【ここ】と【そこ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ここ」と「そこ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ここ」と「そこ」という言葉は、どちらも場所や事柄を指すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ここ」と「そこ」の違い

「ここ」と「そこ」の意味の違い

「ここ」と「そこ」の違いを分かりやすく言うと、「ここ」は話し手に近い場所を指すこと、「そこ」は聞き手に近い場所を指すことという違いです。

「ここ」と「そこ」の使い方の違い

一つ目の「ここ」を使った分かりやすい例としては、「ここで休憩しましょう」「ここが私たちが生まれたところです」「ここだけの話にしておいてくださいね」「ここ数日寒い日が続いている」「ここには誰もいませんよ」などがあります。

二つ目の「そこ」を使った分かりやすい例としては、「そこまで歩くことはできますか」「そこは音楽室ですよ」「そこから傾斜が急になるので気をつけてください」「本はそこに置いていってください」などがあります。

「ここ」と「そこ」の使い分け方

「ここ」と「そこ」はどちらも場所や事柄を指すことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ここ」は近称の指示代名詞なので、話し手に近い場所を指す場合に使います、一方、「そこ」は 中称の指示代名詞なので、聞き手に近い場所を指す場合に使います。

つまり、「ここ」と「そこ」は距離によって使い分けるというのが違いと覚えておきましょう。

「ここ」と「そこ」の英語表記の違い

「ここ」を英語にすると「here」となり、例えば上記の「ここには誰もいませんよ」を英語にすると「There is nobody here」となります。

一方、「そこ」を英語にすると「there」となり、例えば上記の「本はそこに置いていってください」を英語にすると「Leave the books there, please」となります。

「ここ」の意味

「ここ」とは

「ここ」とは、話し手が現にいる場所を指すことを意味しています。その他にも、話し手や周囲の人が現に置かれている状況や程度を指すこと、現在を中心としてその前後を含めた期間を指すことの意味も持っています。

「ここ」の漢字表記

「ここ」を漢字にすると、「此処」「此所」「此」「是」「爰」「茲」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ここ」を使うようにしましょう。

「ここ」の使い方

「私の実家はここからそう遠くはありません」「荷物はここに置いておきますね」などの文中で使われている「ここ」は、「話し手が現にいる場所を指すこと」の意味で使われています。

一方、「ここまで言ってもまだ分かってくれないのですか」「ここ数年でこの辺りは大きく発展しました」などの文中で使われている「ここ」は、「話し手や周囲の人が現に置かれている状況や程度を指すことや現在を中心としてその前後を含めた期間を指すこと」の意味で使われています。

「ここ」は複数の意味を持つ近称の指示代名詞です。指示代名詞とは、事物、場所、方角などを指し示すのに用いる代名詞のことを指しています。

「ここ」は近称の指示代名詞なので、話し手に近い場所を指す場合に使うと覚えておきましょう。

「ここ」の特徴

「ここ」はあまり丁寧な表現ではないので、ビジネスシーンなどのかしこまった場面ではあまり適していません。もし、かしこまった場面で使いたいのであれば、「ここ」を丁寧に表現した「こちら」を使うようにしましょう。

「ここ」の類語

「ここ」の類語・類義語としては、話し手のそばにあるものを指すことを意味する「これ」、話し手に近い方向を指すことを意味する「こちら」、自分の属している方のことを意味する「当方」などがあります。

「そこ」の意味

「そこ」とは

「そこ」とは、聞き手に近い場所を指すことを意味しています。その他にも、その点のこと、その局面のこと、それほどのことの意味も持っています。

「そこ」の漢字表記

「そこ」を漢字にすると、「其処」「其所」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「そこ」を使うようにしましょう。

「そこ」の使い方

「そこにある袋を取ってもらえませんか」「そこが難しいところでしょう」などの文中で使われている「そこ」は、「聞き手に近い場所を指すことやその点のこと」の意味で使われています。

一方、「そこで休み時間終了のチャイムがなりました」「そこまで言うなら仕方ありませんね」などの文中で使われている「そこ」は、「その局面のことやそれほどのこと」の意味で使われています。

「そこ」は複数の意味を持つ中称の指示代名詞です。そのため、基本的には聞き手に近い場所を指す場合に使うと覚えておきましょう。

また、「そこへ行くのはもう少し時間がかかります」のように、聞き手と話し手の双方が承知している場所や事柄を指す場合にも「そこ」を使うことが可能です。

「そこ」の特徴

「そこ」はあまり丁寧な表現ではないので、ビジネスシーンなどのかしこまった場面ではあまり適していません。もし、かしこまった場面で使いたいのであれば、「そこ」を丁寧に表現した「そちら」を使うようにしましょう。

「そこ」の類語

「そこ」の類語・類義語としては、聞き手に近い方向を指すことを意味する「そちら」、 聞き手が当面している事柄や場面を指すことを意味する「その」などがあります。

「ここ」の例文

1.私の家はここからそう遠くないので、寄っていきませんか。
2.ここから駅まではとても近いので、私が案内しましょうか。
3.事ここに至っては手の打ちようがないので、私たちではどうすることもできません。
4.ここ1年、2年は怪我ばかりしていたので、まともにプレーすることができませんでした。
5.私の地元は駅の再開発や大型マンションが建設されたことにより。ここ数年で人気の街になりました。

この言葉がよく使われる場面としては、話し手が現にいる場所を指すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、話し手や周囲の人が現に置かれている状況や程度を指すこと、現在を中心としてその前後を含めた期間を指すことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は話し手が現にいる場所を指すこと、例文3は話し手や周囲の人が現に置かれている状況や程度を指すこと、例文4と例文5は現在を中心としてその前後を含めた期間を指すことの意味で使っています。

「そこ」の例文

1.そこは遊ぶ場所がたくさんあるので、1日中楽しむことができるだろう。
2.雨が部屋に入ってくると困るので、そこの窓を閉めてください。
3.無理を承知なのは分かっていますが、そこを何とかお願いできないでしょうか。
4.目的地は急行列車が止まらないので、そこで各駅停車に乗り換えなければなりません。
5.そこまで言うなら仕方ないので、あなたの言う通りにしようと思います。

この言葉がよく使われる場面としては、聞き手に近い場所を指すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、その点のこと、その局面のこと、それほどのことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2は聞き手に近い場所を指すこと、例文3はその点のこと、例文4はその局面のこと、例文5はそれほどのことの意味で使っています。

「ここ」と「そこ」はどちらも場所や事柄を指すことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、話し手に近い場所を指すことを表現したい時は「ここ」を、聞き手に近い場所を指すことを表現したい時には「そこ」を使うと覚えておきましょう。

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