似た意味を持つ「念押し」(読み方:ねんおし)と「ダメ押し」(読み方:だめおし)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「念押し」と「ダメ押し」という言葉は、どちらも確認することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「念押し」と「ダメ押し」の違い
「念押し」と「ダメ押し」の意味の違い
「念押し」と「ダメ押し」の違いを分かりやすく言うと、「念押し」は実際に必要なこと、「ダメ押し」は実は必要ないことという違いです。
「念押し」と「ダメ押し」の使い方の違い
一つ目の「念押し」を使った分かりやすい例としては、「会議のスケジュールについて念押しをする」「彼女が念押しして彼を称賛しました」「必ず出席するように念押しをする」「私はホテルに予約の念押しをしました」などがあります。
二つ目の「ダメ押し」を使った分かりやすい例としては、「ダメ押しのスリーランホームランが決まりました」「ダメ押しでもう一度お願いすることにしました」「ダメ押しで電話を掛けてみる」「ダメ押しの確認をすることにしました」などがあります。
「念押し」と「ダメ押し」の使い分け方
「念押し」と「ダメ押し」はどちらも確認することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「念押し」は注意して確かめることを意味しており、「忘れ物がないか念押しをする」のように、念を押して確認するというニュアンスで使います。つまり、実際に必要なことではあるのです。
一方、「ダメ押し」は駄目を押すことを意味しており、「担当者にダメ押しをする」のように、実際には必要ないが、心配なので確認するというニュアンスで使います。つまり、実は必要ないことというのが違いです。
そのため、「ダメ押し」は嫌味的なマイナスなイメージも伴っていると覚えておきましょう。
「念押し」と「ダメ押し」の英語表記の違い
「念押し」を英語にすると「reconfirm」「remind」となり、例えば上記の「私はホテルに予約の念押しをしました」を英語にすると「I reconfirmed the reservation with the hotel」となります。
一方、「ダメ押し」を英語にすると「make doubly sure」となり、例えば上記の「ダメ押しの確認をすることにしました」を英語にすると「so let’ make doubly sure to him」となります。
「念押し」の意味
「念押し」とは
「念押し」とは、注意して確かめることを意味しています。
表現方法は「念押しされる」「念押しで伝える」
「念押しされる」「念押しで伝える」などが、「念押し」を使った一般的な言い回しになります。
「念押し」の使い方
「念押し」を使った分かりやすい例としては、「子供に火を勝手に使わないよう念押しする」「レポートを今週末までに提出するよう念押しをしました」「部下に先方への連絡を忘れないよう念押ししました」「念押しにはなりますが再度会議の時間をご確認ください」などがあります。
「念押し」は注意して確かめることを意味する名詞です。
「念押し」は「念押しいたしますがこちらの内容でお間違いないでしょうか」のように、重要な確認を促すこと場合によく使われる言葉なので、ビジネスシーンにおいても使用することができます。
「念押し」の特徴
「念押し」は重要なことを再確認するために相手に強調して伝える表現になります。そのため、実際に必要なことであると覚えておきましょう。
「念押し」は会話や口頭などの話し言葉としてだけではなく、手紙やメールなどの書き言葉としても使うことができるというのが特徴です。
「念押し」の類語
「念押し」の類語・類義語としては、約束違反や言い逃れができないように念を押すことを意味する「釘を刺す」、そうであることをはっきりたしかめることを意味する「確認」、まごころをこめて相手の欠点や過ちを戒めさとすことを意味する「忠告」などがあります。
「ダメ押し」の意味
「ダメ押し」とは
「ダメ押し」とは、駄目を押すことを意味しています。その他にも、スポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすることの意味も持っています。
「ダメ押し」の別表記
「ダメ押し」を漢字すると、「駄目押し」と表記することができます。
表現方法は「ダメ押しの一手」「ダメ押しの追加点」
「ダメ押しの一手」「ダメ押しの追加点」などが、「ダメ押し」を使った一般的な言い回しになります。
「ダメ押し」の使い方
「ダメ押しで契約日の確認の電話を入れました」「夕食までには必ず帰宅するようにダメ押しをしました」などの文中で使われている「ダメ押し」は、「駄目を押すこと」の意味で使われています。
一方、「ダメ押しの追加点で5点差に広がりました」「ダメ押しのツーランホームランが決まりました」などの文中で使われている「ダメ押し」は、「スポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすること」の意味で使われています。
「ダメ押し」は駄目を押すことと、スポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすることの二つの意味を持つ名詞です。
「ダメ押し」の語源
「ダメ押し」は元々は囲碁用語でした。囲碁は勝負がついた段階でどちらのものでもない部分のことを「駄目」と呼んでおり、勝敗を分かりやすくするために駄目の部分に石を置くようにしていました。
この石を置く行為のことを「ダメ押し」と呼んでいたのです。これが転じて、駄目押して確認することや、スポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすることを「ダメ押し」と言うようになりました。
「ダメ押し」の特徴
「ダメ押し」は実際に必要ないことをする場合にも使う言葉なので、嫌味的なマイナスなイメージも伴っていると覚えておきましょう。
「ダメ押し」の類語
「ダメ押し」の類語・類義語としては、弱っているところに重ねて打撃を与えてさらに厳しい状態に追いやることを意味する「追い打ち」、再び立ち上がれないように決定的な一撃を加えることを意味する「止めを刺す」などがあります。
「念押し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、注意して確かめることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「念押し」はビジネスシーンにおいても使うことができる言葉です。
「ダメ押し」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、駄目を押すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、スポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2は駄目を押すこと、例文3から例文5はスポーツの試合で勝負がほとんどきまっているのにさらに得点を加えて勝利を決定的にすることの意味で使っています。
「念押し」と「ダメ押し」はどちらも確認することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、実際に必要なことを表現したい時は「念押し」を、実は必要ないことを表現したい時は「ダメ押し」を使うと覚えておきましょう。