似た意味を持つ「精度」(読み方:せいど)と「確度」(読み方:かくど)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「精度」と「確度」という言葉は、どちらも「確かさの度合い」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
精度と確度の違い
精度と確度の意味の違い
精度と確度の違いを分かりやすく言うと、精度とは測定値の確かさや仕事の正確さの度合いを表し、確度とは受注の確かさの度合いを表すという違いです。
精度と確度の使い方の違い
一つ目の精度を使った分かりやすい例としては、「どうしたら仕事の精度を高めることができますか」「精度の高いビジネスプランを策定する」「臨床検査の精度管理調査を実施しました」などがあります。
二つ目の確度を使った分かりやすい例としては、「受注確度を高めるために顧客のニーズを把握する」「同僚は確度が低いことに悩んでいるようだ」「器用変成器の確度階級を確認してください」などがあります。
精度と確度の使い分け方
精度と確度という言葉は、どちらも確かさの度合いや尺度を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
精度とは、正確さや精密さの度合いを意味します。「精度管理調査」のような使い方で、仕上がりや測定値などの誤差が小さい度合いを表す言葉です。また、「仕事の精度を高める」のような使い方で、仕事や作業の正確さの度合いも意味します。
確度とは、確かさの度合いや確実さの程度を意味し、主にビジネスシーンで使用されています。「受注確度を高める」「確度が低い」などの使い方で、受注や契約の確かさを表現する言葉です。また、「確度階級」のような使い方で、測定や分析などの分野において、真値に近い度合いも表します。
つまり、精度とは測定値の確かさや仕事の正確さの度合いを表現する時に用いられ、確度とは受注の確かさや真値に近さの度合いを表す時に使用される言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
精度と確度の英語表記の違い
精度を英語にすると「precision」「accuracy」となり、例えば上記の「精度を高める」を英語にすると「improve the precision」となります。
一方、確度を英語にすると「probability」「likelihood」となり、例えば上記の「確度を高める」を英語にすると「enhance accuracy」となります。
精度の意味
精度とは
精度とは、測定する際や器械などの正確さ・精密さの度合い、また、仕事などの正確さの度合いを意味しています。
精度の読み方
精度の読み方は「せいど」です。誤って「しょうど」「せいと」などと読まないようにしましょう。
精度の使い方
精度を使った分かりやすい例としては、「画像認識AIの精度を上げる」「英語の読み取り精度が低い」「定期的にシステム精度試験を実施しています」「日本人は仕事の精度が高いが無駄な会議が多い」などがあります。
その他にも、「高精度の変換器を使用する」「精度の高いマッチングアプリはどれだろう」「第三者機関がによる外部精度管理が行われました」「日本乳がん検診精度管理中央機構の電話番号を調べています」などがあります。
精度の「精」は訓読みで「くわしい」と読み、念入りで細かいことを表し、「度」は「めもり」と読み、程合いやメモリの数値を表します。精度とは、精密さや正確さの程度を意味し、測定値などの誤差が小さい度合いや、仕事などの正確さの度合いを表します。
表現方法は「精度管理」
精度を用いた日本語には「精度管理」があります。精度管理とは、測定結果が正しい物となるように管理することを意味します。臨床検査の精度管理には、各施設において実施される「内部精度管理」と、他施設と比較することでその正確性を担保する「外部精度管理」があります。
精度の対義語
精度の対義語・反対語としては、ぼんやりとしてはっきりしないさまを意味する「漠然」、あてにならないさまを意味する「あやふや」などがあります。
精度の類語
精度の類語・類義語としては、極めて詳しく細かいことを意味する「精緻」、細かく行き届いて綿密なことを意味する「細緻」、細工がこまかくたくみなことを意味する「精工」、細かいところまで行き届いていて手落ちのないことを意味する「緻密」などがあります。
確度の意味
確度とは
確度とは、確かさの度合い、確実さを意味しています。
確度の読み方
確度の読み方は「かくど」です。同じ読み方をする熟語に「角度」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
確度の使い方
確度を使った分かりやすい例としては、「確度が高さで見込み客をグルーピングする」「アポイントは取れるのに商談成立の確度が低い」「確度が高いと感じた時がビジネスチャンスです」などがあります。
その他にも、「セールストークで受注確度を上げる」「AIを活用して投資収益の確度を高める」「トレーダーが確度の高い銘柄を探す」「確度の高い不動産投資をしてみませんか」「国防費を中心に財政拡張の確度が高まる」などがあります。
確度の「確」は訓読みで「たしか」と読み、はっきりしていて間違いがないこと、確実であるさまを表します。物事の程合いを表す「度」と結びつき、確度とは、確かな度合いや確かさを意味します。ビジネスシーンでは「確度の高い見込み客」「確度の低いユーザー」といった表現で使用する言葉です。
表現方法は「受注確度」
上記例文にある「受注確度」とは、営業や販売のプロセスにおいて、購入や契約につながる可能性がどの程度あるのかを判断する指標を意味します。受注確度を管理することは、戦略的な営業が可能になったり、売上予測の正確さが増すなどのメリットがあります。
確度の対義語
確度の対義語・反対語としては、確かではないさまや不確実を意味する「不確か」、物事がはっきりしないことを意味する「曖昧」などがあります。
確度の類語
確度の類語・類義語としては、正しく確かなことを意味する「正確」、的をはずさないで間違いがないことを意味する「的確」、はっきりしていて間違いのないことを意味する「明確」、綿密で正確なさまを意味する「精確」などがあります。
精度の例文
この言葉がよく使われる場面としては、精密さや正確さの程度、仕上がりや測定値などの誤差が小さい度合いを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「精度を上げる」とは、より正確に、より精密にすることを意味します。例文3の「精度が高い」とは、非常に正確である様子を表しています。
確度の例文
この言葉がよく使われる場面としては、確かさの度合い、確実さを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、確度という言葉は、ビジネスシーンで使用されることが多くなっています。
精度と確度という言葉は、どちらも「確かさの度合い」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、測定値の確かさや仕事の正確さの度合いを表現したい時は「精度」を、受注の確かさの度合いを表現したい時は「確度」を使うようにしましょう。