似た意味を持つ「反復」(読み方:はんぷく)と「繰り返し」(読み方:くりかえし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「反復」と「繰り返し」という言葉は、どちらも同じことを何回も行うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「反復」と「繰り返し」の違い
「反復」と「繰り返し」の意味の違い
「反復」と「繰り返し」の違いを分かりやすく言うと、「反復」はマイナスのイメージでは使えない、「繰り返し」はマイナスのイメージでも使えるという違いです。
「反復」と「繰り返し」の使い方の違い
一つ目の「反復」を使った分かりやすい例としては、「同じセリフを反復して覚えてました」「新しい作業を反復して教える」「お気に入りのメロディーを反復する」「物事の上達への近道は反復練習です」「彼女の言い方は変わっても同じことの反復に過ぎない」などがあります。
二つ目の「繰り返し」を使った分かりやすい例としては、「投球練習を繰り返し行いました」「彼は同じ失敗を何度も繰り返している」「歴史は繰り返しになることもある」「彼女の人生は失敗の繰り返しであった」「この歌は繰り返しが多すぎます」などがあります。
「反復」と「繰り返し」の使い分け方
「反復」と「繰り返し」はどちらも同じことを何回も行うことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
結論から言ってしまうと、「反復」はマイナスのイメージで使えないのに対して、「繰り返し」はマイナスのイメージでも使えるという点になります。
ではなぜ、「反復」がマイナスのイメージで使えないかというと、「反復」は必ず主体の意志で行われる行為なので、マイナスの価値を持っている「失敗」「離婚」「倒産」などと一緒に用いることができないからです。
一方、「繰り返し」は主体の意志とは無関係な行為にも用いられるので、「同じ失敗を何度も繰り返している」のように、マイナスのイメージでも制限なく使うことができます。
「反復」と「繰り返し」の英語表記の違い
「反復」を英語にすると「repetition」「repeat」となり、例えば上記の「彼女の言い方は変わっても同じことの反復に過ぎない」を英語にすると「she is only repeating herself, though in different terms」となります。
一方、「繰り返し」を英語にすると「repetition」となり、例えば上記の「この歌は繰り返しが多すぎます」を英語にすると「There is too much repetition in this song」となります。
「反復」の意味
「反復」とは
「反復」とは、同じことを何度も繰り返すことを意味しています。
表現方法は「反復する」「反復運動」
「反復する」「反復運動」などが、「反復」を使った一般的な言い回しになります。
「反復」の使い方
「反復」を使った分かりやすい例としては、「英単語を反復して覚える」「反復練習することはとても大切です」「この映画は反復して視聴する価値があります」「私はこの本を反復熟読しました」「反復運動を行ないました」などがあります。
「反復」は同じことを何度も繰り返すことを意味する名詞です。
「反復」は日常生活、ビジネスシーン、スポーツシーンなど、様々な場面において使うことができます。
「反復」の注意点
「反復」を使う上で注意しなければならないのは、マイナスのイメージで使えないという点です。なぜなら、「反復」は必ず主体の意志で行われる行為なので、マイナスの価値を持っている「失敗」「離婚」「倒産」などと一緒に用いることができないからです。
「反復」の類語
「反復」の類語・類義語としては、繰り返すことを意味する「ループ」、何度も繰り返し行われることを意味する「度々」、同じようなことが繰り返されることを意味する「重ね重ね」、何度も繰り返すことを意味する「幾重にも」などがあります。
「繰り返し」の意味
「繰り返し」とは
「繰り返し」とは、同じことを何回も行うことを意味しています。
表現方法は「繰り返し記号」「繰り返し表現」
「繰り返し記号」「繰り返し表現」などが、「繰り返し」を使った一般的な言い回しになります。
「繰り返し」の使い方
「繰り返し」を使った分かりやすい例としては、「単調な作業を繰り返し行いました」「彼女の元へ繰り返し足を運びお付き合いするように懇願しました」「彼女は同じ過ちを繰り返しました」「納得の行く結果が出るまで試行錯誤を繰り返し行う」などがあります。
「繰り返し」は同じことを何回も行うことを意味する名詞です。
「繰り返し」は日常生活、ビジネスシーン、スポーツシーンなど、様々な場面において使うことができます。
「繰り返し」の特徴
「繰り返し」は主体の意志とは無関係な行為にも用いられるので、「彼は同じ過ちを何度も繰り返している」のように、マイナスのイメージでも制限なく使うことができます。
「繰り返し」の類語
「繰り返し」の類語・類義語としては、ある動作が二度も三度も行われることを意味する「再三」、再び行われることを意味する「再度」などがあります。
「反復」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じことを何度も繰り返すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「反復」はマイナスのイメージでは使うことができない言葉です。
「繰り返し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じことを何回も行うことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「繰り返し」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うことができる言葉です。
「反復」と「繰り返し」はどちらも同じことを何回も行うことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、マイナスのイメージで使えないのが「反復」、マイナスのイメージでも使えるのが「繰り返し」と覚えておきましょう。