似た意味を持つ「見直し」(読み方:みなおし)と「改善」(読み方:かいぜん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「見直し」と「改善」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「見直し」と「改善」の違い
「見直し」と「改善」の意味の違い
「見直し」と「改善」の違いを分かりやすく言うと、「見直し」とはもう一度改めて見ること、「改善」とは悪いところを改めてよくすることという違いです。
「見直し」と「改善」の使い方の違い
一つ目の「見直し」を使った分かりやすい例としては、「もう一度答案をよく見直してみました」「この計画は見直しの必要がありそうだ」「新しい制度をもう一度見直しすることにしました」「あなたは食生活を見直した方がいいだろう」などがあります。
二つ目の「改善」を使った分かりやすい例としては、「健康のために生活の改善を考えています」「事態の改善を図ることに勤めます」「体質を改善していきたいです」「彼の待遇を改善しようと思います」などがあります。
「見直し」と「改善」の使い分け方
「見直し」と「改善」は同じような事柄に対して使う言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意が必要です。
「見直し」はもう一度改めて見ることを意味しており、既存の計画を再評価して再考や再調整する場合に使います。
一方、「改善」は悪いところを改めてよくすることを意味しており、より良い状態を目指すために、積極的な様々な行動を起こす場合に使う言葉です。
「見直し」と「改善」の英語表記の違い
「見直し」を英語にすると「reconsider」「review」となり、例えば上記の「あなたは食生活を見直した方がいいだろう」を英語にすると「You should reconsider your diet」となります。
一方、「改善」を英語にすると「improvement」「amelioration」となり、例えば上記の「労働条件の改善」を英語にすると「the improvement of working conditions」となります。
「見直し」の意味
「見直し」とは
「見直し」とは、もう一度改めて見ることを意味しています。
表現方法は「見直しを行う」「見直しする」
「見直しを行う」「見直しする」などが、「見直し」を使った一般的な言い回しになります。
「見直し」の使い方
「見直し」を使った分かりやすい例としては、「答案用紙を見直しする」「生活習慣の見直しが必要です」「従来の戦法を見直した方がいいだろう」「この計画は見直しの必要があります」「書いた文章の見直しをする」などがあります。
「見直し」はサ行五段活用の動詞「見直す」の連用形が名詞化し、もう一度改めて見ることの意味で使われている言葉です。
「見直し」は見落としや誤りがないか再検討しながらもう一度改めて見る場合に使います。そのため、「見直す」ことによって間違に気づいたり、良い方向へ向かうことが可能です。
「見直し」の特徴
「見直し」は学校のテスト、仕事のシステムや計画、生活習慣などにおいて使うことができるので、日常生活やビジネスシーン問わず様々な場面で使用することができると覚えておきましょう。
「見直し」の類語
「見直し」の類語・類義語としては、もう一度検討しなおすことを意味する「再検討」、もう一度考えなおすことを意味する「再考」、一応できあがったあとで不完全な部分を直すことを意味する「手直し」があります。
「改善」の意味
「改善」とは
「改善」とは、悪いところを改めてよくすることを意味しています。
表現方法は「症状が改善する」「改善方法」「改善した」
「症状が改善する」「改善方法」「改善した」などが、「改善」を使った一般的な言い回しになります。
「改善」の使い方
「改善」を使った分かりやすい例としては、「だいぶ古くなってきたので設備を改善しようと思います」「教授方法を改善する」「社員たちのために労働環境を改善する」「コスト削減のために製造工程を改善する」などがあります。
「改善」は悪いところを改めてよくすることを意味する名詞で、条件、関係、事態などの抽象的なものについて使うことが多い言葉です。
「トヨタ式カイゼン」とは
「改善」という言葉は、トヨタの生産方式を象徴する「トヨタ式カイゼン」という言い回しで全世界で使われています。
ではなぜ「トヨタ式カイゼン」が「改善」ではなく、「カイゼン」になるのかというと、「改善」とは一般的に作業や業務の中にあるムダを排除し、より価値が高いものだけをおこなえるように、作業や業務のやり方を変える活動をおこなうことを指しています。
しかし、「トヨタ式カイゼン」はただの「改善」に現状を満足せず今よりもっと良くするというニュアンスを持たせているので、カタカナで「カイゼン」としているのです。
また、「トヨタ式カイゼン」は海外でも「Kaizen」として世界的に活用されています。。
「改善」は日常生活やビジネスシーン問わず様々な場面で使用することができると覚えておきましょう。
「改善」の対義語
「改善」の対義語・反対語としては、物事を改めてかえって悪くすることを意味する「改悪」などがあります。
「改善」の類語
「改善」の類語・類義語としては、不備な点や悪い点を改めてよくすることを意味する「改良」、悪い点や不都合な点を改め正すことを意味する「是正」、不適当なところや不備な点を改めることを意味する「改正」、などがあります。
「見直し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、もう一度改めて見ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「見直し」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「改善」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、悪いところを改めてよくすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「改善」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「見直し」と「改善」は同じような事柄に対して使う言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、もう一度改めて見ることを表現したい時は「見直し」を、悪いところを改めてよくすることを表現したい時は「改善」を使うと覚えておきましょう。