似た意味を持つ「主力」(読み方:しゅりょく)と「主要」(読み方:しゅよう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「主力」と「主要」という言葉は、どちらも「物事の中心」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
主力と主要の違い
主力と主要の意味の違い
主力と主要の違いを分かりやすく言うと、主力とは中心となって力を発揮するもの、主要とは中心となっていて重要であることという違いです。
主力と主要の使い方の違い
一つ目の主力を使った分かりやすい例としては、「主力商品に注力することで売上がアップしました」「各国の主力戦車を一覧表にしました」「主力艦保有率は条約で定められています」「AI産業は日本が主力を注ぐべき事業です」などがあります。
二つ目の主要を使った分かりやすい例としては、「IT産業は世界の主要産業の一つです」「主要取引先とは良好な関係を築いています」「次の主要国首脳会議の開催地はどこですか」「主要通貨のレートは毎日チェックしています」などがあります。
主力と主要の使い分け方
主力と主要という言葉は、どちらも物事の中心となっているさまを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
主力とは、「主力を注ぐ」のような使い方で、何か行なう際の主な力を意味します。また、「主力商品」「主力選手」のような使い方で、中心となる勢力や戦力を表す言葉です。主力選手とは、スポーツのチームにおいて中心で活躍する選手を指します。
主要とは、ある事柄の中心となっていて重要であること、欠かせない大切なことを意味します。「主要通貨」とは、世界の外国為替市場で頻繁に売買されている通貨のことであり、米ドル、日本円、ユーロ、イギリスポンドなどを指します。
つまり、主力とは物事の中心となって力を発揮するものを表し、主要とは物事の中心となっていて重要であることを意味する言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
主力と主要の英語表記の違い
主力を英語にすると「main force」「backbone」「flagship」となり、例えば上記の「主力商品」を英語にすると「a flagship product」となります。
一方、主要を英語にすると「chief」「main」「principal」となり、例えば上記の「主要産業」を英語にすると「the chief industries」となります。
主力の意味
主力とは
主力とは、出せる力のうちのおもな部分、主な力を意味しています。
その他にも、「中心となって力を発揮するもの、主要な戦力や勢力」の意味も持っています。
主力の読み方
主力の読み方は「しゅりょく」です。誤って「しゅりき」「すりょく」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「主力となる」「主力メンバー」
「主力となる」「主力メンバー」などが、主力を使った一般的な言い回しです。
主力の使い方
「弊社は研究開発に注力を注いでいます」「認知向上のためPR活動に主力を注ぐ」「英語の学習に主力を注ぐべきです」などの文中で使われている主力は、「出せる力のうちの主な部分」の意味で使われています。
一方、「野球チームの主力選手として活躍する」「主力戦艦艦隊、抜錨せよ」「おでんはコンビニの主力商品です」などの文中で使われている主力は、「中心となって力を発揮するもの」の意味で使われています。
主力とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で使用されているため、文脈により意味を捉える必要があります。主力の「主」は中心となって事をすること、「力」は物に備わる働きや勢いを表します。
「主力商品」の意味
主力を用いた日本語には「主力商品」があります。主力商品とは、その企業のコンセプトに照らした際に品揃えの中で最も主要な位置を占める商品群を指す四字熟語です。多くは競合に比べて絶対的に強い商品や製品を言います。
主力の対義語
主力の対義語・反対語としては、必要なときのために用意しておくことを意味する「予備」、不足しているところを補い助けることを意味する「補助」などがあります。
主力の類語
主力の類語・類義語としては、物事の集中する場所を意味する「中心」、大切な事柄や必要な事項を意味する「要項」、物事のいちばん大切なところを意味する「重点」、重視する所や主眼を意味する「力点」などがあります。
主要の意味
主要とは
主要とは、いろいろある中で特に大切なこと、また、そのさまを意味しています。
主要の読み方
主要の読み方は「しゅよう」です。同じ読み方をする熟語に「主用」や「腫瘍」がありますが、意味が異なるため書き間違いに注意しましょう。
表現方法は「主要メンバー」「主要なもの」
「主要メンバー」「主要なもの」などが、主要を使った一般的な言い回しです。
主要の使い方
主要を使った分かりやすい例としては、「この道路は主要地方道とは繋がっていません」「首都圏の主要5方面すべてにグリーン車が導入されました」「当社の主要株主である筆頭株主に異動がありました」「アジア地域の主要都市と東京を比較してみよう」などがあります。
その他にも、「主要教科は英語による授業を実施しています」「建築物の主要構造部が耐火構造になっている」「地震の初期微動と主要動との時間差を利用する」「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律が施行されました」などがあります。
主要の「主」は訓読みで「おも」と読み、いろいろある中で大切で中心になっていることを表す漢字です。大切なところを表す「要」と組み合わさり、主要とは、物事の中心になる非常に大事なことを意味します。
「主要株主」の意味
主要を用いた日本語には「主要株主」があります。主要株主とは、ある会社の発行済み株式に対して、議決権のある株式の総数の10%以上に相当する数の株式を保有する株主を指します。株式を最も多く保有している株主である「筆頭株主」と区別して使用される言葉です。
主要の対義語
主要の対義語・反対語としては、ある物事が他の物事につき従っていることを意味する「付随」、付随する関係にあることや副次を意味する「二次」などがあります。
主要の類語
主要の類語・類義語としては、物事の根本や成否などに大きくかかわることを意味する「重要」、重要で欠くことのできないさまを意味する「大事」、極めて大切な要点であることを意味する「肝心要」などがあります。
主力の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事を行なう時の主な力、中心となる勢力、軍隊が戦闘をする時に主要な任務を遂行する部隊を表現したい時などが挙げられます。
例文4にある「主力戦車」とは、主戦闘戦車のことであり、第2次世界大戦後に生れた戦場において単独で戦闘できる戦車を意味します。
主要の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の中心となっていて重要であること、どうしても欠かせない大切なことを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある主要都市とは、都市の中でも位置づけや機能が重要な都市を意味します。日本においては、政令指定都市や県庁所在地などを指すことがほとんどです。
主力と主要という言葉は、どちらも物事の中心となっているさまを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物事の中心となって力を発揮するものを表現したい時は「主力」を、物事の中心となっていて重要であることを表現したい時は「主要」を使うようにしましょう。