【混雑】と【渋滞】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「混雑」(読み方:こんざつ)と「渋滞」(読み方:じゅうたい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「混雑」と「渋滞」という言葉は、どちらも道路の状況を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




混雑と渋滞の違い

混雑と渋滞の違いを分かりやすく言うと、混雑とは道路が混み合っている状態、渋滞とは混雑して車が前に進めない状態という違いです。

一つ目の混雑を使った分かりやすい例としては、「電車の混雑時を避けるために早起きする」「三連休は道路の渋滞や混雑が予想されます」「ディズニーシーの混雑予想カレンダーを確認する」「実際の混雑状況と異なる場合がございます」などがあります。

二つ目の渋滞を使った分かりやすい例としては、「行楽地からの帰りに交通渋滞に巻き込まれてしまった」「お盆期間の中央道の渋滞予測を調べています」「無理なスケジューリングは仕事の渋滞を引き起こします」などがあります。

混雑と渋滞という言葉は、どちらも道路の交通情報で用いられ、車の流れが悪いことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

混雑とは、物事が無秩序に入りまじることを意味します。交通状況における混雑とは、多くの車両などがあって思うように身動きできなくなることを言います。日本道路交通センターでは、一般道路において時速20km以下の状態を「混雑」と定義しています。

渋滞とは、物事がとどこおって、すらすらと進行しないことを意味します。交通状況における渋滞とは、車の流れが悪くなりノロノロ運転や停車をせざるを得ない状況を指す言葉です。日本道路交通センターでは、一般道路において時速10km以下の状態を「渋滞」と定義しています。

つまり、道路の状況において、混雑とは秩序なく混み合っている状態であり、渋滞とは混雑してすらすらと進まないことを意味します。二つの言葉を比べると、混雑よりも渋滞の方が、進行する速度が遅いことを表現していると言えるでしょう。

混雑を英語にすると「confusion」「congestion」「rush」となり、例えば上記の「混雑時を避ける」を英語にすると「avoid the rush」となります。

一方、渋滞を英語にすると「delay」「congestion」「jam」となり、例えば上記の「交通渋滞に巻き込まれる」を英語にすると「be caught in a traffic jam」となります。

混雑の意味

混雑とは、物事が無秩序に入りまじることを意味しています。

その他にも、「たくさんの人が集まって込み合うこと」「もめごとがあること、ごたごたすること、いざこざ」の意味も持っています。

「ネット上には様々な情報が混雑している」「不安と期待が混雑する複雑な心境です」「温かい日と寒い日が混雑する季節になりました」の文中で使われている混雑は、「物事が無秩序に入りまじること」の意味で使われています。

一方、「混雑する時間帯を避けて英語のレッスンを予約する」「ユニバの混雑予想を検索する」の文中で使われている混雑は「たくさんの人が込み合うこと」の意味で、「職場が人事問題で混雑している」の文中で使われている混雑は「もめごとがあること」の意味で使われています。

混雑とは、上記の例文にあるように、複数の意味を持ちますが、一般的には「たくさんの人が集まって込み合うこと」の意味で用いられる言葉です。混雑の「混」と「雑」はどちらも訓読みで「まじる」と読み、異なるものが互いに入りまじることを表す漢字です。

混雑を用いた日本語には「混雑率」があります。混雑率とは、ある空間の混み具合を意味し、特に、通勤や通学列車におけるラッシュ時の混雑の度合いを表します。座席と吊り革が全部使用されており、扉付近に数人が立っている状態を100パーセントとして計算されます。

混雑の対義語・反対語としては、ひっそりと静まりかえっていることを意味する「閑散」などがあります。

混雑の類語・類義語としては、たくさんの人がいて込み合っていることを意味する「人込み」、多数の人で込み合うことを意味する「雑踏」、大勢の人が集まって押し合うようにすることを意味する「ひしめき合う」、多くのものが一時に集中して押し寄せることを意味する「ラッシュ」などがあります。

渋滞の意味

渋滞とは、物事が滞ってすらすらと進まないこと、つかえて流れないことを意味しています。

渋滞を使った分かりやすい例としては、「首都高速の渋滞情報を地図で見る」「年末年始の渋滞予測が発表されました」「東名高速道路の渋滞情報を検索する」「現在地周辺のリアルタイム渋滞情報をチェックする」などがあります。

その他にも、「時間の使い方が下手なので家事渋滞してしまう」「道路が渋滞する時間帯はいつですか」「関西方面の渋滞情報を教えてください」「首都高の渋滞予測カレンダーを参考にする」「渋滞に巻き込まれて英語のレッスンに遅れてしまった」などがあります。

渋滞の「渋」は訓読みで「しぶる」と読み、なめらかに事が運ばないことを表す漢字です。物事が一所にとどまって進まないことを表す「滞」と結び付き、渋滞とは、物事の進行がすらすらと捗らないことを意味します。

渋滞を用いた日本語には「交通渋滞」があります。交通渋滞とは、道路が混雑して車の流れが悪くなることを意味します。事故や工事などが原因で、道路の円滑な交通が妨げられ車両の進行がはかどらない状態を指す言葉です。

渋滞の対義語・反対語としては、物事が調子よく運ぶことを意味する「順調」、物事が支障なく滑らかに運ぶさまを意味する「スムーズ」などがあります。

渋滞の類語・類義語としては、物事が順調に進まないことを意味する「停滞」、障害が多くて物事のはかどらないことを意味する「難航」、物事の処理や進行が困難で渋滞することを意味する「難渋」、物事の進行が止まって同じような状態が続くことを意味する「足踏み」などがあります。

混雑の例文

1.イベントで入退場の時間を分けることは、会場内の混雑緩和に役立ちます。
2.東京メトロは、全路線の号車ごとの混雑状況をリアルタイムで配信しています。
3.クリスマスのディズニーランドは、混雑予想カレンダーを見るまでもなく激混みに違いない。
4.人気の英語講師の授業はいつも混雑しているので、早めに教室に入って良い席を確保するようにしています。
5.先日泊まったビジネスホテルは、スマホで大浴場の混雑状況がわかるようになっていて便利でした。

この言葉がよく使われる場面としては、事柄が雑然と入り混じること、多くの人混じり合って思うように行動できなくなること、ごたごたすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、混雑の慣用的な言い回しには「混雑緩和」「混雑状況」「混雑予想」などがあります。「混雑緩和」とは、混み合っている程度を和らげることを意味します。

渋滞の例文

1.現在、東名高速道路および中央自動車道では通行止めや渋滞情報はありません。
2.このアプリを使えば、現在地から目的地までの渋滞情報がリアルタイムで確認できます。
3.車で出かける時は、グーグルマップのアプリで一般道の渋滞情報をチェックしています。
4.現在地周辺の渋滞情報を調べてみたら、交通事故が原因で10キロの渋滞が発生しているようだ。
5.年末年始は車で帰省するので、高速道路の渋滞予測を参考に日程を決めました。

この言葉がよく使われる場面としては、物事がすらすらと捗らないこと、道路が混雑して車両などがなかなか先へ進めないことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、渋滞の慣用的な表現には「渋滞情報」「渋滞予測」などがあります。「渋滞予測」とは、高速道路や主要一般道路における渋滞発生の時間帯や規模などの見当をつけたものです。

混雑と渋滞という言葉は、どちらも交通状況を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、道路が混み合っていることを表現したい時は「混雑」を、道路が混雑して車が前に進めないことを表現したい時は「渋滞」を使うようにしましょう。

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