【前面的】と【全面的】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「ぜんめんてき」という読み方の「前面的」と「全面的」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「前面的」と「全面的」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「前面的」と「全面的」の違い

「前面的」は「全面的」の間違い

「前面的」と「全面的」の違いを分かりやすく言うと、「前面的」とは「全面的」の間違った使い方、「全面的」とは全ての方面にわたることです。

「前面的」は誤字

一般的には「前面的」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が同じなことから、「全面的」のことを間違えて「前面的」を使っている人がほとんどです。

「全面的」は正しい日本語

正しい言葉である「全面的」を使った分かりやすい例としては、「彼は違法賭博への関与を全面的に否定しています」「彼らから全面的な協力を得ることができました」「私はあなたの意見に全面的に同意します」「あのスポーツクラブは全面的にリニューアルされました」などがあります。

「全面的」という言葉はあっても、「前面的」という言葉は存在しません。同時に「全面的」という単語の意味について「全ての方面にわたること」と覚えておきましょう。

「全面的」の英語表記

「全面的」を英語にすると「fully」となり、例えば上記の「あのスポーツクラブは全面的にリニューアルされました」を英語にすると「That sports club has been redesigned fully」となります。

「前面的」の意味

「前面的」とは

「前面的」とは、「全面的」の間違った使われ方です。

「前面的」が間違っている理由

「前面的」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が同じなため、「全面的」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。

「前面的」と「全面的」を間違ってしまう理由としては、「前面的」と「全面的」の読み方が同じなので、勘違いして覚えてしまっているのが原因です。正しい日本語は「全面的」なので間違えないように注意しましょう。

ではなぜ「前面的」が間違った言葉かというと、「前」と「全」の意味の違いです。

「前」は正面の方や空間的に前のことを意味している言葉なので、「前面的」とすると前の方を意味する言葉になります。

一方、「全」は 欠けたところがないことや全てであることを意味する言葉なので、「全面的」とすると全ての方面にわたることを意味する言葉になります。

したがって、全ての方面にわたることの意味する「全面的」は「全」の方を使うのが正しいと覚えておきましょう。

「前面的」の間違った使い方

もし、間違った言葉である「前面的」を使って「彼女のことは前面的にサポートする」「彼の意見に前面的に同意します」などとしてしまうと、「彼女ことを前の方からサポートする」「彼の意見を前の方から同意する」などのような意味不明な日本語になるので注意が必要です。

「全面的」の意味

「全面的」とは

「全面的」とは、全ての方面にわたることを意味しています。

表現方法は「全面的に悪い」「全面的に協力する」「全面的にサポート」

「全面的に悪い」「全面的に協力する」「全面的にサポート」「全面的に同意」などが、「全面的」を使った一般的な言い回しになります。

「全面的」の使い方

「全面的」を使った分かりやすい例としては、「今回の件は全面的に私が悪いんです」「彼のことは全面的にサポートするつもりです」「ホームページを全面的にリニューアルしました」「あなたの意見に全面的に賛成します」などがあります。

「全面的」は全ての方面にわたることを意味する形容動詞です。活用のある自立語で文中において単独で述語になることができる言葉になります。

「全面的」は日常生活、ビジネスシーン、スポーツシーンなど、様々な場面において使うことができる言葉です。

「全面的」はその名の通り、部分ではなく全てにおいてということを表現したい場合に使います。そのため、全てではない場合には使うことができないと覚えておきましょう。

「全面的」の特徴

「全面的」はプラスのイメージとマイナスのイメージどちらでも使うことができることが特徴です。前後に使う言葉によって、どちらのイメージにも成り得ると覚えておきましょう。

例えば、「彼のことは全面的に応援します」とするとプラスのイメージになりますし、「彼女ことは全面的に信頼できません」とするとマイナスのイメージになります。

「全面的」の類語

「全面的」の類語・類義語としては、全体をとりまとめて締めくくることを意味する「総括的」、物事の全体のことを意味する「全般的」などがあります。

「前面的」の例文

1.「前面的」という言葉は存在しないので、おそらく「全面的」の言い間違いだろう。
2.「全面的」という言葉は全ての方面にわたることで、「前面的」という言葉はない。
3.「前面的」という言葉は、今のところ間違いだとされているが、多くの人が使うようになれば馴染んでくるのかもしれない。
4.彼のことは前面的に信頼しておりますという言葉を使う人はいるが、正しくは彼のことは全面的に信頼しておりますです。
5.彼女の考えに全面的に同意しますという言葉はあるが、彼女の考えに前面的に同意しますという言葉はない。

この言葉がよく使われる場面としては、「全面的」という言葉を間違えて「前面的」と表現している時などが挙げられます。

「前面的」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「全面的」を間違えて使っている可能性が高いです。

「前面的」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「前面的」ではなく、「全面的」と表現するのが正しい使い方になります。

「全面的」の例文

1.安全性への懸念を理由に、輸入を全面的に禁止することにしました。
2.子供の夢を全面的に応援するのが、親というものだと思っています。
3.私たちのチームに所属したからには、全面的にサポートすることをお約束いたします。
4.彼は初公判で、私は犯人ではないと容疑を全面的に否定しています。
5.本プロジェクトの方針については、全面的に賛同いたします。

この言葉がよく使われる場面としては、全ての方面にわたることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「全面的」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。

「前面的」と「全面的」どちらを使うか迷った場合は、「前面的」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「全面的」を使うようにしましょう。

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