【わだかまり】と【しこり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「わだかまり」と「しこり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「わだかまり」と「しこり」という言葉は、どちらも人間関係や感情に関するネガティブな状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「わだかまり」と「しこり」の違い

「わだかまり」と「しこり」の意味の違い

「わだかまり」と「しこり」の違いを分かりやすく言うと、「わだかまり」は現在進行中の感情に対して使う、「しこり」は過去の感情に対して使うのがという違いです。

「わだかまり」と「しこり」の使い方の違い

一つ目の「わだかまり」を使った分かりやすい例としては、「仲直りはしたがまだわだかまりが残っているのを感じた」「わだかまりを解いてまた素直に話せるようになりました」「謝罪した後も彼らの間にはまだわだかまりがある」などがあります。

二つ目の「しこり」を使った分かりやすい例としては、「口論はとっくに終わったが今でもしこりのような苦みが残っている」「過去の争いのしこりが今でも二人の関係に影を落としています」「何年経ってもその出来事は心のしこりとして残っている」などがあります。

「わだかまり」と「しこり」の使い分け方

「わだかまり」と「しこり」はどちらも人間関係や感情に関するネガティブな状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です

「わだかまり」は「彼とはもう普通に話せるがどこか心にわだかまりがある」のように、まだ現在進行中の感情に対して使う言葉になります。

一方、「しこり」は「昔のトラブルは解決したけれど今でも心にしこりが残っている」のように、過去の感情が沈着した状態で使う言葉です。

つまり、現在進行中の感情に対して使うのが「わだかまり」、過去の感情に対して使うのが「しこり」と覚えておきましょう。

「わだかまり」と「しこり」の英語表記の違い

「わだかまり」を英語にすると「grudge」「resentment」「bad blood」となり、例えば上記の「謝罪した後も彼らの間にはまだわだかまりがある」を英語にすると「There’s still some bad blood between them, even after they apologized」となります。

一方、「しこり」を英語にすると「emotional scar」「emotional residue」「lingering bitterness」となり、例えば上記の「何年経ってもその出来事は心のしこりとして残っている」を英語にすると「Even after all these years, the incident left an emotional scar」となります。

「わだかまり」の意味

「わだかまり」とは

「わだかまり」とは、心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分のことを意味しています。

「わだかまり」の漢字表記

「わだかまり」を漢字にすると、「蟠り」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「わだかまり」を使うようにしましょう。

表現方法は「わだかまりが溶ける」「わだかまりが残る」「心のわだかまり」

「わだかまりが溶ける」「わだかまりが残る」「心のわだかまり」などが「わだかまり」を使った一般的な言い回しになります。

「わだかまり」の使い方

「わだかまり」を使った分かりやすい例としては、「わだかまりを持ったまま会うのは正直つらいです」「彼の言葉にはまだわだかまりがにじみ出ていた」「心にわだかまりがあると素直な言葉が出てきません」「些細なことでもわだかまりになると関係に影響を及ぼします」などがあります。

「わだかまり」は感情のしこりや人との間に生じたもやもやした思いを表す言葉です。簡単に言うならば、相手との関係の中で、納得できない出来事や誤解、不満などが心に引っかかっている状態を指します。

分かりやすい例を挙げると、謝罪がないまま別れた友人との関係や、言いたいことを飲み込んでしまった職場での出来事などがあります。

「わだかまり」の特徴

「わだかまり」は多くの場合、人間関係における感情の行き違いから生まれるのです。主なきっかけを挙げると、誤解やすれ違い、謝罪や説明の不足、信頼関係の崩壊などがあります。

「わだかまり」を解消するには自分の感情を見つめたり、話し合いの機会を持つことが大切だと言われています。

「わだかまり」の類語

「わだかまり」の類語・類義語としては、相手を信用できない感情のことを意味する「不信感」があります。

「しこり」の意味

「しこり」とは

「しこり」とは、物事がかたづいたあとまで残るわだかまりのことを意味しています。筋肉や皮下組織などの一部が、こってこわ張ったり、固いかたまりをつくったりすることの意味も持っています。

「しこり」の漢字表記

「しこり」を漢字にすると、「凝り」「痼り」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「しこり」を使うようにしましょう。

「しこり」の使い方

「和解したはずなのに心にしこりを感じる」「すべて解決したように見えてもしこりは心に残り続けています」などの文中で使われている「しこり」は、「物事がかたづいたあとまで残るわだかまりのこと」の意味で使われています。

一方、「胸に違和感があり触ると小さなしこりがあるのに気づきました」「腕のしこりが痛むので病院で診てもらいました」などの文中で使われている「しこり」は、「筋肉や皮下組織などの一部が、こってこわ張ったり、固いかたまりをつくったりすること」の意味で使われています。

「しこり」は、体の異変や心に残る感情の重さを表す言葉です。簡単に言うならば、筋肉や皮膚の下にできる硬いかたまりや、人間関係の中で解消されずに残るもやもやした気持ちのことを指しています。

「しこり」の特徴

「しこり」は大きく分けて身体的なものと心理的なものの2つがあります。

物事がかたづいたあとまで残るわだかまりのことの意味の場合は、感情が整理されないまま時間が経ち、心の中に澱のように残る感覚で心理的なニュアンスで使います。

一方、筋肉や皮下組織などの一部が、こってこわ張ったり、固いかたまりをつくったりすることの意味は、物理的なニュアンスで、病気の兆候である場合もあり、注意深く観察することが必要です

「しこり」の類語

「しこり」の類語・類義語としては、感情がつかえて表に出せない状態を意味する「引っかかり」があります。

「わだかまり」の例文

1.話し合いを重ねた結果、ようやく彼とのわだかまりが解けました。
2.長年のわだかまりを解消できて、気持ちがとても軽くなりました。
3.わだかまりを残したまま別れるのは、とても後味が悪いものですね。
4.心の中のわだかまりを正直に伝える勇気が、今の私には必要だと感じました
5.二人の間には、些細な誤解からわだかまりが生まれています。

この言葉がよく使われる場面としては、心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「わだかまり」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「しこり」の例文

1.相手に気を遣いすぎて、会話にしこりができたように感じました。
2.とっくの昔に話し合いは終わったが、心の奥に小さなしこりが残り続けています。
3.昔の些細な喧嘩が、大人になった今も心のしこりとなって消えないでいます。
4.皮下のしこりが大きくなったので、早めに病院で診てもらうことにしました。
5.手術後しばらくは、皮膚の下にしこりができて違和感があったので、先生に相談をしました。

この言葉がよく使われる場面としては、物事がかたづいたあとまで残るわだかまりのことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、筋肉や皮下組織などの一部が、こってこわ張ったり、固いかたまりをつくったりすることを表現したい時にも使います。

例文1から例文3は物事がかたづいたあとまで残るわだかまりのこと、例文4と例文5は筋肉や皮下組織などの一部が、こってこわ張ったり、固いかたまりをつくったりすることの意味で使っています。

「わだかまり」と「しこり」はどちらも人間関係や感情に関するネガティブな状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現在進行中の感情に対して使うのが「わだかまり」、過去の感情に対して使うのが「しこり」と覚えておきましょう。

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