似た意味を持つ「当て逃げ」(読み方:あてにげ)と「ひき逃げ」(読み方:ひきにげ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「当て逃げ」と「ひき逃げ」という言葉は、どちらも交通事故の後に加害者が現場から逃走することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「当て逃げ」と「ひき逃げ」の違い
「当て逃げ」と「ひき逃げ」の意味の違い
「当て逃げ」と「ひき逃げ」の違いを分かりやすく言うと、「当て逃げ」は物や車両の物損事故に対して使う、「ひき逃げ」は人身事故に対して使うという違いです。
「当て逃げ」と「ひき逃げ」の使い方の違い
一つ目の「当て逃げ」を使った分かりやすい例としては、「自転車を止めていたら当て逃げされてフレームが曲がりました」「コンビニの駐車場で当て逃げが多発しているらしいです」「小さな傷でも当て逃げは立派な犯罪です」「駐車中の車に当て逃げされた」などがあります。
二つ目の「ひき逃げ」を使った分かりやすい例としては、「夜道でひき逃げが起きたとニュースで報じられている」「ひき逃げをした犯人はまだ捕まっていないそうだ」「ひき逃げ事故の現場に花が手向けられていました」「歩行者を彼はひき逃げして逮捕された」などがあります。
「当て逃げ」と「ひき逃げ」の使い分け方
「当て逃げ」と「ひき逃げ」はどちらも交通事故の後に加害者が現場から逃走することを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「当て逃げ」は「駐車中の車にぶつけて当て逃げされた」「ポールにぶつけたのにそのまま当て逃げした」のように、物や車両に損害を与えたまま逃走する場合に使う言葉になります。
一方、「ひき逃げ」は「人をひいてしまったのにそのままひき逃げした」「歩行者をひき逃げして大きなニュースになった」のように、人を負傷させたり死亡させたりしたにもかかわらず、救護義務を果たさずに逃走する場合に使う言葉です。
つまり、物や車両の物損事故に対して使うのが「当て逃げ」、人身事故に対して使うのが「ひき逃げ」と覚えておきましょう。
「当て逃げ」とは
「当て逃げ」も「ひき逃げ」も英語にすると「hit-and-run」となり、例えば上記の「駐車中の車に当て逃げされた」を英語にすると「My parked car was hit in a hit-and-run accident」となります。
「当て逃げ」の意味
「当て逃げ」とは
「当て逃げ」とは、自動車やバイクを運転中に物損事故を起こしてそのままその場を立ち去ることを意味しています。
「当て逃げ」の使い方
「当て逃げ」を使った分かりやすい例としては、「駐車場で車に傷をつけられて当て逃げされてしまった」「壁にぶつけたのに当て逃げするなんて許せないです」「バイクを当て逃げされたが犯人は見つかっていません」「当て逃げの犯人を特定するために防犯カメラを確認しました」などがあります。
「当て逃げ」の使い方
「当て逃げ」は車やバイク、自転車などの乗り物を運転していて、他の車や建物などにぶつけて損害を与えたにもかかわらず、その場から連絡もせずに立ち去ってしまう行為を表す言葉です。法律用語として使われています。
「当て逃げ」は一般的に駐車場に停めていた車にぶつけて傷をつけたのに連絡先を残さず去ったり、狭い道路で壁にこすって塗装をはがしたまま走り去るケースなどが挙げられます。
「当て逃げ」の特徴
「当て逃げ」は道路交通法違反になるので犯罪行為です。そのため、「当て逃げ」をした場合は3か月以下の懲役または5万円以下の罰金などの罰則行為があります。
ただし、物損自体については犯罪にはなりません。わざと物を壊すと器物損壊罪になりますが、当て逃げの場合は過失ですので器物損壊罪にはならないのです。しかし、危険防止措置義務と報告義務を怠ったので犯罪になるのです。
「当て逃げ」を防ぐには、駐車場などでの慎重な運転を心がけたり、ドライブレコーダーを設置して証拠を残すことが大切だと言われています。
「ひき逃げ」の意味
「ひき逃げ」とは
「ひき逃げ」とは、自動車で人を轢き負傷させた上で適切な処置を取ることなく逃走することを意味しています。
「ひき逃げ」の使い方
「ひき逃げ」を使った分かりやすい例としては、「彼はひき逃げの容疑で警察に追われている」「ひき逃げの瞬間を目撃した人が証言してくれました」「歩行者をひき逃げして逃げるなんて絶対に許されません」「ひき逃げ事件が多発していて地域の人々が不安がっています」などがあります。
「ひき逃げ」は車やバイクなどの乗り物を運転中に人にぶつかってケガを負わせたり、命を奪ってしまったにもかかわらず、そのまま現場から逃げ去ってしまう行為を表す言葉です。法律用語として使われています。
「ひき逃げ」の特徴
「ひき逃げ」は車両等の運行中に人の死傷を伴う事故があった場合に道路交通法第72条に定められた必要な措置を講ずることなく、車両の運転者等が事故現場を離れる犯罪行為です。そのため、救護義務違反となり、懲役又は罰金の罰則があります。
「ひき逃げ」は多くの場合、運転者が事故の責任や刑罰を恐れ、発覚を免れようとして現場を離れることが原因です。
「当て逃げ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自動車やバイクを運転中に物損事故を起こしてそのままその場を立ち去ることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「当て逃げ」は車両の物損事故に対して使う言葉です。
「ひき逃げ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自動車で人を轢き負傷させた上で適切な処置を取ることなく逃走することを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ひき逃げ」は人身事故に対して使う言葉です。
「当て逃げ」と「ひき逃げ」はどちらも交通事故の後に加害者が現場から逃走することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物や車両の物損事故に対して使うのが「当て逃げ」、人身事故に対して使うのが「ひき逃げ」と覚えておきましょう。