似た意味を持つ「蚊帳の外」(読み方:かやのそと)と「仲間はずれ」(読み方:なかまはずれ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」という言葉は、どちらものけ者にされることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の違い
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の意味の違い
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の違いを分かりやすく言うと、「蚊帳の外」とは集団に入ってる状態でののけ者にされること、「仲間はずれ」とは、集団に入ることすらできない状態のことという違いです。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の使い方の違い
一つ目の「蚊帳の外」を使った分かりやすい例としては、「当事者を蚊帳の外に置いて議論が進んでしまっている」「私だけ蚊帳の外になるなんて寂しいです」「彼女一人蚊帳の外に置かれました」などがあります。
二つ目の「仲間はずれ」を使った分かりやすい例としては、「仲間はずれにされてとても悲しいです」「なぜ仲間はずれにされたのか原因が分かりません」「入学早々仲間はずれにされてしまった」などがあります。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の使い分け方
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」はどちらものけ者にされることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「蚊帳の外」は集団に属しているものの、大切な情報を知らされてなかったり、物事に関与することができなくてのけ者にされている場合に使う言葉になります。一方、「仲間はずれ」は特定の集団にすら入れてもらずのけ者にされている状態に使うと言うのが違いです。
また、どちらもマイナスなイメージの言葉と覚えておきましょう。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」の英語表記の違い
「蚊帳の外」を英語にすると「out of the loop」となり、例えば上記の「彼女一人蚊帳の外に置かれました」を英語にすると「She alone was left out of the loop」となります。
一方、「仲間はずれ」を英語にすると「left out」「leave out」となり、例えば上記の「その子はグループから仲間はずれにされていた」を英語にすると「The boy was left out of the group」となります。
「蚊帳の外」の意味
「蚊帳の外」とは
「蚊帳の外」とは、無視されて不利な扱いを受けることを意味しています。
「蚊帳の外」の読み方
「蚊帳の外」の読み方は「かやのそと」です。誤って「かちょうのそと」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「蚊帳の外に置く」「蚊帳の外に追いやられる」「蚊帳の外扱い」
「蚊帳の外に置く」「蚊帳の外に追いやられる」「蚊帳の外扱い」などが、「蚊帳の外」を使った一般的な言い回しになります。
「蚊帳の外」の使い方
「蚊帳の外」を使った分かりやすい例としては、「彼は自分だけ蚊帳の外に置かれたことに腹を立ててしまった」「開幕連敗したせいで優勝争いから蚊帳の外になっている」「蚊帳の外になることが多いので私の性格に問題があるのだろうか」などがあります。
「蚊帳の外」はとある集団において、無視されて不利な扱いを受けることや物事に関与できない位置に置かれることを意味する言葉です。したがってマイナスなイメージを持つ言葉になります。
例えば、「私はゲーム機を持っていないので、あのゲームの話が始まるといつも蚊帳の外だ」のように、無視されて不利な扱いを受けるというニュアンスで使うのが一般的です。
また、「チームは3連敗し優勝争いから蚊帳の外になってしまった」のように、スポーツシーンにおいて物事に関与できない位置に置かれるというニュアンスで使うこともできます。
「蚊帳の外」の語源
「蚊帳の外」の語源は「蚊帳」です。蚊帳とは夏の夜、蚊や害虫を防ぐために、四隅をつって寝床を覆う道具のことを意味しています。現代では網戸があるためほとんどありませんが、昔はよく使われていました。
この蚊帳の中にいる間は安全で蚊に刺される心配はありませんが、外に出ると刺されてしまう可能性があり不利を被ります。このことが転じて、不利な扱いを受けることを「蚊帳の外」と言うようになりました。
「蚊帳の外」の類語
「蚊帳の外」の類語・類義語としては、仲間はずれにすることを意味する「村八分」(読み方:むらはちぶ)、ある人を忌みきらって排斥することを意味する「爪弾き」、異端として扱うことを意味する「異端視」などがあります。
「仲間はずれ」の意味
「仲間はずれ」とは
「仲間はずれ」とは、仲間に加えられないことを意味しています。
表現方法は「仲間はずれにする」「仲間はずれにされる」「仲間はずれつらい」
「仲間はずれにする」「仲間はずれにされる」「仲間はずれつらい」などが、「仲間はずれ」を使った一般的な言い回しになります。
「仲間はずれ」の使い方
「仲間はずれ」を使った分かりやすい例としては、「仲間はずれにされてしまったが、」独りは慣れているので問題ありません「私はなぜか仲間はずれにされてしまいました」「この中で仲間はずれになっているのはどれですか」などがあります。
「仲間はずれ」とは仲間に加えられないことや仲間から除かれることを意味する言葉です。したがってマイナスなイメージでしか使いません。
また、「仲間はずれ」は意図的に「仲間はずれ」にされるパターンと、意図的ではないけど「仲間はずれ」にされる2パターンがあります。
意図的にされる「仲間はずれ」は、校庭でサッカーを遊んでいる子供達がいて、そこへ一人の子が僕も入れてよと言いにいきます。しかし、お前はダメだと言われ、仲間へ入れてもらえないのが、意図的な「仲間はずれ」です。
一方、意図的ではない「仲間はずれ」は休み時間に昨日のアニメの話で盛り上がっています。しかし、とある子はそのアニメを観ておらず、一緒の会話をする仲間に入れてもらえません。これが意図的ではない「仲間はずれ」になります。
「仲間はずれ」の類語
「仲間はずれ」の類語・類義語としては、仲間から遠ざけられた者のことを意味する「のけ者」、嫌ってのけものにすることを意味する「疎外」、あってもないもののように軽んじることを意味する「蔑ろ」(読み方:ないがしろ)などがあります。
「蚊帳の外」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、無視されて不利な扱いを受けることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「蚊帳の外」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「仲間はずれ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、仲間に加えられないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「仲間はずれ」はマイナスなイメージで使われている言葉です。
「蚊帳の外」と「仲間はずれ」はどちらものけ者にされることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、集団に入ってる状態でののけ者にされるのが「蚊帳の外」、集団に入ることすらできない状態のことを表現したい時は「仲間はずれ」と覚えておきましょう。