博」、会社や役所などで過去の出来事や規則などに通じている博識な人を意味する「生き字引」などがあります。

顕学の顕の字を使った別の言葉としては、地位の高い官職を意味する「顕職」、地位が高くて重要なことやその様子を意味する「顕要」、はっきりと姿を現すことを意味する「顕現」、際立って目に付くようすを意味する「顕著」などがあります。

碩学の例文

1.研究室に入ってきたのは碩学な人であろう男性で、その腕にはたくさん記載がなされている手書きのノートが抱えられていた。
2.多くの碩学の徒によって日本中で注目されていた研究が進み、多くの人に喜ばれることとなった。
3.世界の碩学たちの会合は、今後の世界情勢に大きく影響を与える可能性のある結果になる可能性がある。

この言葉がよく使われる場面としては、学問を広く深く修めたことを意味する時などが挙げられます。

例文2の「碩学の徒」の徒には、その仲間や同類の人といった意味があるため、「碩学の徒」という表現で知識や教養が幅広くて深い人という意味になります。

例文3のような碩学の使い方であれば、例文2の「徒」という言葉は必要ありません。また、碩学には学問に通じている人という意味があるため「碩学者」という表現をすることはできません。

博学の例文

1.彼はコミュニケーション能力が高いというだけで話がうまいのではなく、博学であるからこそ話が弾むのだと気が付いた。
2.レオナルド・ダ・ヴィンチは、画家であり、彫刻家であり、解剖学者であり、天文学者であり、その他の分野でも名が挙がるほどの博学者である。
3.博学になるには、様々なことに目を向けて、情報を集めて知識として蓄えていく必要があり、一日二日でなれるものではない。

この言葉がよく使われる場面としては、様々な分野にわたって広い知識を持っていることを意味する時などが挙げられます。

例文2の「博学者」とは、一つの分野ではなく様々な事柄や分野に通じていて優れた学識を持った人を意味する言葉になります。心理学や倫理学で有名なアリストテレス、哲学や教育学、数学で有名なイマヌエル・カントなど、多くの博学者が存在しました。

顕学の例文

1.その大学の顕学である先生はニュースのコメンテーターとしても活動しており、忙しくしているようだった。
2.時代や環境によって顕学と呼ばれる分野は変わってくるため、本当に自分が興味のある学問の研究をしたい。
3.顕学と言われるようになれど、一時的なものであると思って、常日頃から知識の吸収を怠らないようにしたい。

この言葉がよく使われる場面としては、有名な学問や有名な学者を意味する時などが挙げられます。

例文1や例文3の「顕学」は有名な学者を意味する言葉として、例文2の「顕学」は有名な学問そのものを意味する言葉として使われています。人を表す意味も含まれているこの言葉は、「顕学者」のような表現をすることはできません。

碩学と博学と顕学どれを使うか迷った場合は、広く深く学問を修めることや修めた人を表す場合には「碩学」を、多種多様な学問に通じていることを表す場合は「博学」を、有名な学問や学者を表す場合は「顕学」を使うと覚えておけば間違いありません。

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