【あれこれ】と【いろいろ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「あれこれ」と「いろいろ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「あれこれ」と「いろいろ」という言葉は、どちらも様々な事物を表すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「あれこれ」と「いろいろ」の違い

「あれこれ」と「いろいろ」の意味の違い

「あれこれ」と「いろいろ」の違いを分かりやすく言うと、「あれこれ」は指示代名詞として使える、「いろいろ」は形容動詞として使えるという違いです。

「あれこれ」と「いろいろ」の使い方の違い

一つ目の「あれこれ」を使った分かりやすい例としては、「あれこれ迷った結果移籍することにしました」「あれこれ言うのはやめてください」「あれこれ考えるとこれを今買う必要はないだろう」「彼女は親切にあれこれ忠告してくれました」などがあります。

二つ目の「いろいろ」を使った分かりやすい例としては、「あなたにいろいろお話があります」「彼はいろいろ親切にしてくれました」「花にはいろいろな種類があります」「いろいろ訳があってお引き受けできません」などがあります。

「あれこれ」と「いろいろ」の使い分け方

「あれこれ」と「いろいろ」はどちらも様々な事物を表すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「あれこれ」はいろいろな物や事柄を指すことを意味しており、指示代名詞として使うことができます。指示代名詞とは、事物、場所、方角などを指し示すのに用いる代名詞のことを指しています。

例えば、「あれこれと考えを合わせる」「他人があれこれ言うのは良くない」などのように、指示している一つ一つのものに注意が向いている様子を表す場合に使うことが多いです。

一方、「いろいろ」は異なる事物や状態が数多いこと意味する形容動詞になります。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができます。

「いろいろ」は形容動詞なので、「いろいろな」「いろいろだ」などような言い回しで使うことが多いです。

また、副詞として使う場合は「あれこれ」と「いろいろ」は全く同じ意味なので、基本的に置き換えることができると覚えておきましょう。

「あれこれ」と「いろいろ」の英語表記の違い

「あれこれ」を英語にすると「this and that」となり、例えば上記の「彼女は親切にあれこれ忠告してくれました」を英語にすると「She gave kindly advice about this and that」となります。

一方、「いろいろ」を英語にすると「various」「everything」となり、例えば上記の「いろいろ訳があってお引き受けできません」を英語にすると「I cannot undertake it for various reasons」となります。

「あれこれ」の意味

「あれこれ」とは

「あれこれ」とは、いろいろな物や事柄を指すことを意味しています。その他にも、様々なことの意味も持っています。

「あれこれ」の漢字表記

「あれこれ」を漢字にすると、「彼此」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「あれこれ」を使うようにしましょう。

表現方法は「日々のあれこれ」

「日々のあれこれ」は「あれこれ」を使った一般的な言い回しになります。

「あれこれ」の使い方

「あれこれ考えるなら買った方がいいだろう」「彼はあれこれ文句が多い人だ」などの文中で使われている「あれこれ」は、「いろいろな物や事柄を指すこと」の意味で使われています。

一方、「私はあれこれと思い悩んでいます」「彼はあれこれと話をしています」などの文中で使われている「あれこれ」は、「様々なこと」の意味で使われています。

「あれこれ」はいろいろな物や事柄を指すことと、様々なことの意味を持つ言葉です。いろいろな物や事柄を指すことの意味は指示代名詞として使い、様々なことの意味は副詞として使うと覚えておきましょう。

「あれこれ」の特徴

「あれこれ」は指示している一つ一つのものに注意が向いている様子を表わす場合によく使うというのが特徴です。

また、「あれこれ」は日常生活やビジネスシーンなど、様々な場面で使うことができます。

「あれこれ」の類語

「あれこれ」の類語・類義語としては、何やかんやのことを意味する「そうこう」があります。

「いろいろ」の意味

「いろいろ」とは

「いろいろ」とは、異なる事物や状態が数多いことを意味しています。その他にも、様々なことの意味も持っています。

「いろいろ」の漢字表記

「いろいろ」を漢字にすると「色々」と表記することができます。

「いろいろ」の使い方

「いろいろなお菓子を買いました」「お魚の種類はいろいろあります」などの文中で使われている「いろいろ」は、「異なる事物や状態が数多いこと」の意味で使われています。

一方、「いろいろとやってみたがダメでした」「地球上にはいろいろな言語が存在しています」などの文中で使われている「いろいろ」は、「様々なこと」の意味で使われています。

「いろいろ」は異なる事物や状態が数多いことと、様々なことの意味を持つ言葉です。異なる事物や状態が数多いことの意味は形容動詞として使い、様々なことの意味は副詞として使います。

「いろいろ」は複数の異なるものに同時に注意が向いている場合によく使われています。

「いろいろ」の特徴

「いろいろ」は基本的には会話や電話などの話し言葉として使うことが多いと覚えておきましょう。また、日常会話などの砕けた場面においてよく使われている言葉です。したがって、ビジネスシーンなどのかしこまった場面においてはあまり使われていません。

「いろいろ」の類語

「いろいろ」の類語・類義語としては、種類の多いことを意味する「数々」があります。

「あれこれ」の例文

1.自分で考えて行動しているので、私にあれこれ指図するのは辞めてください。
2.彼はいつもあれこれと文句をつけるので、あまり好きではありません。
3.ここは匿名の人が集まる場所なので、他人のことをあれこれと詮索するのはマナー違反です。
4.彼は私に15年前のこの土地について、あれこれと話してくれました。
5.彼女は元カレとの楽しかったことを、あれこれと思い出していました。

この言葉がよく使われる場面としては、いろいろな物や事柄を指すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、様々なことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3はいろいろな物や事柄を指すこと、例文4と例文5は様々なことの意味で使っています。

「いろいろ」の例文

1.梅酒と一言で言ってもいろいろな種類があるので、飲み比べをしてもいいだろう。
2.彼のかばんにはいろいろな物が入っているので、何に使うかとても気になります。
3.いろいろな事情が重なったことで、彼は企業に成功しました。
4.いろいろと手を尽したものの、この件は解決しませんでした。
5.大阪まで行く方法はいろいろとあるので、調べてみることにしました。

この言葉がよく使われる場面としては、異なる事物や状態が数多いことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、様々なことを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は異なる事物や状態が数多いこと、例文4と例文5は様々なことの意味で使っています。

「あれこれ」と「いろいろ」はどちらも様々な事物を表すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、指示代名詞として使えるのが「あれこれ」、形容動詞として使えるのが「いろいろ」と覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター