【青天】と【晴天】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「せいてん」という読み方の「青天」と「晴天」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「青天」と「晴天」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




青天と晴天の違い

青天と晴天の意味の違い

青天と晴天の違いを分かりやすく言うと、青天とは真っ青な空を意味する文語的な表現、晴天とは晴れた空を意味する一般的な表現という違いです。

青天と晴天の使い方の違い

一つ目の青天を使った分かりやすい例としては、「令和の時代に米騒動が起きるなんて青天の霹靂(へきれき)だ」「できれば青天白日な政治家に投票したい」「雲一つない青天に清らかな気分になりました」などがあります。

二つ目の晴天を使った分かりやすい例としては、「ここのところ晴天続きで気持ちがいい」「晴天よりも雨天を好む生き物もいます」「旅行は晴天率の高い時期に設定しよう」「来週の遠足は晴天に恵まれますように」などがあります。

青天と晴天の使い分け方

青天と晴天という言葉は、どちらも「せいてん」と読み、雨や雪が降っていない晴れた空を表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

青天とは、晴れ渡った青い空を意味し、雲一つないような真っ青な空を表します。故事成語である「青天の霹靂」とは、青く晴れた空に突然鳴り響く雷のことであり、転じて、突然起きる大事件や衝撃を意味します。青天は、晴れていて青空が一面に広がっていることを表す文語的な表現です。

晴天とは、晴れた空、また、天気がよいことを意味する一般的な表現です。「晴天率」とは、1年の中のある日が晴天になる割合のことであり、晴天率が高い11月3日の「文化の日」は「晴れの特異日」と言われています。

つまり、青天とは空の青さにフォーカスした文語的表現であり、晴天とは単純に晴れた空を表す一般的な表現です。二つの言葉は似ていますが、意味やニュアンスは異なるので区別して使うようにしましょう。

青天と晴天の英語表記の違い

青天を英語にすると「blue sky」となり、例えば上記の「青天の霹靂」を英語にすると「a bolt from the blue sky」となります。

一方、晴天を英語にすると「clear sky」「bright sky」「fine weather」となり、例えば上記の「晴天続き」を英語にすると「a long spell of fine weather」となります。

青天の意味

青天とは

青天とは、晴れ渡った青空を意味しています。

青天の読み方

青天の読み方は「せいてん」です。誤って「あおてん」などと読まないようにしましょう。ただし、三字熟語の「青天井」は「あおてんじょう」と読みます。

青天の使い方

青天を使った分かりやすい例としては、「抜けるような青天に心が洗われる」「青天のもとスポーツ大会を実施しました」「青天は季語ではありません」「青天を用いた三字熟語はありますか」などがあります。

その他にも、「今回の辞令はまさに青天霹靂である」「友人の証言のおかげで青天白日の身となった」「青天白日満地紅旗の由来をご存知でしょうか」「お米の美味しさに青天の霹靂のような衝撃を受けた」などがあります。

青天の「天」は訓読みで「そら」「あま」と読み、広々とした空、空の様子を表す漢字です。青天とは、晴れ上がって青々と見える空、青く抜けるように見える空を意味します。「青天白日」「青天の霹靂」のような使い方で、雲一つない真っ青な空を表す文学的な表現です。

四字熟語「青天白日」の意味

青天を用いた四字熟語には「青天白日」があります。青天白日とは、青く晴れ渡った天気を意味し、転じて、心にくもりがないこと、無罪が明らかになることの意味も持つ言葉です。「白日青天」とも言います。

青天の対義語

青天の対義語・反対語としては、くもりの天気やくもり空を意味する「曇天」(読み方:どんてん)などがあります。

青天の類語

青天の類語・類義語としては、青空や大空を意味する「蒼天」、青く晴れた空を意味する「碧空」(読み方:へきくう)、青みがかった雲やよく晴れた高い空を意味する「青雲」、青い空やはるか遠い所を意味する「碧落」(読み方:へきらく)などがあります。

