似た意味を持つ「反撃」(読み方:はんげき)と「逆襲」(読み方:ぎゃくしゅう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「反撃」と「逆襲」という言葉は、どちらも「敵の攻撃に対して、逆に攻撃を仕返すこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
反撃と逆襲の違い
反撃と逆襲の意味の違い
反撃と逆襲の違いを分かりやすく言うと、反撃とは単に敵の攻撃に対して攻め返すことを表し、逆襲とは劣勢から巻き返して攻め返すことを表すという違いです。
反撃と逆襲の使い方の違い
一つ目の反撃を使った分かりやすい例としては、「後半になって盛り返し反撃に出る」「反撃能力の保有を閣議決定しました」「自衛隊は反撃ミサイルを初めて一般公開した」「攻撃を受ければ即時に反撃するつもりだ」などがあります。
二つ目の逆襲を使った分かりやすい例としては、「劣勢から立ち直って見事な逆襲を遂げた」「彼は密かに逆襲を企んでいるようです」「油断せずに敵の逆襲に備えておこう」「円に対するドルの逆襲はインバウンドを増やしました」などがあります。
反撃と逆襲の使い分け方
反撃と逆襲という言葉は、どちらも敵からの攻撃に対して、逆にこちら側が攻撃を仕返すことを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
反撃とは、敵の攻撃に対して攻め返すことを意味します。スポーツの試合や戦争などで使用されることが多い言葉ですが、日常生活の嫌がらせやビジネスシーンの競争についても用いられることがあります。
逆襲とは、相手からの攻撃で劣勢にあったものが、逆に相手に対して攻撃を仕掛けることを意味します。力や勢いが相手よりも劣っている状態から巻き返すというニュアンスがあり、形勢不利の状況から逆に攻め返す場合に用いられることが多い言葉です。
つまり、反撃とは単に敵の攻撃に対して攻め返すことを意味し、逆襲とは劣勢から巻き返して攻撃を仕掛けることを表現します。二つの言葉は似ていますが、厳密な意味は異なるので区別して使うようにしましょう。
反撃と逆襲の英語表記の違い
反撃も逆襲も英語にすると「counterattack」となり、例えば上記の「反撃に出る」を英語にすると「launch a counterattack」となります。
反撃の意味
反撃とは
反撃とは、敵の攻撃に対して、防御にとどまらずに攻めかえすことを意味しています。
反撃の使い方
反撃を使った分かりやすい例としては、「イランはイスラエルに反撃するだろう」「世界に向けて反撃能力があることを示す」「反撃の炎が再び燃え上がる」「どれほど効果的に反撃できるかが問題です」などがあります。
その他にも、「反撃に転じる機会を狙い続けている」「有効な反撃を加える能力を持つ」「反撃を意味する四字熟語をご存知でしょうか」「不意を突かれて反撃を受ける」「おとなしい彼女が反撃に出るとは思わなかった」などがあります。
反撃の「反」は跳ね返すことや対立することを表し、「撃」は強くうち当てることや武力を加えることを表します。反撃とは、敵からの攻撃に対して、逆にこちらから攻撃を仕掛けることを意味します。
反撃を表すことわざ
反撃を表すことわざには、「窮鼠猫を噛む」があります。「窮鼠猫を噛む」とは、追いつめられた鼠が猫にかみつくように、弱い者も追いつめられると強い者に反撃することがあることを意味しています。
反撃の対義語
反撃の対義語・反対語としては、戦いに負けて服従することを意味する「降参」などがあります。
反撃の類語
反撃の類語・類義語としては、守勢であったものが逆に攻勢に転じて攻めることを意味する「反攻」、仕返すことや報復することを意味する「仕返し」、サッカーやラグビーで防御から一転して攻撃に移ることを意味する「カウンターアタック」などがあります。
逆襲の意味
逆襲とは
逆襲とは、攻撃されて守勢に立っていた者が、勢いを転じて逆に相手を攻撃することを意味しています。
逆襲の使い方
逆襲を使った分かりやすい例としては、「逃げ切れるかと思いきや逆襲にあい撤退するしかなかった」「彼女はついて逆襲を決意したようだ」「そろそろ野党が与党に逆襲を仕掛けてくるだろう」などがあります。
その他にも、「劣勢に立たされていた状態から逆襲に転じる」「敵に逆襲され立往生してしまった」「タイミングを見計らって逆襲に出るつもりです」「まさか逆襲を受けるとは思っていなかった」などがあります。
逆襲の「逆」は方向や事態などと反対であること、「襲」は相手に向かって危害を加えようと突然向かっていくことを表します。逆襲とは、攻撃されていた者が勢いを転じて反対に攻撃することを意味し、激しい攻撃の様子を表す言葉です。
四字熟語「捲土重来」の意味
逆襲を意味する四字熟語には「捲土重来」(読み方:けんどちょうらい)があります。捲土重来とは、巻き起こった土煙が再びやって来ることの意味から、 一度敗れたり失敗したりした者が、再び勢いを盛り返して巻き返すことのたとえとして用いられています。
逆襲の対義語
逆襲の対義語・反対語としては、戦いに負けたことを認めて相手に従うことを意味する「降伏」などがあります。
逆襲の類語
逆襲の類語・類義語としては、ひどいことをした相手に対して同じような行為をすることを意味する「報復」、恨みに対して仕返しをすることを意味する「返報」、仕返しをすることを意味する「敵討ち」、負けたことのある相手を破って名誉を取り戻すことを意味する「雪辱」などがあります。
反撃の例文
この言葉がよく使われる場面としては、攻撃してきた相手に対して攻め返すことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、反撃の慣用的な言い回しには「猛反撃」「反撃に出る」「反撃する」などがあります「猛反撃」とは、相手の攻撃に対して激しく攻めかえすことです。
逆襲の例文
この言葉がよく使われる場面としては、敵から攻められて防ぎ手に回っていたものが、転じて攻撃にうつることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、逆襲の慣用的な言い回し、慣用的な表現には「大逆襲」「逆襲劇」「逆襲する」などがあります。逆襲劇とは、逆襲が主たるモチーフとなっている演劇作品のことです。
反撃と逆襲という言葉は、どちらも「敵の攻撃に対して、逆に攻撃を仕返すこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、不利な形勢から盛り返して攻撃することを表現したい時は「逆襲」を使うようにしましょう。