【野良猫】と【どら猫】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「野良猫」(読み方:のらねこ)と「どら猫」(読み方:どらねこ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「野良猫」と「どら猫」という言葉は、どちらも飼い主のいない猫のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「野良猫」と「どら猫」の違い

「野良猫」と「どら猫」の違いを分かりやすく言うと、「野良猫」は飼い主のいない猫を客観的に表現すること、「どら猫」は荒々しくて人に迷惑をかけるような猫を否定的に表現することという違いです。

一つ目の「野良猫」を使った分かりやすい例としては、「野良猫が日向で気持ちよさそうに寝ていた」「駅前の花壇にいつも同じ野良猫が座っている」「野良猫が庭に入り込んで植木鉢を倒してしまった」「野良猫が物陰に隠れて様子をうかがっていた」などがあります。

二つ目の「どら猫」を使った分かりやすい例としては、「子猫だったあの猫もいつの間にかどら猫になっていた」「どら猫が植木鉢をひっくり返して逃げていった」「あの黒いどら猫は地域でも悪さで有名です」「どら猫がまた隣の家の洗濯物の上で寝ていました」などがあります。

「野良猫」と「どら猫」はどちらも飼い主のいない猫のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「野良猫」は「公園で野良猫を見かけたけれど、人に慣れている様子だった」のように、単に飼い主がいない猫や外で生活している猫を指す中立的な言葉になります。

一方、「どら猫」は「夜中にゴミをあさるどら猫のせいで騒がしくて眠れなかった」のように、迷惑な行動をする猫に対して使う、やや蔑んだ表現になります。

つまり、飼い主のいない猫を客観的に表現するのが「野良猫」、荒々しくて人に迷惑をかけるような猫を否定的に表現するのが「どら猫」と覚えておきましょう。

「野良猫」も「どら猫」も英語にすると「stray cat」「feral cat」となり、例えば上記の「野良猫が物陰に隠れて様子をうかがっていた」を英語にすると「A stray cat was hiding in the shadows, watching cautiously」となります。

「野良猫」の意味

「野良猫」とは、飼い主のない猫のことを意味しています。

「野良猫」を使った分かりやすい例としては、「母が毎日野良猫にごはんをあげている」「野良猫が人に慣れていると保護されやすくなります」「昼間は見かけないが夜になると野良猫がうろついている」「雨の日でも野良猫は濡れながら歩いていました」などがあります。

「野良猫」は飼い主がいない、または飼われていたことがあっても現在は自由に外で生活している猫のことを指す言葉です。簡単に言うならば、人間の管理下にはなく、街中や公園、住宅街などで独りで生活している猫のことを言います。

「野良猫」は多くの場合、人間社会との関わりの中で生まれた存在です。主なきっかけを挙げると、無責任な飼い主による遺棄や、繁殖のコントロールがされていないまま生まれた子猫たちの放置などがあります。

そうした結果として、特定の場所で定住する「地域猫」として見守られることもありますが、多くは過酷な環境の中で生きています。

「野良猫」の語源は「のらりくらりしている猫」です。これの「のら」に漢字の「野良」を当てて、「野良猫」になったと言われています。

「野良猫」の類語・類義語としては、特定の個人ではなくその地域の住民が共同で飼育と管理をしている猫のことを意味する「地域猫」などがあります。

「どら猫」の意味

「どら猫」とは、盗み食いなどをするずうずうしい猫のことを意味しています。

「どら猫」を使った分かりやすい例としては、「あのどら猫がまたゴミ箱をひっくり返していた」「どら猫同士のケンカが夜中に始まって目が覚めた」「どら猫はエサの匂いに敏感ですぐに寄ってくる」「どら猫が郵便受けの中に入り込んでいてびっくりした」などがあります。

「どら猫」は、飼い主を持たずに自由に外で暮らす猫のことを指す俗語です。特に荒々しい性格や行動をする猫に対してよく使われています。

「どら猫」はただの野良猫ではなく、ふてぶてしくて食べ物などの盗みをする猫のことを指しています。したがって、基本的にはマイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「どら猫」の良くない点としては、繁殖期に入って鳴き声が大きくなる、縄張りを巡って喧嘩をする、人のゴミを荒らすといった行動が挙げられます。

「どら猫」の語源は「どら」です。「どら息子」などの言葉があるように、「どら」には手に負えないや素行の悪いという意味があります。これが転じて、盗み食いなどをするずうずうしい猫のことを「どら猫」と言うようになりました。

「どら猫」の類語・類義語としては、盗みを働く猫のことを意味する「泥棒猫」などがあります。

「野良猫」の例文

1.最近、近所の公園にいつもいる野良猫が人懐っこくなってきたように感じます。
2.野良猫に餌を与える人が多く、地域で問題になっています。
3.このあたりは野良猫が多く、夜になると鳴き声がよく聞こえてきます。
4.昨日、野良猫が子猫を連れて歩いているのを見かけて、とてもほっこりした気持ちになりました。
5.野良猫に安易に餌をあげると、かえって猫の生活環境を悪くしてしまうこともあります。

この言葉がよく使われる場面としては、飼い主のない猫のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「野良猫」は飼い主のいない猫を客観的に表現する時に使う言葉です。

「どら猫」の例文

1.夜中になると、どら猫がゴミをあさって大きな音を立てるのでとても困っています。
2.どら猫が勝手に庭に入り込んで、花壇を荒らしてしまいました。
3.あのどら猫は人が近づくと威嚇してくるので、子どもたちが怖がっています。
4.どら猫が車の上に乗って足跡だらけにしてしまったと近所で話題になっています。
5.どら猫の鳴き声が夜通し続いて、最近は寝不足ぎみです。

この言葉がよく使われる場面としては、盗み食いなどをするずうずうしい猫のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「どら猫」は荒々しくて人に迷惑をかけるような猫を否定的に表現する時に使う言葉です。

「野良猫」と「どら猫」はどちらも飼い主のいない猫のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、飼い主のいない猫を客観的に表現するのが「野良猫」、荒々しくて人に迷惑をかけるような猫を否定的に表現するのが「どら猫」と覚えておきましょう。

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