【ロマンス】と【ロマン】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ロマンス」と「ロマン」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ロマンス」と「ロマン」という言葉は、「冒険的要素の強い物語」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




ロマンスとロマンの違い

ロマンスとロマンの意味の違い

ロマンスとロマンの違いを分かりやすく言うと、ロマンスは恋愛を重視した表現として使い、ロマンは憧れを重視した表現として使うという違いです。

ロマンスとロマンの使い方の違い

一つ目のロマンスを使った分かりやすい例としては、「おすすめのロマンス小説を読んだが見事にハマってしまった」「ラブロマンス映画の中でも人気の作品を観ることになった」「最近読んだロマンス洋書は切ない恋物語だった」などがあります。

二つ目のロマンを使った分かりやすい例としては、「科学者のロマンは分野によって異なるが、未知を知ることが大きな割合を占めていると思う」「ロマンを掻き立てるような要素が多い」「歴史には大きなロマンを感じる」などがあります。

ロマンスとロマンの使い分け方

ロマンスとロマンはどちらも、冒険的であり空想的な物語を表す言葉ですが、重視する要素が異なります。

ロマンスは、空想的な要素の強い物語を意味し、上記例文の「ラブロマンス映画」「ロマンス洋書は切ない恋物語」などのように、男女の恋愛に関する事柄や恋愛小説を表す言葉としても使われています。

一方のロマンも、ロマンス同様に空想の物語を意味しますが、上記例文の「科学者のロマン」「ロマンを掻き立てる」「ロマンを感じる」などのように、冒険などへの強いあこがれや夢を表す言葉として使われています。

つまり、ロマンスは恋愛を重視した表現であり、ロマンはあこがれや夢を重視した表現であるという違いがあります。

ロマンスとロマンの英語表記の違い

ロマンスとロマンを英語にすると「romance」となり、例えば上記の「ロマンス小説」を英語にすると「a romance novel」となり、「科学者のロマン」を英語にすると「the scientist’s romance」となります。

ロマンスの意味

ロマンスとは

ロマンスとは、空想的な要素の強い物語を意味しています。

その他にも、男女の恋愛に関する事柄や恋愛小説を意味する言葉として使われています。

ロマンスの使い方

「ロマンスの中でも王道の騎士道物語ばかり読んでいる」「ゴシック・ロマンスは18世紀末以降に流行したジャンルだ」「幻想的なロマンス小説を求めている」などの文中で使われているロマンスは、「空想の物語」の意味で使われています。

一方、「ロマンス映画を恋人と一緒に観ることになった」「ロマンスに出てくる女性に感情移入してしまう」「ラブロマンスはあまり読んだことがない」などの文中で使われているロマンスは、「恋愛物語」の意味で使われています。

ロマンスとは英語で「romance」と表記され、「小説的な事件」「作り話」「ロマンチックな雰囲気」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われており、男女の恋愛関係に関する事柄を指す言葉としても使われています。

ロマンスの語源

古代ローマの公用語であるラテン語に対して、口語の俗ラテン語であるロマンス語が使われるようになり、ロマンス語によって書かれた物語を「ロマンス」と呼ぶことから、「大衆向けの物語」を指すようになりました。

これがさらに転じて、空想的要素の強い物語や騎士物語、恋愛小説などの娯楽小説を指すようになり、今日でも恋愛関係を題材とした物語を表す言葉として多く使われています。

ロマンスの対義語

ロマンスの対義語・反対語としては、創作ではなく事実に基づいた作品を意味する「ノンフィクション」があります。

ロマンスの類語

ロマンスの類語・類義語としては、想像力によって作り上げられた架空の物語を意味する「フィクション」、壮大な歴史物語や冒険物語を意味する「サーガ」、架空のお話を意味する「テール」などがあります。

ロマンの意味

ロマンとは

ロマンとは、夢や冒険などへの強いあこがれを意味しています。
その他にも、

ロマンの使い方

ロマンを使った分かりやすい例としては、「歴史的な遺物にはロマンが詰まっていると言っても過言ではない」「ロマンたっぷりな洋服を身にまとうだけで気分が上がる」「冒険心をくすぐるようなロマンはなかなか見つからない」などがあります。

その他にも、「ロマンがある夢を子どもから聞いて応援したいと思った」「ロマン溢れる冒険譚は聞いているだけでわくわくする」「宇宙にロマンを感じ始めてから勉強に身が入った」「ロマンを求めることの何が悪いのだろうか」などがあります。

ロマンは英語で「roman」と表記され、「ローマ人」「古代ローマの」といった意味を持ちます。日本語として使われる場合には同様の意味で使われることはなく、「浪漫」と表記されることもあります。

ロマンの語源

俗ラテン語であるロマンス語によって書かれた物語を「ロマンス」と呼び、「大衆向けの物語」を指していたことから、ロマンス語で書かれた作品ではない娯楽小説などの物語作品を「ロマン」と呼ぶようになりました。

「ロマン主義」の意味

上記例文の「ロマン主義」とは、感情や自由、主観を重視し、自然との一体感や神秘的体験、無限であるものへのあこがれなどを表現する考え方や芸術運動を指す言葉です。古典主義や合理主義に対抗する形で成立しました。

表現方法は「ロマンがある」「ロマン溢れる」「ロマンを感じる」

今日では、「ロマンがある」「ロマン溢れる」「ロマンを感じる」「ロマンを求める」などのように使われ、希望や夢が感じられる様子や強いあこがれを意味する言葉として使われています。

ロマンの類語

ロマンの類語・類義語としては、写実性の高い小説を意味する「ノベル」、夢想や空想を意味する「ドリーム」、そうあってほしいと思う最高の状態を意味する「理想」、願い望むことを意味する「願望」などがあります。

ロマンスの例文

1.ロマンスではないドラマであるノンフィクションものは特別番組などでたまに見るくらいだ。
2.ロマンス小説の中でも騎士物語が好きで、最後はハッピーエンドだとさらに嬉しくなる。
3.友人に勧められたロマンスストーリーの中でも面白かったのは日本の古典文学が含まれていたことだ。
4.ロマンス詐欺とは、恋愛感情を抱かせた上で金品をだまし取る手口を用いた詐欺である。
5.ラブロマンスに興味があると言っていた彼と一緒に映画を観ることになった。

この言葉がよく使われる場面としては、空想的な要素の強い物語を意味する時などが挙げられます。

例文3から例文5のように、恋愛を題材とした物語や恋愛関係を意味する言葉としても使われています。

ロマンの例文

1.男のロマンと呼ばれているようなものや話が好きな女だが、確かに同じ女性にはなかなか理解されない。
2.知れば知るほどロマンがたっぷりなものは、見方や伝え方を変えれば受け取る層も異なるのだと知った。
3.宇宙の始まりを知りたいと思うくらいにはロマンが詰まっていると感じたのだろうと思う。
4.ロマンを追い求める人は現実主義者にとって馬鹿馬鹿しいのかもしれないが、現実ばかり見ていてはつまらないと思う。
5.ロマンあふれる家具ばかり揃えていたが実用性のないものばかり集まってしまい困る場合もある。

この言葉がよく使われる場面としては、夢や冒険などへの強いあこがれを意味する時などが挙げられます。

例文1の「男のロマン」とは、女性にとって理解できないような男性にとっての憧れを表す言葉です。

ロマンスとロマンは、どちらも「冒険的要素の強い物語」を表します。どちらを使うか迷った場合は、恋愛を重視した表現である場合は「ロマンス」を、憧れを重視した表現である場合は「ロマン」を使うと覚えておけば間違いありません。

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