同じ「いっかんとして」という読み方の「一貫として」と「一環として」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「一貫として」と「一環として」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
「一貫として」と「一環として」の違い
「一貫として」と「一環として」の意味の違い
「一貫として」と「一環として」の違いを分かりやすく言うと、「一貫として」とは一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すこと、「一環として」とは互いに密接な関係をもつものの一部分のことという違いです。
「一貫として」と「一環として」の使い方の違い
一つ目の「一貫として」を使った分かりやすい例としては、「彼女は一貫として無罪を主張しています」「現内閣には首尾一貫としている政策が求められています」「彼は一貫として科学の発展に全力を注いでいます」「私は一貫として社長派です」などがあります。
二つ目の「一環として」を使った分かりやすい例としては、「感染症予防の一環としてマスクの着用が推奨されています」「選挙に掲げた政策の一環としてまずは103万の壁の引き上げを行ないます」「都市計画の一環としてごみ処理場が造られました」などがあります。
「一貫として」と「一環として」の使い分け方
「一貫として」と「一環として」は同音の言葉ですが、意味は全く異なるので混同しないように注意が必要です。
「一貫として」は一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すことを意味しており、「彼は態度が一貫としている」のような言い回しで使います。
一方、「一環としては」は互いに密接な関係をもつものの一部分のことを意味しており、「これは記念行事の一環として行います」のような言い回しで使うというのが違いです。
したがって、発音は同じでも意味は全く異なっているので、お互いに置き換えることはできないと覚えておきましょう。
「一貫として」と「一環として」の英語表記の違い
「一貫として」を英語にすると「consistency」「all the way」となり、例えば上記の「私は一貫として社長派です」を英語にすると「I was on the president’s side all the way」となります。
一方、「一環として」を英語にすると「part」「link」となり、例えば上記の「都市計画の一環としてごみ処理場が造られました」を英語にすると「As part of the city planning scheme, a garbage disposal plant was built」となります。
「一貫として」の意味
「一貫として」とは
「一貫として」とは、一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すことを意味しています。
「一貫として」の使い方
「一貫として」を使った分かりやすい例としては、「彼女は一貫として容疑を否認しています」「彼の発言は一貫としています」「彼は一貫として無罪を主張しています」「あの政党は一貫として同じことを言っているので支持することができます」などがあります。
「一貫として」は一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すことを意味する「一貫」に、例外なく全部である意を表すことを意味する「として」が合わさった言葉です。
したがって、「一貫として」は目的に向かう姿勢や方針を変えずにいる場合に使うのが一般的になっています。
「一貫として」の特徴
「一貫として」はビジネスシーンと日常生活のどちらでも使うことができると覚えておきましょう。
また、「一貫として」は物事や考えの内容に筋が通っている場合に使うことができます。したがって、物事や考えの内容に筋が通っていない場合には使うことができないと覚えておきましょう。
「一貫として」の類語
「一貫として」の類語・類義語としては、理論体系一般においてある公理系内に相互に矛盾する公理が存在しないことを意味する「整合性がある」、食い違いなく同じであることを意味する「一致している」などがあります。
「一環として」の意味
「一環として」とは
「一環として」とは、互いに密接な関係をもつものの一部分のことを意味しています。
表現方法は「一環として行う」「仕事の一環として」
「一環として行う」「仕事の一環として」などが、「一環として」を使った一般的な言い回しになります。
「一環として」の使い方
「一環として」を使った分かりやすい例としては、「リストラ対策の一環として早期退職を持ち掛けました」「英語の勉強の一環として字幕付き洋画を観る」「当店は環境保護取り組みの一環として紙ストローを使用しています」などがあります。
「一環として」は互いに密接な関係をもつものの一部分ことを意味する「一環」に、例外なく全部である意を表すことを意味する「として」が合わさった言葉です。
「一環として」は「防音対策の一環として」「寒さ対策の一環として」などのように、ある大きな物事の内など一部分に焦点を当てる場合に使います。また、ビジネスシーンにおいてもよく使われている言葉です。
「一環として」の注意点
「一環として」を使う上で注意しなければならないのは、よく知られているものに対してのみ使えるという点です。もし、「一環として」を使ったとしても、一般的に知らない物事であれば相手に通じないからです。
「一環として」の類語
「一環として」の類語・類義語としては、全体の内の一つの部分のことを意味する「一つとして」、全体の内のある部分のことを意味する「一部分として」、関係のある物事の一まとまりのことを意味する「関連の中で」などがあります。
「一貫として」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「一貫として」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「一環として」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、互いに密接な関係をもつものの一部分のことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「一環として」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「一貫として」と「一環として」は同音の言葉ですが意味は全く異なっています。
どちらの言葉を使うか迷った場合、一つの方針や態度で始めから終わりまで貫き通すことを表現したい時は「一貫として」を、互いに密接な関係をもつものの一部分のことを表現したい時は、「一環として」を使うと覚えておきましょう。