【無下】と【無碍】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文
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同じ「むげ」という読み方の「無下」と「無碍」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「無下」と「無碍」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。



無下と無碍の違い

無下と無碍の意味の違い

無下と無碍の違いを分かりやすく言うと、無下とは冷淡であることを意味し、無碍とは何ものにもとらわれないことを意味するという違いです。

無下と無碍の使い方の違い

一つ目の無下を使った分かりやすい例としては、「援助の申し出を無下に拒絶した」「子供の話を無下にあしらう」「取引先の要求を無下にはできない」「借り物を無下に扱うのはやめなさい」などがあります。

二つ目の無碍を使った分かりやすい例としては、「祖父は融通無碍な発想の持ち主だ」「彼の自由無碍な発想には驚かされる」「第二の人生は無碍に生きることにした」「因習を打破する無碍な思想が必要だ」などがあります。

無下と無碍の使い分け方

無下と無碍という言葉は、どちらも「むげ」と読み、「無」という共通する漢字を含む熟語ですが、意味や使い方は異なります。無下とは冷淡であることや、度外れなことを意味します。一方、無碍とは妨げのないことや、何ものにもとらわれないことを意味します。

上記の例文の「無下に拒絶した」とは、一切の配慮がなく冷淡にはっきりと断ることを表します。「無碍に生きる」とは、束縛がなく自由に生きることを表します。無下と無碍という言葉は同音異義語のため、互いに置き換えて使うことはできない言葉です。

無下と無碍の英語表記の違い

無下を英語にすると「squarely」「flatly」「completely」となり、例えば上記の「無下に拒絶した」を英語にすると「squarely refused」となります。

一方、無碍を英語にすると「freedom」「free from obstacles」「flexible」となり、例えば上記の「融通無碍」を英語にすると「quite flexible」となります。

無下の意味

無下とは

無下とは、冷淡なこと、そっけないことを意味しています。

その他にも、度外れなこと、むやみなことの意味も持っています。

表現方法は「無下にあしらう」「厚意を無下にする」「自分を無下にする」

「無下にあしらう」「厚意を無下にする」「自分を無下にする」などが、無下を使った一般的な言い回しです。

無下の使い方

「申し出を無下に拒むことはできない」「生徒の意見を無下にあしらうような先生ではない」「お米ひとつぶでも無下にはできないよ」「物事を無下に扱う人は信用できない」「慕ってくれるのに無下に突き放すことはできない」などの文中で使われている無下は、「冷淡なさま」の意味で使われています。

一方、「夜は無下に出歩かない方がよい」「洋服を無下に買い込むようになった」「商品を無下にさわらないように」「無下な倹約はストレスになるよ」などの文中で使われている無下は、「度外れなさま」の意味で使われています。

無下という言葉は、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、冷淡なさまの意味で使われることが多い言葉です。無下は名詞ですが、「無下に」という副詞で使われることが多い言葉です。

「無下にする」の意味

無下を用いた言い回しには「無下にする」があります。捨てて顧みないでいる、すげなくする、だいなしにする、むだにするの意味があり、「善意を無下にするのは心苦しい」などと使います。

無下の対義語

無下の対義語・反対語としては、相手の身になって、その人のために何かをすることを意味する「親切」、思いやりの心が強いことを意味する「情け深い」、あたたかみのある優しい心を意味する「温情」などがあります。

無下の類語

無下の類語・類義語としては、思いやりがなくむごいことを意味する「冷酷」、人間らしい感情をもたないことを意味する「非情」、思いやりの心がないことやあわれみの心がないことを意味する「無慈悲」などがあります。

無碍の意味

無碍とは

無碍とは、妨げのないこと、何ものにもとらわれないことを意味しています。

無碍の使い方

無碍を使った分かりやすい例としては、「子供の無碍な発想を大事にしたい」「時には無碍に考えた方が上手くいくよ」「キャンバスに感じたことを無碍に表現して」「無碍な着想が発明につながる」などがあります。

その他にも、「思いがけないトラブルも融通無碍に対処する」「彼女の自由無碍な行動に手を焼くことがある」「彼は闊達無碍を信条としている」「動物の食性は融通無碍だという」「大空を自由無碍に鳥たちが飛び交う」などがあります。

無碍は「無礙」とも書きます。「碍」は「礙」の俗字であり、一般的には無碍と書き表します。

無碍という言葉の「碍」とは妨げることや邪魔をすることを表し、打消しの「無」と結びついて、無碍は邪魔するもののないさまや、何ものにもとらわれないことを意味します。

「無碍にできない」「無碍な扱い」は誤字

無碍の間違えやすい言い回しには「無碍にできない」「無碍な扱い」があり、これらは正しくは「無下にできない」「無下な扱い」です。

「融通無碍」「自由無碍」「闊達無碍」の意味

無碍を用いた四字熟語には「融通無碍」「自由無碍」「闊達無碍」があります。「融通無碍」「自由無碍」は考え方や行動にとらわれるところがなく自由であることを表し、「闊達無碍」は度量が広く、小さなことにこだわらないよう様子を表します。

無碍の対義語

無碍の対義語・反対語としては、思想や行動などの自由を制限することを意味する「拘束」、制限を加えて行動の自由を奪うことを意味する「束縛」、物事にある限界を設けることを意味する「制限」などがあります。

無碍の類語

無碍の類語・類義語としては、分の意のままに振る舞うことができることを意味する「自由」、自分の思うとおりにできることを意味する「自在」、その場に応じた処置や判断のできるさまを意味する「柔軟」などがあります。

無下の例文

1.せっかくのご厚意を無下にすることになり、申し訳ありません。
2.彼女の好意を無下にするのはもったいないから、一度付き合ってみようかな。
3.いくら新入社員でも社長のご子息なのだから、無下に扱えないだろう。
4.親が自分を無下にすると感じて、非行に走る子供もいる。
5.クレーマーだからといって、無下にあしらうわけにはいかない。

この言葉がよく使われる場面としては、冷淡なさま、度外れなさまを表現したい時などが挙げられます。

例文1と例文2に「厚意を無下にする」「好意を無下にする」とありますが、厚意はもっぱら思いやりの心を意味するのに対して、好意は思いやりだけでなく、恋愛感情も意味します。例文5にある「無下にあしらう」とは、相手を軽んじて冷たい対応をすることを表す言葉です。

無碍の例文

1.海外旅行先で、英語を無碍自在に使う彼がとても頼もしかった。
2.彼は型にはまらない、自由無碍な発想の持っている面白い男だ。
3.子供には融通無碍にのびのびと過ごして欲しいと思っていたが、知らず知らずのうちに束縛していた。
4.手紙に「人の好意を無碍にできない」と書いてあるが、「無下にできない」の間違いだろう。
5.メールに「親切を無碍にするな」と書いてあるが、「無下にするな」の変換ミスだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、妨げのないこと、何ものにもとらわれないことを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「無碍自在」は障りや妨げが無く自由自在であるこを意味し、無礙自在とも書きます。例文4にあるように「好意を無碍にできない」は誤り、正しくは「無下にできない」です。例文5にあるように、無碍と無下は同音の言葉なので、変換ミスにより誤用となりやすい言葉です。

無下と無碍という言葉は、どちらも「むげ」と読む言葉ですが、意味は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、冷淡であることを表現したい時は「無下」を、何ものにも縛られないことを表現したい時は「無碍」を使うようにしましょう。

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