同じ「たいしょほう」という読み方の「対処方」と「対処法」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「対処方」と「対処法」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「対処方」と「対処法」の違い
「対処方」は「対処法」の間違い
「対処方」と「対処法」の違いを分かりやすく言うと、「対処方」とは「対処法」の間違った使い方、「対処法」とは発生した問題などを適切に処理するための方法のことです。
「対処方」は誤字
一般的には「対処方」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「対処法」のことを間違えて「対処方」を使っている人がほとんどです。
「対処法」は正しい日本語
正しい言葉である「対処法」を使った分かりやすい例としては、「これの対処法を教えてください」「今回の事態は例外的な対処法を行なう必要があります」「問題に対しての対処法を考えることが大切です」「それの対処法を教えていただけますか」などがあります。
「対処法」という言葉はあっても、「対処方」という言葉は存在しません。同時に「対処法」という単語の意味について「発生した問題などを適切に処理するための方法のこと」と覚えておきましょう。
「対処法」の英語表記
「対処法」を英語にすると「solution」「way to handle it」「sourse of action」となり、例えば上記の「それの対処法を教えていただけますか」を英語にすると「Could you please tell me the way to handle it」となります。
「対処方」の意味
「対処方」とは
「対処方」とは、「対処法」の間違った使われ方です。
「対処方」が間違っている理由
「対処方」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「対処法」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「対処方」と「対処法」を間違ってしまう理由としては、「方」と「法」の読み方が同じなのが原因です。ただし、正しい日本語は「対処法」になります。
ではなぜ「対処方」が間違った言葉かというと、「方」と「法」の意味の違いです。「方」は方角、 部門や分野を漠然と指すこと、二つ以上あるもののうちの一つをとりあげて指すこと、どちらかといえばこちらだという部類のこと、処方のことを意味で使います。
一方、「法」は現象や事象などがそれに従って生起し進展するきまりのこと、法律のこと、集団生活においてその秩序を維持するために必要とされる規範のこと、物事をする定まったやり方のことの意味で使われている言葉です。
つまり、発生した問題などを適切に処理するための方法のことを意味する「対処法」は物事をする定まったやり方のことの意味する「法」を使用するのが正しい日本語になります。
もし、「方」という漢字を使いたければ「対処方」ではなく、「対処方法」などにすれば使うことが可能です。
「対処法」の意味
「対処法」とは
「対処法」とは、発生した問題などを適切に処理するための方法のことを意味しています。
表現方法は「対処法を講じる」「対処法を教えてください」
「対処法を講じる」「対処法を教えてください」などが、「対処法」を使った一般的な言い回しになります。
「対処法」の使い方
「対処法」を使った分かりやすい例としては、「感情的になりやすいお客様への対処法を教えてください」「現在この問題への対処法を考えているところです」「労災が認められなかった時の対処法を教えてください」「熊に出会った時の対処法を教えてください」などがあります。
「対処法」はある事柄や状況に合わせて適当な処置をとることを意味する「対処」に、物事をする定まったやり方のことを意味する「法」が合わさり、発生した問題などを適切に処理するための方法のことの意味で使われている言葉です。
「対処法」は出来事や変化などに対して相応しい処理をする場合に使う言葉なので、ビジネスシーンや日常生活など、様々な場面において使用することができます。
また、「対処法」は口頭などの話し言葉だけでなく、メールなどの書き言葉としても使うことができると覚えておきましょう。
「対処法」の類語
「対処法」の類語・類義語としては、相手の態度や事件の状況に対応するための方法のことを意味する「対策」、周囲の状況などに合わせて事をすることを意味する「対応」、急場の間に合わせにとりあえず施す処置や手当てのことを意味する「応急処置」などがあります。
「対処方」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「対処法」という言葉を間違えて「対処方」と表現している時などが挙げられます。
「対処方」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「対処法」を間違えて使っている可能性が高いです。
「対処方」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「対処方」ではなく、「対処法」と表現するのが正しい使い方になります。
「対処法」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、発生した問題などを適切に処理するための方法のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「対処法」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「対処方」と「対処法」どちらを使うか迷った場合は、「対処方」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「対処法」を使うようにしましょう。