似た意味を持つ「大会」(読み方:たいかい)と「試合」(読み方:しあい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「大会」と「試合」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
大会と試合の違い
大会と試合の意味の違い
大会と試合の違いを分かりやすく言うと、大会とは勝負に限らず大規模な集まりに使われ、試合とは勝負を決める競い合いに使われるという違いです。
大会と試合の使い方の違い
一つ目の大会を使った分かりやすい例としては、「党大会をオンラインにて開催します」「マラソンの大会ボランティアの募集する」「パラリンピック大会組織委員会の定例会見があった」「花火大会が楽しみです」などがあります。
二つ目の試合を使った分かりやすい例としては、「野球チームの遠征試合をテレビで応援する」「今日の試合結果はどうでしたか」「試合前の食事に気を遣う」「ベストな状態で試合に臨む」などがあります。
大会と試合の使い分け方
大会と試合という言葉は、どちらもスポーツの催しに使われ「サッカーの大会」「サッカーの試合」などと同じような表現をしますが、意味や使い方には大きな違いがあります。
大会とは、大規模な集まりや、ある組織の全体的な会合を意味します。「マラソン大会」のようにスポーツや演芸などの大規模な会合を表す一方、「党大会」「原水爆禁止世界大会」のように特定の団体メンバーが何かを話し合うために開く会合も表します。
試合とは、スポーツや武術などで勝負を争うことを意味します。ある競技や武芸において、個人や集団同士が互いに技を競い合い、勝敗を決めることを表します。
つまり、大会とはスポーツや勝負に限らない大規模な会合を表し、試合とはスポーツや勝負に限った競い合いを表します。スポーツ競技における大会とは、たくさんの試合が集まった大規模な催しのことです。
大会と試合の英語表記の違い
大会を英語にすると「convention」「congress」となり、例えば上記の「党大会」を英語にすると「the national convention」となります。一方、試合を英語にすると「match」「game」となり、例えば上記の「遠征試合」を英語にすると「an away match」となります。
大会の意味
大会とは
大会とは、大規模な集まり、大きな会合を意味しています。
その他にも、ある組織や会の全体的な会合の意味も持っています。
大会の読み方
大会の読み方は「たいかい」です。「だいかい」と読まれることもありますが、一般的ではありません。また、「だいえ」と読む場合、仏教用語で「規模の大きい法会」を表します。
表現方法は「大会を迎える」「大会を行う」「大会を制する」
「大会を迎える」「大会を行う」「大会を制する」などが、大会を使った一般的な言い回しです。
大会の使い方
「大会ボランティアを募集しています」「マラソン大会前の食事におすすめです」「英語の弁論大会に出る」「大会中止のお知らせの例文を探しています」「大会中止による参加費の返金を案内する」などの文中で使われている大会は、「大規模な集まり、大きな会合」の意味で使われています。
一方、「労働組合の大会に参加する」「オリンピック大会組織委員会が発足した」「医学会学術大会が開催されました」などの文中で使われている大会は、「ある組織や会の全体的な会合」の意味で使われています。
大会という言葉は、上記の例文にあるように二つの意味があり、それぞれの意味で使われているので文脈により捉える必要があります。大会の原義は大きな会合であり、スポーツや演芸などの大規模な会合にも用いられています。
「弁論大会」の意味
上記の例文にある「弁論大会」とは、弁論の協議会のことです。大会のテーマによって、弁論技術が評価の中心となる場合と、主張の内容が評価の中心となる場合とがあります。また、大会の規模はさまざまで、学校の行事レベルから全国レベルからまであります。
「オリンピック競技大会組織委員会」の意味
大会という言葉を用いた日本語には「オリンピック競技大会組織委員会」があります。オリンピックの開催都市において、大会全般の運営のために組織される委員会のことです。日本で開催された東京オリンピックのために、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が発足しました。
大会の対義語
大会の対義語・反対語としては、ささやかな集会や小人数の会合を意味する「小会」、数人が集まり意見などを気楽に話し合う会を意味する「座談会」などがあります。
大会の類語
大会の類語・類義語としては、その団体に所属する全員によって組織される会合を意味する「総会」、ある組織がそれぞれの部門ごとで行う会合を意味する「部会」、日を決めて定期的に開く会を意味する「例会」などがあります。
試合の意味
試合とは
試合とは、スポーツや武術などの技を比べ合い勝敗を競うことを意味しています。
表現方法は「試合をする」「試合を作る」「試合に臨む」
「試合をする」「試合を作る」「試合に臨む」などが、試合を使った一般的な言い回しです。
試合の使い方
試合を使った分かりやすい例としては、「体調を整えて試合に臨む」「試合前の食事はタンパク質中心です」「試合前にカステラを食べる」「プロ野球の試合結果が気になる」「試合に負けて勝負に勝つ」などがあります。
その他にも、「英語ディベートの練習試合を行います」「試合前に聴く曲があります」「試合速報をラジオアプリで聞く」「今日の投手が完全試合を達成するか注目される」「Jリーグの試合日程を確認する」などがあります。
試合という言葉は、もともと「為(し)合い」と書き表しましたが、現在では当て字が使われ「試合」や「仕合」と書きます。「試合」は主に競技や武術で技を競って勝負を争うことを表します。「仕合」は「泥仕合」のように使われ、互いに相手方に対して同じようなことを仕掛けることを表します。
「完全試合」の意味
上記の例文にある「完全試合」とは、野球において、1人の先発投手が相手チームを無得点に抑えるだけでなく、ノーヒット、無四死球、無失策で1人の走者も塁に出さず完全に相手を封じ完投して勝った試合のことです。
「御前試合」の意味
試合という言葉を用いた日本語には「御前試合」があります。 武家時代に将軍や大名などの面前で行なわれた武術の試合のことです。また、現在では天皇の前で行う試合も意味し、「天覧試合」とも言います。
試合の類語
試合の類語・類義語としては、競技や試合あるいは勝負を意味する「ゲーム」、試合や競技を意味する「マッチ」、優勝決定戦に出場する人やチームを選び出すための試合を意味する「予選」、公式の試合を意味する「公式戦」、競技などで相手となって戦うことを意味する「対戦」などがあります。
大会の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大規模な集まりや、ある組織の全体的な会合を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある大会は、大規模な集まりや会合を意味します。例文3や例文4にあるように、大会はスポーツに関する大規模な集まりの意味で使われることが多くあります。例文5にある大会は、ある組織の全体的な会合の意味で使われています。
試合の例文
この言葉がよく使われる場面としては、競技や武芸などで互いに腕を比べ勝敗を争うことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「試合速報」とは、試合の経過や結果を素早く知らせることを意味します。例文4の「対校試合」とは学校と学校とがある事柄について対抗して技量を競い合うことを表します。
大会と試合という言葉は、似ていても意味は大きく異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、大規模な会合を表現したい時は「大会」を、勝敗を決める競い合いを表現したい時は「試合」を使うようにしましょう。