似た意味を持つ「言及する」(読み方:げんきゅうする)と「言う」(読み方:いう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「言及する」と「言う」という言葉は、どちらも口に出すことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「言及する」と「言う」の違い
「言及する」と「言う」の意味の違い
「言及する」と「言う」の違いを分かりやすく言うと、「言及する」とは話題に上げること、「言う」とは言葉を口に出すことという違いです。
「言及する」と「言う」の使い方の違い
一つ目の「言及する」を使った分かりやすい例としては、「あえて古い事件に言及する」「今回の事故について言及する」「電話にあの件について言及された」「彼女はしばしばその点について言及した」などがあります。
二つ目の「言う」を使った分かりやすい例としては、「文句を言うだけは一人前だ」「誰もが彼女のことをよく言わない」「これ以上言うことは何もありません」「昨日大阪に来たと彼は言いました」などがあります。
「言及する」と「言う」の使い分け方
「言及する」と「言う」は似た意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「言及する」はある事柄を話題に上げて話す場合に使う、「言う」言葉を口に出すこと場合に使うという違いです。
例えば「おはよう」「良い天気だね」などの挨拶や、短い単語に対しては「言及する」を使うのではなく「言う」を使うのが正解になります。「言及する」はあくまでも、話題に上げて話す場合にのみに使うと覚えておきましょう。
また、「言う」には思うことを言葉で表現すること、名付けること、世間の人がそのように称することの良いがあるのも違うの一つです。
「言及する」と「言う」の英語表記の違い
「言及する」を英語にすると「mention」「refer to」となり、例えば上記の「彼女はしばしばその点について言及した」を英語にすると「She often referred to that point」となります。
一方、「言う」を英語にすると「say」「speak」「talk」となり、例えば上記の「昨日大阪に来たと彼は言いました」を英語にすると「He said he had come to Osaka the day before」となります。
「言及する」の意味
「言及する」とは
「言及する」とは、話がある事柄まで及ぶことを意味しています。
「言及する」の読み方
「言及する」の「言」という漢字は「遺言」「過言」など「ごん」と読むことが多いですが、「言及する」(読み方:げんきゅうする)の場合は「ごんきゅう」と読むことはできません。
表現方法は「暗に言及する」「言及しない」「言及される」
「暗に言及する」「言及しない」「言及される」「言及すべき」「言及する必要がない」などが、「言及する」を使った一般的な言い回しになります。
「言及する」の使い方
「言及する」を使った分かりやすい例としては、「禁止になる可能性について言及した」「政府はこの件に関して言及を避ける」「今回の不祥事に関して言及すべきと考えています」「あなたが言及する必要はありません」「アルバイト禁止については言及されていない」などがあります。
「言及する」とは話がある事柄まで及ぶことを意味しており、簡単に言うとある事柄を話題に上げて話すこととなります。
「言及する」がよく使われる場面としては、政治関連のメディアや会社のプレゼンなどがあります。ビジネスシーンでも使っても問題ない言葉と覚えておきましょう。
「言及する」の類語
「言及する」の類語・類義語としては、論じてそのことにまで言い及ぶことを意味する「論及」、人の感情や考えが人の感情や考えが間接的な手段によって無意識のうちに強制によらずにある方向に変化することを意味しています。
「言う」の意味
「言う」とは
「言う」とは、言葉を口に出すことを意味しています。その他にも、思うことを言葉で表現すること、名付けること、世間の人がそのように称することの意味でも使われています。
「言う」の使い方
「やっと片言を言うようになりました」「彼はいつも文句ばかり言う」「もう何も言うことはありません」などの文中で使われている「言う」は、「言葉を口に出すことや思うことを言葉で表現すること」の意味で使われています。
一方、「この銅像は忠犬ハチ公と言います」「彼は無類のラーメン好きと言われている」などの文中で使われている「言う」は、「名付けることや世間の人がそのように称すること」の意味で使われています。
「言う」は言葉を口の出すことを意味しており、とても幅広い範囲で使うことができる言葉です。そのため、馴染みがある人も多いでしょう。
ことわざ「言うは易く行うは難し」の意味
言うを使ったことわざに「言うは易く行うは難し」があります。「言うは易く行うは難し」とは、口で言うのは簡単だがそれを実行するのは大変難しいことを意味しています。
表現方法は「言うまでもなく」「文句を言う」「礼を言う」
また上記以外にも「言う」を使った言い回しとしては、「言うまでもなく」「文句を言う」「礼を言う」「俗に言う」などがあります。
「言う」の類語
「言う」の類語・類義語としては、言葉で相手に伝えることを意味する「話す」、考えや意見などを口に出して言うことを意味する「述べる」、まとまった内容を順序だてて話して聞かせることを意味する「語る」などがあります。
「言及する」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、話がある事柄まで及ぶことを表現したい時などが挙げられます。
例文5のように「言及」はマスコミ関連でよく使われている言葉です。
「言う」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、言葉を口に出すことを表現したい時などが挙げられます。その他にも、思うことを言葉で表現すること、名付けること、世間の人がそのように称することを表現したい時にも使います。
例文1の「言う」は言葉を口に出すこと、例文2と例文3の「言う」は思うことを言葉で表現すること、例文4の「言う」は名付けること、例文5の「言う」は世間の人がそのように称することの意味で使っています。
「言及する」と「言う」どちらの言葉を使うか迷った場合は、ある物事が話題に上がることを表現したい時は「言及する」を、言葉を口に出すことを表現したい時は「言う」を使うと覚えておきましょう。