【力士】と【関取】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「力士」(読み方:りきし)と「関取」(読み方:せきとり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「力士」と「関取」という言葉は、どちらも「相撲取り」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




力士と関取の違い

力士と関取の意味の違い

力士と関取の違いを分かりやすく言うと、力士とは全ての相撲取りを表し、関取とは十両以上の相撲取りを表すという違いです。

力士と関取の使い方の違い

一つ目の力士を使った分かりやすい例としては、「彼はまだ最も下級の力士です」「早く一人前の力士になって親を安心させたいです」「元力士による暴行事件が明るみになる」「名力士輩出の小学校で相撲大会が開催されました」などがあります。

二つ目の関取を使った分かりやすい例としては、「関取衆による申し合い稽古に参加する」「関取になるために稽古に励む」「大けがを負った因縁の場所で関取復帰をつかみ取る」「関取からイラストレーターに転身しました」などがあります。

力士と関取の使い分け方

力士と関取という言葉は、どちらも相撲を職業とする人を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

力士とは、相撲取りのことであり、親しみを込めて「お相撲さん」と呼ばれることもあります。力士は番付によって序列があり、序の口、序二段、三段目、幕下、十両、幕内(前頭、小結、関脇、大関、横綱)の順に高くなります。この番付は各場所の成績に基づいて決まり、力士の待遇に影響します。

関取とは、十両以上の力士を意味します。関取になると一人前の力士と認められ、給料が支払われます。また、大部屋から個室に移り、付け人が身の回りの世話をしてくれ、大銀杏が結えたりなど、待遇が大きく向上します。

つまり、力士とは相撲を取ることを職業にしている相撲取りの総称であり、関取とは番付で十両以上の相撲取りを意味します。二つの言葉を比べると、関取より力士の方が広い意味を持ち、汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

力士と関取の英語表記の違い

力士も関取も英語にすると「sumo wrestler」となり、例えば上記の「最も下級の力士」を英語にすると「a lowest class sumo wrestler」となります。

力士の意味

力士とは

力士とは、相撲取りを意味しています。

その他にも、「金剛力士の略」「力の強い人、力持ち」の意味も持っています。

力士の使い方

「力士は階級によって扱いが変わります」「給料が出ない力士もいます」「力士の褒賞金制度について調べています」「力士のイラストが入った文房具を買いました」などの文中で使われている力士は、「相撲取り」の意味で使われています。

一方、「東大寺の南大門に有名な力士像があります」の文中で使われている力士は「金剛力士の略」の意味で、「彼の見た目は小柄ですが意外と力士なんです」の文中で使われている力士は「力の強い人」の意味で使われています。

力士の読み方

力士の読み方は「りきし」です。誤って「りょくし」「りきじ」などと読まないようにしましょう。

力士とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ちますが、一般的には「相撲取り」の意味で用いられている言葉です。力士の「力」は肉体的あるいは精神的な強さを表し、「士」は男子の通称や強者を表す漢字です。

表現方法は「力士養成員」

力士を用いた日本語には「力士養成員」があります。力士養成員とは、大相撲の番付で幕下以下(幕下、三段目、序二段、序ノ口)の力士を意味し、俗に「若い衆」とも呼ばれています。力士養成員は関取の身の回りの世話や部屋の雑務を行い、給料はありませんが本場所ごとに手当が支給されます。

力士の類語

力士の類語・類義語としては、相撲取りを親しんで呼ぶ語を意味する「お相撲さん」、力士の最下位の者の称を意味する「取的」、相撲で最も位の低い力士の俗称を意味する「ふんどし担ぎ」などがあります。

関取の意味

関取とは

関取とは、幕内および十両力士の敬称を意味しています。

関取の使い方

関取を使った分かりやすい例としては、「憧れの角界で関取を目指します」「関取の給料は地位によって分かれています」「今はまだ部屋の関取の付け人です」「関取のまわしの手入れをしています」などがあります。

その他にも、「関取の土俵入りを生で観ました」「関取衆の申し合いで8連勝を飾った」「関取一覧を画像付きで作成しました」「栃木県出身の関取は何人いますか」「関取となった霧島のプロフィールをチェックする」などがあります。

関取とは、もともと大関の異称でしたが、現在では十両以上の力士を意味します。関取には幕下以下の付け人がつき、紋服を着ることや大銀杏を結うことが許され、月給や褒賞金をもらえるようになります。

関取の給料

関取の給料は、日本相撲協会から月給が支給されます。番付によって月給が決まっており、例えば十両で月額110万円、横綱で月額300万円と決められています。月給の他に、力士褒賞金や賞金、懸賞金などの収入があります。

関取の対義語

関取の対義語・反対語としては、関取でない若い力士を意味する「取的」、大相撲の番付で幕下以下の力士を意味する「力士養成員」などがあります。

関取の類語

関取の類語・類義語としては、相撲取りの最上位の者を意味する「関」、相撲で力士の最高位を意味する「横綱」、相撲の力士の最上位の者を意味する「大関」、相撲で番付の第一段に名が記される前頭以上の力士を意味する「幕内」などがあります。

力士の例文

1.幕内力士の顔と名前を一致させたくて、写真付きの一覧表を自分で作ってみました。
2.お気に入りの相撲部屋の力士一覧は、場所ごとに更新するようにしています。
3.力士の階級や番付を覚えるには、ピラミッドの図をイメージするとよいでしょう。
4.力士の給料は階級別になっているので、番付によって予測することができます。
5.力士は体重や体脂肪率の管理がとても大切なので、食事には人一倍気を使っています。

この言葉がよく使われる場面としては、相撲取り、手に金剛杵または金剛杖などを持つ菩薩の総称、力の強い者を表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「幕内力士」(読み方:まくうちりきし)とは、相撲番付の最上段に記載される前頭以上の力士のことです。「幕ノ内力士」(読み方:まくのうちりきし)とも呼ばれています。

関取の例文

1.モンゴル出身の関取を一覧にしてみると、大相撲で非常に活躍していることがわかりました。
2.幕下まで番付を登れば関取まであと一歩なので、諦めずに精進いたします。
3.十両は幕内の下の階級ですが、関取として認められ給与が支給されるようになります。
4.私は関取になったばかりなので、まずは幕内力士になれるよう頑張ります。
5.物価高騰で賃上げの動きも活発になっているので、関取の給料も増額すべきだろう。

この言葉がよく使われる場面としては、十両以上の力士のことを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある関取と幕内力士の違いは、関取は十両以上の力士を指しますが、幕内力士は十両を除いた前頭以上の力士を指す点です。つまり、幕内力士は関取の中でも上位の力士です。

力士と関取という言葉は、どちらも「相撲取り」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、相撲取りである全ての人を表現したい時は「力士」を、十両以上の相撲取りを表現したい時は「関取」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター