似た意味を持つ「友人」(読み方:ゆうじん)と「友達」(読み方:ともだち)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「友人」と「友達」という言葉は、どちらも親族以外の親しい人という意味を持つという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
友人と友達の違い
友人と友達の意味の違い
友人と友達の違いを分かりやすく言うと、改まった場面で友を表現する場合には「友人」、日常会話として友を表現する場合には「友達」という違いです。
また、人に対してのみ使われる言葉が「友人」であり、人だけでなく相手が生き物であったり物であったりしても比喩表現として使えるのが「友達」という言葉であるという違いもあります。
履歴書や政治など改まった場では友人を使用
友人というのは、友達よりも改まった印象を与える言葉です。履歴書に書く場合や自分よりも目上の人や立場が上の人に対して友を紹介するような場面では「彼は私の友人です」と表現する方がしっくりきます。
政治などの場においても、他国との友好関係を示す際には「かの国と親しい友人関係にある」というような表現を使います。友人という言葉は、友達という言葉よりも、少々大人っぽい雰囲気のある言葉であると認識しておくと良いでしょう。
プライベートでは友達を使用
対する友達という表現は、友人と意味は同じであるものの、少し砕けた印象を受ける言葉です。小さい子供から大人まで使用できる言葉であり、改まった雰囲気よりも、楽しい雰囲気を持つ言葉であると言えます。
友達という言葉は、「○○友達」というような表現でよく使用されます。例えば「遊び友達」「女友達」「幼友達」などのように使用されます。これは「仲間」という言葉と同じような使われ方をしているもので、一般的に広く複数人を指し示す言葉です。
友人、友達、どちらの表現を使ったとしても、友情の深さなどに違いはありません。言葉を使う場所の雰囲気や状況を理解した上で、どちらの言葉を使うのが適切かを考えるようにしましょう。
友人の意味
友人とは
友人とは、親族ではない存在で、ほとんど対等な人間関係を結んでいる親しい人のことを意味しています。友人と友達は、ほとんど同じ意味で、辞書でも同じ項目に載っています。
友人という言葉は友達よりも少し改まった言い方であり、また相手が人の場合にしか使えない言葉です。
例えば、会社の上司に友を紹介するような場面では「彼は私の友達です」と言うよりも「彼は私の友人です」と表現する方が丁寧な雰囲気を持たせることが出来ます。
友人の定義
友人というのは、親族関係は含まれません。血のつながりがない状態で、自分自身とあまり立場の差がない人について友人であるということが出来ます。
友人関係のほとんどは、自分と年齢が近かったり、住んでいる場所が近かったり、同じ学校に通っていたりという共通点があるものだと言われています。幼い頃から自分以外の友と人間関係を築くことで、社会性を学んだり、心理的発達をしたりするものです。
友人の語源
友人の「友」という字は、漢字の成り立ちを見てみると、「又」と「又」という字を重ねて出来たものだとわかります。この「又」というのは「右手」という意味です。つまり「友」という字は、右手と右手を重ねるという意味を持つ漢字であると言えます。
このことから、自分の右手と自分以外の誰かの右手とを合わせることを「友」と呼びます。「友」という字は、お互いに手を触れ合わせて、親しみを表している漢字であるということが出来ます。
また、友人の「人」という字は、人間のことを意味している漢字です。その他にも、人間の人柄であったり、性質を示す場合もあります。友人という言葉で使う際には、これは人間を意味しています。
例えば、自分の飼っている犬と、とても仲が良かったとします。しかしその場合、人間と犬の間では、友人という言葉は使えません。しかし「私は愛犬と友達だ」という表現をすることは出来ます。
他にも、サッカー選手などが練習の一環として、常にボールと触れ合っていることなどを指して「ボールと友達になることが大切だ」などと表現したりします。この場合にも「友人」という言葉は使えません。相手が「人」ではないからです。
友人の類語
友人の類語・類義語としては、対立する2つの位置で自分が属している方を意味する「味方」、一緒に物事をする間柄を意味する「仲間」、同じ志を持つ仲間を意味する「同朋」などがあります。
友人の「人」という字を使った単語としては、情けをかけて力になってくれた人を意味する「恩人」、人としての情けや他人への思いやりを意味する「人情」、成長して一人前になった人を意味する「大人」などがあります。
友達の意味
友達とは
友達とは、お互いに心を許し合っていて、対等な立場にある親しい人のことを意味しています。友人とほとんど同じ意味を持つ言葉で、辞書でも同項目に記載されています。
友達という言葉は「達」という漢字が付いていることから、複数形としても使われますが、現在では「友達」という言葉を単数形として使用しても問題はないとされています。
友達の定義
友達というのは、一緒に勉強をしたり、一緒に仕事をしたり、遊んだり、長く時間を共有した相手のことを指します。何か共通の好きなものがあったり、信じるものが同じである場合にも友達と呼べる関係へ発展できることが多いものです。
表現方法は「遊び友達」「飲み友達」「ケンカ友達」
友達という言葉は、その言葉の前に何の友達であるのかという言葉を添えて使われることも多々あるものです。例えば「遊び友達」や「飲み友達」「ケンカ友達」などのように使われます。これらの言葉は「仲間」という言葉と同じような意味を持つものです。
友達は複数系でなく単数系でも使える
友達の「達」という字は、元々は複数形を表す言葉でした。例えば「子供達」という言葉や「私達」という言葉は、複数の人間のことを意味しています。人間だけでなく、生き物についても「魚達」と使ったり「動物達」と使ったりすることが出来ます。
しかしながら、現在では、友達という言葉を使う際には単数形でも使えるものであるとしています。「達」という言葉が付いているから複数形であるという風には考えなくても良いものです。
もちろん、友達を複数形として使用することも出来ます。前後の文脈で、その言葉が複数形を指すものであるとわかりやすく表現しておけば問題ありません。例えば「多くの友達」などと表現すると分かりやすいでしょう。
他にも友が複数いることを表現するには、「友人たち」と表現したり「友達」と書いて「トモタチ」と読みを付けたりすることで複数であることを明確に表現することが出来ます。
友達の類語
友達の類語・類義語としては、仲が良い間柄を意味する「仲良し」、子供のときによく遊んでいた人を意味する「幼馴染み」などがあります。
友達の「達」という字を使った単語としては、技芸や学問の奥義に達している人を意味する「達人」、物事を成し遂げることを意味する「達成」、親王や諸王などの皇族の人々を表す「公達」などがあります。
友人の例文
この言葉がよく使われる場面としては、親族関係以外の人と親しくなった時などが挙げられます。友達という言葉と、ほとんど同じ意味で使われますが、友達よりも改まった場面で使われることのある言葉です。
また、友人という言葉で表現した時は、その言葉に「人」という字が入っているため、相手は必ず人間である必要があります。友人というのは、その関係性を通して社会性を学んだり、心理的な成長を促すために必要な存在であると言えます。
友人という言葉は、それだけでは単数を示す場合が多く、友の数が多い場合には「友人たち」と表現したりします。
友達の例文
この言葉がよく使われる場面としては、お互いに心を許し合って、対等に交わることの出来る親しい人のことを表現したい時などが挙げられます。友達という言葉は、複数形であるとされることもありますが、単数形でも使用できる言葉です。
友達というのは、一緒に同じ時間を過ごせる仲間のことを指します。友人とほとんど同じ意味で使われますが、友人と表現するよりも友達と表現した方が、柔らかい印象を与えます。
また、友達という言葉は、友人という言葉と違い、人間だけでなく動物や物に対しても比喩表現として使える言葉であると言えます。「うちの息子は飼い犬のポチと友達なんだ」というような表現をすることも出来るのだと覚えておくようにしましょう。