似た意味を持つ「小さい」(読み方:ちいさい)と「小さな」(読み方:ちいさな)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「小さい」と「小さな」という言葉は、どちらも数量や程度や占める割合などが少ないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「小さい」と「小さな」の違い
「小さい」と「小さな」の意味の違い
「小さい」と「小さな」の違いを分かりやすく言うと、「小さい」は述語や連用修飾語としても使える、「小さな」は名詞としか使えないという違いです。
「小さい」と「小さな」の使い方の違い
一つ目の「小さい」を使った分かりやすい例としては、「彼はとても気が小さいです」「私は小さい過ちを犯しました」「周りに聞こえないように小さい声で話す」「彼女のことは小さい時から知っています」「その事業は小さいところから出発しました」などがあります。
二つ目の「小さな」を使った分かりやすい例としては、「私は長崎の小さな村の出身です」「両親が寝ているので小さな声で話しました」「小さな女の子が泣いていたので声をかけました」「彼は小さなことですぐ大騒ぎをする」などがあります。
「小さい」と「小さな」の使い分け方
「小さい」と「小さな」はどちらも数量や程度や占める割合などが少ないことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「小さい」は「声が小さい」「小さく声を出す」などように、述語や連用修飾語としても使うことができます。述語とは、主語についてその動作、作用、性質、状態などを叙述するもののことを意味しています。連用修飾語とは、用言を修飾する修飾語のことを意味しています。
一方、「小さな」は「小さな家」「小さな幸せ」などのように、「小さな」+名詞の形でしか使うことができないというのが違いです。
つまり、述語や連用修飾語としても使えるのが「小さい」、名詞としか使えないのが「小さな」と覚えておきましょう。
「小さい」と「小さな」の英語表記の違い
「小さい」も「小さな」も英語にすると「small」「little」「young」「slight」となり、例えば上記の「その事業は小さいところから出発しました」を英語にすると「The enterprise started from small beginnings」となります。
「小さい」の意味
「小さい」とは
「小さい」とは、物の形、容積、面積が狭い空間や場所しか占めていないことを意味しています。
その他にも、量や数が少ないこと、程度がわずかであること、規模が普通以下であること、範囲が狭いこと、心が狭いこと、重要ではないこと、年齢が少ないこと、卑下した状態であること、金銭の単位が下であることの意味も持っています。
表現方法は「小さい意思」「小さいもの」「小さい人」
「小さい意思」「小さいもの」「小さい人」などが、「小さい」を使った一般的な言い回しになります。
「小さい」の使い方
「資金があまりないので小さい家しか買えませんでした」「これは利幅が小さい商売です」などの文中で使われている「小さい」は、「物の形、容積、面積が狭い空間や場所しか占めていないことや量や数が少ないこと」の意味で使われています。
一方、「この時期は朝晩の温度差が小さいです」「小さい会社をいつか大きくするのが目標です」などの文中で使われている「小さい」は、「程度がわずかであることや規模が普通以下であること」の意味で使われています。
「小さい」は複数の意味を持つ形容詞です。形容詞とは、物事の状態や性質がどのようであるかを表現する際に使う言葉になります。
「小さい」の特徴
「箱が小さい」「画面が小さい」などのように物理的なものだけではなく、「年齢が小さい」「影響が小さい」などのように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。
また、「小さい」は述語や連用修飾語としても使えるというのが特徴の一つになります。
「小さい」の対義語
「小さい」の対義語・反対語としては、ある物の形、容積、面積などが広い空間や場所を占めていることを意味する「大きい」があります。
「小さい」の類語
「小さい」の類語・類義語としては、形が小さいことを意味する「小型」、わずかな分量のことを意味する「少量」、数量がやや少ないくらいであることを意味する「少なめ」、年齢が若いことを意味する「幼い」などがあります。
「小さな」の意味
「小さな」とは
「小さな」とは、容積、面積が狭い空間、場所だけを占めることを意味しています。その他にも、数や数量が少ないこと、程度が少ないこと、規模がわずかであること、価値や重要性が乏しいこと、年少であることの意味も持っています。
表現方法は「小さな意思」「小さなこと」
「小さな意思」「小さなこと」などが、「小さな」を使った一般的な言い回しになります。
「小さな」の使い方
「字の小さな本は見にくいです」「親に聞こえないように小さな声ではなす」などの文中で使われている「小さな」は、「容積、面積が狭い空間、場所だけを占めることや数や数量が少ないこと」の意味で使われています。
一方、「小さな被害で済んで良かったです」「村の小さな集まりに出席しました」などの文中で使われている「小さな」は、「程度が少ないことや規模がわずかであること」の意味で使われています。
「小さな」は複数の意味を持つ形容動詞です。基本的に連体形として使うのが一般的になります。
「小さな」の特徴
「小さな」は「小さなかばん」「小さな画面」などのように物理的なものだけではなく、「小さな幸せ」「小さな問題」などのように、抽象的なものに対しても使うことができるというのが特徴です。
「小さな」の注意点
「小さな」を使う上で注意しなければならないのは、「小さな」+名詞の形で、名詞とセットでしか使えないという点です。したがって、「小さな荷物」とすることができますが、「荷物が小さな」とすることはできません。
「小さな」の対義語
「小さな」の対義語・反対語としては、容積、面積が広い空間、場所を占めることを意味する「大きな」があります。
「小さな」の類語
「小さな」の類語・類義語としては、作りが小さいことを意味する「小作り」、極小さいことを意味する「ちっぽけ」、数量、程度、価値、時間などがほんのすこしであることを意味する「わずか」などがあります。
「小さい」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物の形、容積、面積が狭い空間や場所しか占めていないことを表現したい時などが挙げられます。
その他にも、量や数が少ないこと、程度がわずかであること、規模が普通以下であること、範囲が狭いこと、心が狭いこと、重要ではないこと、年齢が少ないこと、卑下した状態であること、金銭の単位が下であることを表現したい時にも使います。
例文1は物の形、容積、面積が狭い空間や場所しか占めていないこと例文2は程度がわずかであること、例文3は規模が普通以下であること、例文4は重要ではないこと、例文5は年齢が少ないことの意味で使っています。
「小さな」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、容積、面積が狭い空間、場所だけを占めることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、数や数量が少ないこと、程度が少ないこと、規模がわずかであること、価値や重要性が乏しいこと、年少であることを表現したい時にも使います。
例文1は容積、面積が狭い空間、場所だけを占めること、例文2は数や数量が少ないこと、例文3は程度が少ないこと、例文4は価値や重要性が乏しいこと、例文5は年少であることの意味で使っています。
「小さい」と「小さな」はどちらも数量や程度や占める割合などが少ないことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、述語や連用修飾語としても使えるのが「小さい」、名詞としか使えないのが「小さな」と覚えておきましょう。