【何としても】と【何としてでも】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「何としても」(読み方:なんとしても)と「何としてでも」(読み方:なんとしてでも)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「何としても」と「何としてでも」という言葉は、どちらもどうやってでものことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「何としても」と「何としてでも」の違い

「何としても」と「何としてでも」の意味の違い

「何としても」と「何としてでも」の違いを分かりやすく言うと、「何としても」は打消しの形で使える、「何としてでも」は打消しの形で使えないという違いです。

「何としても」と「何としてでも」の使い方の違い

一つ目の「何としても」を使った分かりやすい例としては、「何としても今年中にリリースする予定です」「私は何としても煙草を辞めるつもりです」「何としても戦争になるこことだけは避けなければなりません」「何としても彼女に会いたいです」などがあります。

二つ目の「何としてでも」を使った分かりやすい例としては、「私たちは何としてでも彼女を説得しなければなりません」「何としてでも彼との約束を守らなければいけません」「何としてでもこのプロジェクトはやり遂げたいです」などがあります。

「何としても」と「何としてでも」の使い分け方

「何としても」と「何としてでも」はどちらもどちらもどうやってでものことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「何としても」はどうやってでものことの意味の他にどうやってみてものことの意味を持っており、打消しの形で使うことができます。

一方、「何としてでも」はどうやってでものことの意味しか持っておらず、打消しの形で使えないというのが違いです。

打消しの形の分かりやすい例を挙げると、「何としても」は「何としても勝てない」という言い回しを使うことができますが、「何としてでも」は「何としてでも勝てない」と言い回しを使うことはできません。

「何としても」と「何としてでも」の英語表記の違い

「何としても」も「何としてでも」も英語にすると「no matter what」「come hell or high water」「at all costs」「となり、例えば上記の「何としても彼女に会いたいです」を英語にすると「I must see her no matter what」となります。

「何としても」の意味

「何としても」とは

「何としても」とは、どうやってでものことを意味しています。その他にも、どうやってみてものことの意味も持っています。

表現方法は「何としても退かない」「何としても勝つ」

「何としても退かない」「何としても勝つ」などが、「何としても」を使った一般的な言い回しになります。

「何としても」の使い方

「何としても彼との約束だけは守ります」「私は何としても目的を果たさなければなりません」などの文中で使われている「何としても」は、「どうやってでものこと」の意味で使われています。

一方、「あのチームには何としても勝てない」「彼には何としても相手にならない」などの文中で使われている「何としても」は、「どうやってみてものこと」の意味で使われています。

「何としても」はどうやってでものことと、どうやってみてものことの二つの意味を持つ慣用句です。慣用句とは二語以上の単語が結合して、それ全体である特定の意味を表す言葉のことを指しています。

「何としても」のどうやってでものことの意味は必ずという強い意志を持って使います。そのため、ニュアンス的にはプラスのイメージを伴っています。また、基本的はこちらの意味で使うことが多いと覚えておきましょう。

「何としても」をどうやってみてものことの意味で使う場合は、「〇〇ない」の打消しの形で使うのが一般的です。そのため、肯定の形で使うことはありません。

「何としても」の類語

「何としても」の類語・類義語としては、どんなことがあってものことを意味する「何がなんでも」、確実な推量または強い意志や要請を表すことを意味する「必ず」、何がどうあってものことを意味する「絶対」などがあります。

「何としてでも」の意味

「何としてでも」とは

「何としてでも」とは、あらゆる手段を尽くしてものことを意味しています。

表現方法は「何としてでも勝ちたい」「何としてでも手に入れたい」

「何としてでも勝ちたい」「何としてでも手に入れたい」などが、「何としてでも」を使った一般的な言い回しになります。

「何としてでも」の使い方

「何としてでも」を使った分かりやすい例としては、「何としてでもこのチームで勝ちたいです」「明日までに何としてでも課題を終わらせなければいけません」「何としてでもプロサッカー選手になりたいです」「彼女のことは何としてでも守りたいです」などがあります。

「何としてでも」はあらゆる手段を尽くしてものことを意味する慣用句です。

「何としてでも」はビジネスシーンや日常生活、スポーツシーンなど、様々な場面で使うことができると覚えておきましょう。

「何としてでも」の注意点

「何としてでも」を使う上で注意しなければならないのは、「何としてでも〇〇ない」という打消しの形では使えないという点です。もし、打消しの形で使いたいのであれば、類語である「何としても」を使うのが適しています。

「何としてでも」の類語

「何としてでも」の類語・類義語としては、どんな困難も乗り越えて実行しようとすることを意味する「是非とも」、物事を最後までやり通すことを意味する「飽くまで」などがあります。

「何としても」の例文

1.そろそろ結婚を考える時期なので、何としてもギャンブルは辞めないといけません。
2.戦争の先は暗い未来しかないので、何としても避けなければなりません。
3.何としてもあのゲームを手に入れたいので、徹夜で並ぶことにしました。
4.私は父親として、何としても娘を守ると心に誓いました。
5.色々試行錯誤してみたものの、あのチームには何としても勝てないです。

この言葉がよく使われる場面としては、どうやってでものことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、どうやってみてものことを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「何としても」はどうやってでものこと、例文5の「何としても」はどうやってみてものことの意味で使っています。

「何としてでも」の例文

1.夜は予定が入っているので、何としてでも定時で仕事を終わらせたいです。
2.何としてでも彼女と付き合いたいので、今自分に出来ることを全てやることにしました。
3.今年で高校野球は終わりなので、何としてでもレギュラーを勝ち取りたいです。
4.何としてでもあの絵を手入れたかったので、色々なところからお金をかき集めました。
5.何としてでも漫画になるために、寝る間を惜しんで描き続けています。

この言葉がよく使われる場面としては、あらゆる手段を尽くしてものこを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「何としてでも」は様々な場面において使うことができる言葉です。

「何としても」と「何としてでも」はどちらもどうやってでものことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、打消しの形で使えるのが「何としても」、打消しの形で使えないのが「何としててでも」と覚えておきましょう。

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