晴天の意味

晴天とは

晴天とは、晴れた空、よい天気、青天を意味しています。

晴天の読み方

晴天の読み方は「せいてん」です。同じ読み方をする熟語に「聖典」「正典」などがありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。

晴天の使い方

晴天を使った分かりやすい例としては、「晴天のもと山頂にて写真を撮りました」「明日、関東は穏やかな晴天になります」「マイクテストでは本日は晴天なりと言ってください」「明日の午後まで晴天が続くでしょう」などがあります。

その他にも、「地球温暖化で晴天乱気流が増えています」「福井旅行は晴天続きだったので楽しめました」「ASKAの晴天を誉めるなら夕暮れを待てを試聴する」「晴天と海の画像を無料でダウンロードできます」「ピクニック日和の晴天のなか仕方なく英語の塾に行く」などがあります。

晴天とは、晴れた空を意味し、天気のよいことを表す言葉です。晴天は雨や雪などの降水現象がない状態ですが、気象庁では、この晴天の状態を空に対する雲の割合によって「晴れ」「曇り」「快晴」と区別して定義しています。

四字熟語「晴天乱流」の意味

晴天を用いた四字熟語には「晴天乱流」があります。晴天乱流とは、「晴天乱気流」とも呼ばれ、晴天で雲一つないときに起こる予測困難な乱気流を意味します。航空機に与える影響が大きいため、発生が予測されそうなときには航空気象台が警報を出すなど防災対策がとられています。

「晴天の霹靂」は誤用

晴天を用いた誤った表現には「晴天の霹靂」があります。正しくは「青天の霹靂」であり、故事成語としては「晴天」ではなく「青天」を用います。

晴天の対義語

晴天の対義語・反対語としては、雨の降る天気を意味する「雨天」などがあります。

晴天の類語

晴天の類語・類義語としては、空が気持ちよく晴れ渡ることを意味する「快晴」、よく晴れて何かをするのに都合のよい天気を意味する「好天」、よく晴れて天気がよいさまを意味する「上天気」、一点の雲もなく晴れわたった空を意味する「日本晴れ」などがあります。

青天の例文

1.今日はこれ以上ないぐらいの素晴らしい青天で、思わず深呼吸してしまうほどです。
2.青天から打って変わって土砂降りとなり、びしょ濡れになってしまいました。
3.台湾で生まれ育った祖父は、子供の頃に青天白日旗をよく目にしていたそうです。
4.俳句のお題として出された青天は、季語ではないので季節の縛りはないのだろう。
5.けがれを知らない子どもたちの瞳は、青天の空のように澄んでいます。

この言葉がよく使われる場面としては、青く澄み渡った空、晴れた空を表現したい時などが挙げられます。

例文3にある「青天白日旗」(読み方:せいてんはくじつき)は、正称を「青天白日満地紅旗」と言い、かつての中華民国の国旗のことです。青天にかかる12の光芒(こうぼう)をもつ太陽は「前進」を、青白赤の3色は孫文の説く「三民主義」を象徴しています。

晴天の例文

1.昨晩の雨が嘘のように晴れ上がり、本日は晴天のもとで運動会を実施することができました。
2.英語を身に付けたくて、春休みは晴天日が多いというオーストラリアの町にショートステイする予定です。
3.西向きのお部屋でしたら、空気の澄みきった晴天時に富士山を望むことができます。
4.先日、中国語サークルの仲間たちと晴天の下でピクニックを楽しみました。
5.山頂から美しい景色の写真を撮りたいので、晴天の日に登ろうと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、 晴れ渡った空、よい天気を表現したい時などが挙げられます。

例文2の「晴天日」とは、1mm以上の降水がなく平均雲量が8.5未満であった日と定義されています。

青天と晴天という言葉は、どちらも「せいてん」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、真っ青な空を文語的に表現したい時は「青天」を、晴れた空を一般的に表現したい時は「晴天」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター