【和む】と【和らぐ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「和む」(読み方:なごむ)と「和らぐ」(読み方:やわらぐ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「和む」と「和らぐ」という言葉は、どちらも気持ちなどが落ち着くことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「和む」と「和らぐ」の違い

「和む」と「和らぐ」の意味の違い

「和む」と「和らぐ」の違いを分かりやすく言うと、「和む」は気持ちを表す場合に使う、「和らぐ」は気持ちを表す以外にも使えるという違いです。

「和む」と「和らぐ」の使い方の違い

一つ目の「和む」を使った分かりやすい例としては、「良いことがあったので荒んだ気分が和む」「やっと気分が和んできました」「彼の表情がやっと和む」「彼女がいると場が和みます」「心の和むような光景でした」「やっと気分が和んできた」などがあります。

二つ目の「和らぐ」を使った分かりやすい例としては、「彼の優しい言葉を聞いたら悲しみが和らいだ」「クーラーをつけてたら暑さが和らぐ」「両家の間の反目も和らぐ」「奥さんの説得でかたくなな態度も和らいだ」などがあります。

「和む」と「和らぐ」の使い分け方

「和む」と「和らぐ」はどちらも気持ちなどが落ち着くことを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「和む」は気持ちなどが和らいで落ち着くことを意味しており、「気持ちが和む」「雰囲気が和む」などのように、気持ちを表す場合にのみ使うことができます。

一方、「和らぐ」は堅苦しさやとげとげしさがなくなることや程度の甚だしいものが穏やかな状態になることを意味している言葉です。

したがって、「気持ちが和らぐ」「雰囲気が和らぐ」などのように気持ちだけではなく、「痛みが和らぐ」「暑さが和らぐ」などのように気持ちを表す以外にも使えるというのが違いになります。

「和む」と「和らぐ」の英語表記の違い

「和む」を英語にすると「calm down」「sooth」となり、例えば上記の「やっと気分が和んできた」を英語にすると「At last he calmed down」となります。

一方、「和らぐ」を英語にすると「soften」「moderate」「abate」「die down」となり、例えば上記の「奥さんの説得でかたくなな態度も和らいだ」を英語にすると「His obstinate attitude was softened by his wife’s urgings」となります。

「和む」の意味

「和む」とは

「和む」とは、気持ちなどが和らいで落ち着くことを意味しています。

「和む」の読み方

「和む」の読み方は「なごむ」です。誤って「わむ」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「心が和む」「和む人」

「心が和む」「和む人」などが、「和む」を使った一般的な言い回しになります。

「和む」の使い方

「和む」を使った分かりやすい例としては、「私たちは彼の心が和むように努めました」「この音楽を聴くと心が和む」「彼がいると場が和みますね」「子供たちの笑顔で私の心が和む」「あなたに会うと心が和みます」などがあります。

「和む」は気持ちなどがやわらいで落ち着くを意味する動詞です。

「和む」は「気持ちが和む」「雰囲気が和む」などのように、気持ちを表す場合にのみ使うと覚えておきましょう。

「和む」はプラスのイメージで使う

では「和む」がどういう状態かというと、イライラした気持ちがなくなったり、自然と笑顔が出る状態を指しています。したがって、基本的にはプラスのイメージでのみ使う言葉です。

「和む」の類語

「和む」の類語・類義語としては、心が休まることを意味する「落ち着く」、落ち着いていて静かなことを意味する「沈静」などがあります。

「和らぐ」の意味

「和らぐ」とは

「和らぐ」とは、程度の甚だしいものが穏やかな状態になることを意味しています。その他にも、堅苦しさやとげとげしさがなくなることの意味も持っています。

表現方法は「痛みが和らぐ」「症状が和らぐ」

「痛みが和らぐ」「症状が和らぐ」などが、「和らぐ」を使った一般的な言い回しになります。

「和らぐ」の使い方

「ストーブを点けたので寒さが和らぐ」「処置を施したので痛みが和らぐ」などの文中で使われている「和らぐ」は、「程度の甚だしいものが穏やかな状態になること」の意味で使われています。

一方、「彼の表情がだんだんと和らぐ」「彼が笑わらせてくれたおかげで雰囲気が和らぐ」などの文中で使われている「和らぐ」は、「堅苦しさやとげとげしさがなくなること」の意味で使われています。

「和らぐ」は程度の甚だしいものが穏やかな状態になることと、堅苦しさやとげとげしさがなくなることの二つの意味を持つ動詞です。

「和らぐ」の特徴

「和らぐ」は「心が和らぐ」「雰囲気が和らぐ」のような気持ちだけではなく、「痛みが和らぐ」「寒さが和らぐ」などように、物理的なものに対しても使うことができます。

ただし、「制度が和らぐ」のような規則や規制のように、人間の手になる制度的なものについては用いないので注意が必要です。

「和らぐ」の類語

「和らぐ」の類語・類義語としては、厳しさや激しさの程度を和らげることを意味する「緩和」、対立している物などの間にあって衝突や不和などを和らげることを意味する「緩衝」などがあります。

「和む」の例文

1.私は嫌なことがあっても場を和ませるために笑って誤魔化す癖があります。
2.猫が戯れている動画を観ると心が和むので、仕事から帰ってきたら必ず視聴するようにしています。
3.彼女がいると場が和むので、私たちのグループには必要な人です。
4.子供たちが無邪気に遊んでいる姿を見ると、心が和む私がいます。
5.星を見ていると心が和むので、私は天体観測が大好きです。

この言葉がよく使われる場面としては、気持ちなどが和らいで落ち着くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「和む」は気持ちを表す場合に使う言葉です。

「和らぐ」の例文

1.医者から処方された薬を飲んだので、足の痛みが和らぎました。
2.とても温かいお風呂に入ったので、寒さがだんだんと和らいできました。
3.大型台風が過ぎ去ったので、荒れていた海や川も和らぐ。
4.彼女と一緒にいることで、仕事で荒んだ心も和らいできました。
5.孫が必死に説得したことによって、母の態度もだんだん和らいできました。

この言葉がよく使われる場面としては、程度の甚だしいものが穏やかな状態になることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、堅苦しさやとげとげしさがなくなることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3の「和らぐ」は程度の甚だしいものが穏やかな状態になること、例文4と例文5は堅苦しさやとげとげしさがなくなることの意味で使っています。

「和む」と「和らぐ」はどちらも気持ちなどが落ち着くことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、気持ちを表す場合に使うのが「和む」、気持ちを表す以外にも使えるのが「和らぐ」と覚えておきましょう。

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